Kyra Sedgwick and Kevin Bacon in The Woodsman
ザ・ウッドマン(2004年)
刑務所から社会に戻ったペドフィリアの人生を描いた「ザ・ウッドマン」を監督したのは日本では知られていないNicole Kassell(ニコール・カッセル)ですが、主人公の性犯罪者をKevin Bacon(ケビン・ベーコン)が主演してインディペンデント映画祭として知られる Sundance Film Festival(サンダンス映画祭)で評判となったというヒューマンドラマです。 映画のタイトルの”woodsman”は木こりとか森で働く人という意味があるそうだが、映画のストーリーとしては「盗人にも三分の理」なのか、「罪を憎んで人を憎まず」なのか。 1962年にSerge Bourguignon(セルジュ・ブールギニョン)が監督して話題を呼んだ「Les Dimanches de Ville d’Avray(シベールの日曜日)」という映画がありました。 Richard Widmark(リチャード・ウィドマーク)がソフトになった感じのドイツ人俳優のHardy Krüger(ハーディ・クリューガー)がインドシナ戦争で日々子供達まで爆撃していたせいでしょうか、記憶を失った青年を演じています。 孤独な青年が恋人には秘密で、父親にパリ郊外の修道院に置き去りにされた一人ぼっちの12歳の少女と純粋な気持ちで逢うのです。 少女の父親と名乗って男は日曜日ごとに少女と逢い楽しい時間を過ごしたのですが、この行動を周囲の人々は理解できず、変質者として警官が射殺してしまうという美しくも哀しいストーリーでした。 クリューガーはドイツの探検家を演じた1956年の「Liane, Jungle Goddess(ジャングルの裸女)」では少年ケニヤのケイト的存在、15歳のMarion Michael(マリオン・ミハエル)が演じたジャングルの金髪少女に慕われ彼女の虜にもなっています。
インターネットの普及に伴う児童ポルノの氾濫が国を挙げての摘発及び根絶へと発展している昨今です。 幼児虐待とも呼ばれる子供に対する性犯罪、このPedophile(ペドファイル)は13歳の教え子と二人の子供を作ったMary Kay Letourneau(メアリー・ケイ・ルトーノー)の例以外では殆どが男性が少女に対して抱くことが多いようです。 映画ではこの小児性愛者として判決通りに12年間服役したものの自分の犯した罪の重さに気づいているかどうかは不明のウォルター(ケヴィン・ベーコン)が保護観察処分である町にやって来ます。 映画ではウォルターがどんな犯罪を犯したのかは不明のままですが刑期が12年と長いことをみるとかなりの重罪なのでしょう。(まさか、自分の妹ではないでしょうが) 小児性愛者のウォルターが移り住んだアパートが小学校の側というのも皮肉です。 ウォルターは製材所の労働者(赤ずきんちゃんに登場する樵)として、人生をやり直そうとするも己の罪ゆえに他人を避けた生活を送るのです。 ウォルターの家族や以前の知り合いからも当然のこと疎んじられ、警察や医師も異常な性衝動の再発を杞憂する状況のなか職場の女性(キーラ・セジウィック)が近づいてきます。 ウォルターに付きまとう地元警官は童話の「赤ずきんちゃん」の話をしてペドフィリアはオオカミで赤ずきんちゃんを救う樵なんていやしないと言う。 まさにウォルターが公園(森)で出会ったのがバードウォッチングが好きなロビンという12歳の女の子でした。 ロビンは「私と鳥は友達よ。鳥たちは私が危険ではないと分かっているの」 内なる悪魔と闘わねばならないウォルター。 ここが最も重要な部分だそうです。 ウォルターとロビンが友達のままでありますように。
「ザ・ウッドマン」の女性監督ニコール・カッセルは2002年に「The Green Hour」という最初のショート・フィルムを製作してThe Warner Brothers Picture Film Production Awardを受賞しています。 そして、The Woodsman(ザ・ウッドマン)オリジナル・スクリプトは、脚本家のSteven Fechter(スティーヴン・フェチター)と共同制作ですが、2001年のSlamdanceシナリオ・コンテストで一位になったそうです。 ハリウッドではゲイ問題より扱いが難しいペドフィリアという題材のため玄人受けしても素人受けしない映画のようです。 赤ずきんちゃん危うし、じゃなくてロビンちゃん危うしか。
「ザ・ウッドマン」の翌年、2005年に「Hard Candy(ハードキャンディ)」というサスペンス映画が作られました。 2004年に「オペラ座の怪人」でプリマドンナの恋人ラウルを演じたPatrick Wilson(パトリック・ウィルソン)が主演していますが、このカメラマンがペドフィリアで、インターネットのチャットで知り合った赤いずきんの少女が罰を与えます。 オヤジ狩りを実行するヘイリーにはトランスジェンダー俳優(2020年にsheからheに)のElliot Page(エリオット・ペイジ、元エレン・ペイジ)です。 ちなにタイトルのハードキャンディとはインターネット用語で12歳から16歳位のローティーンの少女を意味するとか。(映画では別の意味もありそう)
「ザ・ウッドマン」のあらすじ
映画の冒頭は少女に性的虐待を与えたとして12年間服役していた45歳の主人公ウォルターが監視下の仮釈放書類に拇印を押すシーンに続いてバスで故郷のフィラデルフィアに帰り住まいを決める。 ウォルターの部屋は期せずして窓から小学校が見える場所にある。(いけない誘惑の種が) ウォルターは学校前でキャンディをあげて子供たちと信頼関係を作ろうとしている男を見て自分と同類だと確信するも警官には知らせなかったが、ラストでは明らかに少年を弄んだこの男をぶちのめしています。
ウォルターがこれから働く製材場で昼食の時に声をかけてきた黒人女(Eve(イヴ)が演じる)は手首に入れ墨がある。(元囚人てことはないでしょうがファッションなのかも) この女にかかわり合いたくない意思を表すウォルター。(成人女性には興味なしか) これが災いしたか、後にイヴはウォルターの罪状を知り職場中に吹聴してウォルターに危機を与えることとなる。
さて、アパートに戻ると数少ないウォルターの理解者でこのアパートを手配してくれた妹の夫が訪ねて来てていた。 義弟のカルロスを演じるのは1994年の「The River Wild(激流)」でも共演した童顔のBenjamin Bratt(ベンジャミン・ブラット)です。 監視下に置かれたウォルターの苦痛といえば、定期的にカウンセラーに会いに行くことと、職務とはいえまるでウォルターの再犯を待っているかのように懐疑的な警官のルーカス(Mos Def(モス・デフ)が演じる)の審問を度々受けることになる。 ルーカスは話の中で「不思議の国のアリス」(作者のルイス・キャロルはプラトニックな少女愛説が話題となった)や「赤ずきんちゃん」のお伽話しにふれている。(幻想でウォルターが手にするボールは赤ずきんちゃんのマントとおなじ赤)
製材所に向かう時、アパートの前の小学校のあたりを物色するかのように車で流している男を見かけた。 製材所では女性従業員は少数であるがその中でもとびっきり威勢の良い女性がウォルターの目に留まった。 それがキーラ・セジウィックが演じるヴィッキーで、ヴィッキーの方もウォルターが気になるようでした。
ある日ウォルターが目的は不明だが(いや理由は欲望からだ)鍵のかかった小学校の門の前にいた時のこと、突然閉まっているはずの門があいて赤いボールが転がってきたのでそれを手に取るウォルターだったが、すぐに現実に引き戻された。 やはり門は鎖がかかったままだった。 一瞬誘惑の衝動にかられたのか、象徴的なシーンです。
ある日、ウォルターはアパートに送ってあげるというビッキーの誘いに応じて、彼女が運転するバンに乗った。 運転するヴィッキーの手首にもイヴのように入れ墨があった。 関係を持つ前にウォルターの暗い過去を知りたいというヴィッキーに何もないと言ったウォルターだったが後に自分の過去を告白してヴィッキーに衝撃を与え、これ以降ヴィッキーはウォルターとの接触を断った。 ウォルターにとってヴィッキーとの関係は小児性愛という忌むべき自分の性癖と決別できるかという賭けのようなものだったろう。 とはいえ今までの性癖のせいか成人女性のヴィキーを膝に乗せてしまうことがあったウォルターだったが。
自分の犯した罪を常に認識させられる生活を送るそんなある日、ウォルターは子供に話しかけているあの男を見かけて警察に知らせるかどうか悩んだ。 この後、小学校や公園そして町でも少女たちばかりが目につくウォルターはと遂にそのうちの一人を追ったが店員に声をかけられ警備員も気になりその場を去る。(これは神が与えたもう試練か)
ウォルターと切れたヴィッキーだったがやはり気になりインターネットで調べてみたりもしたが鉢植えプラントを持ってウォルターのアパートを訪ねてきてよりを戻した。(ページトップの画像はこの時) さて、同様にインターネットでウォルターの過去を暴き出したのは製材所で親しそうにする二人を嫉妬していたイヴだった。 ある日自分のロッカーを開けたウォルターは少女の写真に殴り書きで「みんなで見張ってるぞ!」と書かれたポスターが貼られていたのです。 そんな時ウォルターはバスのなかで一人の少女を見つけた。
別の日に再びウォルターと少女はバスに同乗した。 少女が森の公園で降りた後、そこに佇んでいるウォルターの姿があった。 森の公園に入って行くと双眼鏡を手に鳥の観察をしている少女を見つけた。 ルーカスの訪問後に癇癪を起こしたウォルターがカウンセラーの勧めで今までのことを日記にしたノートを破り捨てるのですが、この時も廊下の向こうに赤いボールと少女の幻影がちらっと見えたのです。
この後職場で嫌がらせが横行しウォルターは仕事の手を止めて出ていったのですが、最悪のシナリオを想定して後を追ったのはヴィッキーで、ウォルターの部屋に散乱したメモをかき集めたのでした。
職場での孤立感からウォルターは再びあの森の公園に足を向けました。 一人でベンチに座っているウォルターの傍らに少女が座りました。 12歳のロビンと名乗ったこの少女を膝の上に乗せたい衝動に駆られるウォルターでした。 少女はウォルターの膝に乗ることを最初は拒否したが父親からの虐待を涙ながらに告白した後、父親とウォルターとの共通点を見いだしたのかウォルターの膝に乗ってもいいと言ったのです。 こみ上げる衝動を抑えたウォルターは小女に家に帰るように言いました。 このシーンで少女が別れる時にウォルターを抱きしめるのですが双方の微妙な感情を窺い知ることができます。
少女が去った後はしばし放心状態だったウォルターは帰り道に小学校の近くで先ほど見かけたペドフィリアの男が目的を遂げたらしくキャンディーで釣り上げた少年を車から降ろした場面に遭遇する。 ウォルターは自己嫌悪からこの男を殴りつけた後にヴィッキーの家を訪ねて行きます。 この少女を膝の上に乗せたい衝動に駆られるウォルターでした。 少女はウォルターの膝に乗ることを最初は拒否したが父親からの虐待を告白した後、父親とウォルターとの共通点を見いだしたのかウォルターの膝に乗ってもいいと言ったのです。 こみ上げる衝動を抑えたウォルターは小女に家に帰るように言いました。 このシーンで少女が別れる時にウォルターを抱きしめるのですが双方の微妙な感情を窺い知ることができます。
少女と別れたウォルターは小学校の近くで例のペドフィリアの男が少年をキャンディーで釣り上げ目的を遂げたらしく少年を車から降ろした場面に遭遇する。 ウォルターは自己嫌悪からこの男を必要以上に殴りつけ、その足でヴィッキーを訪ねたのです。 こんなウォルターを受け止めたのはヴィッキーでした。
翌朝訪ねてきた警官のルーカスが言うにはウォルターが殴った男の事件で少年がウォルターに有利な証言をしているのでお咎め無しとすると言いに来た。 あの男は他州で少年を暴行したとして手配中だったとか。 (かってはウォルターが愛したかもしれない)ウォルターの妹との再開をカルロスが設定したが現在は女児を育ている妹は今のところは怒りが解けることはなさそうだ。(以前カルロスも娘に触れたら殺してやるとまでウォルターに言った) でもウォルターは時が経てば。。。と将来を楽観的に見ている様子でした。
映画は主人公のウォルターに感情移入させるかのようにウォルターが自分の犯した間違いを悔いて誘惑に耐えているシーンを観せています。 ともかくロビンちゃんへの誘惑は押さえることが出来たのでここまではウォルターが12年という刑期を終えてきたのはその効果があったように見えます。 しかし誘惑との葛藤は死ぬまで続くかもしれません。
Walter and Robin, Overcoming evil in The Woodsman – YouTube
「The Woodsman(ザ・ウッドマン)」の予告編はThe Woodsman Trailer – IMDb
☆「The Woodsman(ザ・ウッドマン)」はアメリカでは映画のテーマがタブーを扱っているせいか2004年12月に限定公開されましたが日本では未公開でDVDもリリースされません。
☆ 映画の参考にThe Woodsman Script – Dialogue Transcript – Drew’s Script-O-Rama
Kyra Sedgwick
ガールフレンドのヴィッキー役で共演したKyra Sedgwick(キーラ・セジウィック又はカイラ・セドウィック)は私生活ではベーコン夫人です。 二人はPat Metheny(パット・メセニー)が音楽を手がけた1987年のTV映画「Lemon Sky(レモン色の空)」で共演して知り合って結婚したそうです。 このカップルは1994年の「告発」で囚人と売春婦ではありますが初めて夫婦で共演をしています。
日本未公開の「レモン色の空」は、60年代後期にオフ・オフ・ブロードウェイの前衛劇場のパイオニア的存在の”Café Cino”で自作自演の芝居を打ったというLanford Wilson(ランフォード・ウィルソン)原作によるシュールな伝記風の1970年の戯曲を同じくランフォード・ウィルソンの脚本でJan Egleson(ジャン・イーグルソン)監督が映画化したものです。 1988年のSundance Film Festival(サンダンス映画祭)で特別審査員賞を受賞したもので、音楽はジャズ・ギタリストで作曲家のPat Metheny(パット・メセニー)だそうです。 ケヴィン・ベーコンは親子の確執を空しくも克服しようとする若者”Alan(アラン)”を演じ、キーラ・セジウィックは危険な誘惑の香りがする十代の少女”Carol(キャロル)”を魅力的に演じました。 孤独や疎外感をテーマにしたランフォード・ウィルソンの戯曲はしばしば私の好きなTennessee Williams(テネシー・ウィリアムズ)に比べられることもあるそうです。 ちなみにこの夫婦は1959年にショービジネス界の人々に賛辞を示すため始められたWalk of Fame(ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム)の星型プレートに名を連ねています。 ケヴィンは2003年でしたが粋なはからいで2009年にはケヴィンの隣にキーラがハリウッドの殿堂入りを果たしました。
70年代から80年代に浮上してジャンルを超えた演奏を聴かせるパット・メセニーのアルバムは2000年にリリースされたPat Metheny Trioの”Live”しか聴いたことがありません。 この2枚組アルバムはパット・メセニーの世界ツアーのライヴ盤で、1976年のデビューアルバム”Bright Size Life”と同名の曲を収録しています。
キーラ・セジウィックはEric Clapton(エリック・クラプトン)が歌うテーマ曲”Change the World”が印象的な1996年のファンタジー映画「Phenomenon(フェノミナン)」で「サタデー・ナイト・フィーバー」のJohn Travolta(ジョン・トラボルタ)と共演しました。
ちなみにキーラ・セジウィックはカイラ・セジウィック、カイラ・セルジウィック、はキラ・セドウィック又はキーラ・セヂウィックなどと表記されています。 関連があるかどうかは不明ですが”セヂウィック”というとアメリカ東部の最高の名家で大富豪の苗字なんだそうです。
「フェノミナン」のサウンドトラックの「Phenomenon: Music From The Motion Picture (Soundtrack)」(ASIN: B000002NB0)にはエリック・クラプトンの”Change The World”をはじめ、Aaron Neville(アーロン・ネヴィル)の”Crazy Love”、Peter Gabriel(ピーター・ガブリエル)の”I Have the Touch”、Taj Mahal (タジ・マハール)の”Corinna”やMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)の”Piece Of Clay”などを収録しています。
The Woodsman Soundtrack
映画の音楽は同じく2004年にジョン・トラボルタが出演した「A Love Song for Bobby Long(ママの遺したラヴソング)」で音楽を手掛けたNathan Larson(ネイサン・ラーソン)ですがサウンドトラックはリリースされていないようです。
「The Woodsman」のプロデューサーでもあるケヴィン・ベーコンが作曲した”Chop Wood, Carry Water”を兄弟デュオのThe Bacon Brothersが歌っている他、70年代ファンクのJames Brown(ジェームス・ブラウン)の自作自演で”Papa Don’t Take No Mess Pt. 1″やParliament(パーラメント)の”Give Up the Funk”、そしてなにかと話題の多いLindsay Lohan(リンジー・ローハン)とレズ関係が噂された歌手のSamantha Ronson(サマンサ・ローソン)が歌う”Pull My Hair Out”の他にもゴスペルなどが使用されています。
The Bacon Brothers Interview on QTV – YouTube
映画のタイトルの「The Woodsman」は木こりや木材関係の労働者のことを指しますが、その他には童話「赤ずきんちゃん」のなかで女の子を助けるあの樵(キコリ)の男のことも意味するという説があるそうです。(オオカミは少女偏愛主義者の象徴で赤は欲望の象徴とか?) 「ザ・ウッドマン」のポスターやDVDのカバー画像にはウォルターが赤いボールを手に持っている写真が使用されています。
Pedophilia, Child Molestation, and Child Abuse
ペドファイルとは小児愛者とか幼児虐待犯の意味ですが、愛する対象が13歳以下である場合はペドフィリアという精神の病とみなされます。 これが世界的に深刻化しているアメリカでは小児猥褻犯や幼女強姦犯たちが刑期を務めた後の精神的健康の回復を目的として収容する施設が存在し、カリフォルニアのCoalinga精神病院などではカウンセリング(性暴力捕食者治療プログラム(SVP))などのリハビリを真面目に受ければ一年もしない内に社会復帰する患者もいるとか。 しかしこのような性癖はそう簡単に治るというものではないらしく一生病院から出られない患者もおり、最終的には去勢しかないともいわれているそうです。 もしもこんな遺伝子を受け継いで生まれてきたらどうする? 性癖っていったい誰のせいなんでしょう。 遺伝子のなせる技か生育環境で育まれる後天的な指向か。 性癖(性的指向)といっても大昔は罰せられた同性愛は今では宗教によっては禁止されていますがおおむね市民権を得て、歴史的に古くから存在してきた服装倒錯者(女装)はテレビで引っ張りだこの現在、双方の欲望が合致すればSMプレイも性的倒錯もOKでしょうが、弱者が犠牲になる小児愛やレイプや痴漢など双方の愛がない行為は永遠に許されません。 許されざる罪
日本未公開ですがアメリカで発売された原語版「The Woodsman」DVDですが現在は全く入手不可となりました。
The Woodsman [Import] (ASIN: B00005JNDR)
☆ケヴィン・ベーコンの演技が素晴らしいというのに日本はもとよりアメリカでもDVDの販売が尻すぼみで大変残念ですが、アメリカのAmazon.comにはフォーマットがAC-3やPALのDVD及びVHSがあります。
Kevin Bacon in Murder In The First
ケビン・ベーコンは単純に「好き!」とか、「素敵!」という俳優というよりも、どの映画を観ても恐ろしいほどの不思議な魅力を持っているといえます。 悪を演じたら天下逸品、さわやか青年を演じたら? 見ている方がこそばゆくなります。
1930年代に実在した銀行強盗で殺人犯の男をモデルにしていてその囚人は何度か刑務所を代わった後にアルカトラズに収監され他の囚人たちと脱獄を企てた後捕まって拷問を受けたのは事実だそうですが、映画では獄中死しています。 実際は61歳で釈放されてまだどこかで生きているらしいなど他のいくつかが事実と違うとか。
1993年の「True Romance(トゥルー・ロマンス)」ではギリギリ・ボーイを、1994年の「Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles(インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)」で最後にトム・クルーズに噛まれてバンパイアになるChristian Slater(クリスチャン・スレイター)が新米の弁護士のJames Stamphill(ジェームス)を演じていますが、法廷でヘンリーのガス室送りを求めるマクニール検事は2004年の「Cellular(セルラー)」で見事な横っ飛び撃ちを見せたWilliam H. Macy(ウィリアム・H・メイシー)です。
ところで実生活も何かとワイルドなクリスチャン・スレイターは1993年に”Blue Moon”や”Nature Boy”などの挿入曲で泣かせる純愛ストーリーの「Untamed Heart(忘れられない人)」で心臓病で孤独なアダムを演じ他のに続き同年「トゥルー・ロマンス」(これがイチオシ)では店主からのバースデイ・プレゼントだった売春婦アラバマ(パトリシア・アークエット)と結婚するクラレンス・ウォリーを演じました。 クリスチャン・スレイターはこの他にも2002年にNicolas Cage(ニコラス・ケイジ)が主演した戦争アクション映画「Windtalkers(ウインドトーカーズ)」で海兵隊員のジョー・エンダーズ(ソロモン諸島の戦いでは伍長、昇格して日本領サイパン島では軍曹)と共に人に話せない任務を受けた人の良さそうなピート(オックス)・アンダーソン軍曹を演じますがラストが無惨、日本刀で首が飛ぶ。 無精髭を生やした二等兵のパパスを演じるMark Ruffalo(マーク・ラファロ)はこの後2005年に「Just Like Heaven(恋人はゴースト)」に出演しますが2012年には「The Avengers(アベンジャーズ)」や「アイアンマン」で超人ハルクを演じています。
後にバンザイ・クリフで知られるサイパン島の肉弾戦シーンでは肩に乗せた携帯式ミサイルを撃ったピート軍曹はチャーリー・ホワイトホースが吹く小振りな尺八のようなナバホ笛を気に入って自分のハモニカと合奏を申し出ます。 映画のタイトルは文字を持たないアメリカ・インディアンのナバホ族のことで、第二次世界大戦末期にサイパン島で米軍の暗合を解読して襲撃してくる日本軍と戦う米軍は日本人が解読不能な暗合としてNavajo(ナバホ)語を基にした暗号通信(コードトーカー)の中継(解読)者となる二人のナバホ通信兵のベン・ヤージ(アダム・ビーチ)をたとえ殺しても日本軍に渡さぬよう護衛する海兵隊員のエンダーズ軍曹の心の葛藤を描きます。(実在したコードトーカーの一人フレミング・ビゲイは2019年に死亡) 単に先住民ではなく南西部のナヴァホ族(ビター・ウォーターとタワーリング・ハウス一族)ですが敵の日本人に似ているので子守りと称する護衛が必要、ホリヨだ!ホリヨだ!) 通信が途絶えると同士討ちにも発展する危険あり。
自分の額に一枚トランプカードを貼り付け自分以外のカードが全部見える状態で、自分のカードの大小で勝ち負けを決めるというインディアン・ポーカーなるトランプゲームを初めて知りました。 アリゾナ、アリゾナ! 1944年に日本軍がアメリカ軍海兵師団と戦ってサイパン島玉砕戦を遂げ、米軍が基地を整備して飛び立ったB29により東京一帯が焼け野原化した大空襲の裏でインディアン(おっと、ナバホでした)の暗合が功を奏した秘話があったなんて。
そして主人公のヘンリー・ヤングが幼い時に別れた妹は「ブラック・ダリア」で惨殺された女優を演じたMia Kirshner(ミア・カーシュナー)が演じています。 ケヴィンの奥さんのキラ・セジウィックが弁護士と監獄を訪れる売春婦のBlanche(ブランチ)役で出演したケビン・ベーコン主演の1995年の「告発」は拷問シーンが鳥肌が立つほどおぞましく、あまりにひどい拷問に吐き気を催すほどの残虐さです。 映画のタイトルのなっている”Murder In The First”英語の意味は「第一級殺人罪」 カリフォルニア、サンフランシスコ湾内に浮かぶ岩の島、別名The Rock(監獄島)と呼ばれるアルカトラズ刑務所(1934 – 1963)、有名なアル・カポネやマシンガン・ケリー級の極悪人を収容するために1934年に発足したが費用の維持が困難となりヘンリー・ヤングのような軽罪の囚人も収容するようになったというアルカトラズ連邦刑務所には300名ほどの受刑者を収容できる施設ですが100名ほどの看守がその家族と住んでいるのです。 南北戦争当時の要塞だったアルカトラズで特に恐れられているのは懲罰用の地下牢だそうです。 独房だから臭い飯は食えても真っ暗闇に24時間閉じ込められっぱなし。 これで30人もの囚人たちが精神病院行きとなった。 アルカトラズで脱獄に失敗したら、脱走罪で告発され独房入りとなります。 まさに脱走に失敗した囚人は脱走不可能と断言するハムソン所長とグレン副所長が管理するこの刑務所の独房で拷問を受けることになり過去の脱走者は全員死亡したそうです。(ハムソンはFBI長官フーバーの子飼だから強気) 最初のおぞましいシーンは重たい鉄扉が開けられると石造りの墓穴のような穴蔵に血を流して全裸で倒れているのがヘンリー・ヤング。 ギョッとする間もなく水がぶっかけられるのです。 悲鳴!
穴蔵からは規定の日数で出て一般の囚人の元に戻ってもヘンリーは独房、両手を鎖で吊り上げられ血だらけ、その前でヘンリーたちの脱獄でおのれの首が危ぶまれると怒鳴っているのがグレン副所長。 耐え忍ぶことを教えてやろうとヒゲを剃っていたカミソリでアキレス腱を。 悲鳴。 この後は丸坊主にされて再び穴蔵で自分の糞にまみれて這いずり回っていた。 滅多に姿を見せないハムソン所長が19日の期限を無視して3年というヘンリーに対する収監を指摘し、脱獄防止の見せしめにしても長過ぎるとグレンの反対にも関わらず一般囚人と同じになったが、精神に異常を来たしているどころか風貌も異様に変化していた。 ヘンリーは食堂で一緒に脱獄したが所長に密告したマッケインを見つけると手にスプーンを持ち猛獣のごとく襲いかかったのです。 第一級殺人犯。
いまや殺人犯となったヘンリー・ヤングの弁護をすることになったのが弁護士になったばかりのジェームスで、物語の語り部でもあります。 ジェームス官選弁護人は直かに話したいと牢の中でヘンリーと話しますが既に精神に異常をきたしているのでまるで獣のようです。 幼い妹のためにたった5ドルを盗んで刑務所に入れられた経歴を知ったジェームスは助けたいと思い、黙っているとガス室送りになると脅しても頑な態度のヘンリーだった。 かまをかけるつもりで過去に500ドル窃盗したと言うと、初めてヘンリーが「5ドル」と口を開いた。 次にはディマジオの成績。 野球にうといジェームスは次回の面会で仕入れてきたディマジオの情報を話してみた。 するとヘンリーはジェームスに「何歳?」と訊ねたのを皮切りに話をするようになった。 ジェームスにガールフレンドがいると聞いたヘンリーは上着の匂いを嗅かせてくれれば何でも答えると言う。 ヘンリーは女を知らなかったと聞いたジェームスは唖然とする。 そのジェームスは法廷で恐れおおくも殺人の共犯者として所長と副所長、およびアルカトラズ刑務所を虐待行為で告発したのです。 そんなものは存在しないと言い張る所長に令状を見せて地下牢も視察、動向した同僚の女性弁護人メアリーは吐き気を催したほどのひどさ。 こうしているうちにジェームスは任務を降ろされてメアリーの担当となったのですが独自に調査を続け、弁護士の兄に止められていた所長の喚問もしたのですが、ヘンリーは「もうアルカトラズには戻りたくない、あいつらが怖い、死んだ方がましだ」と有罪になると言いますが、証言台に立ったヘンリーはジェームスの最後の質問「あなたは殺しましたか?」に大して「自分は道具であってやったのはあいつらだ」 アルカトラズの調査のメスが入り所長及び副所長は人道に背く犯罪を犯していると陪審員の無罪を勝ち取ったのです。 だが過失致死なのでボートで刑務所に戻るヘンリーとジェームスは二度と会うことはありませんでした。 控訴を前に独房で死んでいたのです。(弁護士がFBIに殺られなかったのが不思議) 石の壁に「勝利」と刻んで。
アルカトラズといえば実際にあった伝説の脱獄囚3人、いわゆる”1962年の張子のダミーヘッド脱獄”を描いた1979年の「Escape from Alcatraz(アルカトラズからの脱出)」で脱獄に成功した(あるいは溺死か行方不明)と云われる知能の高い囚人をClint Eastwood(クリント・イーストウッド)が演じていますがこの脱獄事件から一年もしないうちにアルカトラズ刑務所は閉鎖されました。(この映画では絵を描く特権を剥奪された囚人ドクが手斧で指を切り落とすシーンが強烈)
Murder In The First Trailer – YouTube
この「告発」で残忍なミルトン・グレイ副刑務所長を演じて囚人のヘンリーを痛めつけたのは当時二十歳のユマ・サーマンと出会って2年結婚したことがあるGary Oldman(ゲイリー・オールドマン)です。 そのオールドマンは2001年の「ハンニバル」で自ら顔の皮を剥いで極限の飢餓状態にある犬に食わせたレクター博士の四番目の犠牲者で変態のメイスンを演じた異色俳優です。 「True Romance(トゥルー・ロマンス)」に出演したゲイリー・オールドマンは1988年の「Criminal Law(灰色の容疑者)」ではケヴィン・ベーコンが演じる殺人犯を無罪にしてしまう弁護士として初めて共演していましたが、2013年には「Stoker(ストーカー)」で主演するMia Wasikowska(ミア・ワシコウスカ)も出演している禁酒法時代後期を舞台にJohn Hillcoat(ジョン・ヒルコート)が監督する2012年の「Lawless(欲望のバージニア)」ではGuy Pearce(ガイ・ピアース)と共に悪役を演じます。(音楽と脚本はミュージシャンのNick Cave(ニック・ケイヴ)) そして2017年には「Darkest Hour(ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男)」の演技でアカデミー賞の初の主演男優賞を受賞します。
ジョン・トラヴォルタの奥さんであるKelly Preston(ケリー・プレストン)と共演したケヴィン・ベーコンの2007年の新作はスピーディな映像の狂った報復劇「Death Sentence(狼の死刑宣告)」で予告編だけでも息が詰まります。
「告発」の名演技はそれはそれはすごいのですが、私が好きな映画は1997年に製作されたのにギャラ未払い問題でアメリカでも2000年に公開された映画「Telling Lies in America(17 セブンティーン)」です。 日本ではとうとう未公開のままでしたが、この「セブンティーン」でケヴィン・ベーコンが詐欺師だが憎めない人気ディスクジョッキーを演じています。 この不良っぽいケヴィン・ベーコンは実に魅力的ですが、映画「セブンティーン」で流れた”Medium Rare”はケヴィンの作品なんだだそうです。 この後「Ally McBeal(アリーmyラブ)」で大ブレイクするCalista Flockhart(キャリスタ・フロックハート)が移民少年の年上のガールフレンド役で出演していますが魅力的ではなくて後のアリー・マクビールなど全く想像できませんでした。 この映画で日本同様にハンガリーにも英語の”THE”という発音がないと知りました。 この「セブンティーン」は「告発」とは違った意味で観るべき作品だと思いました。 2000年の映画にはケヴィン・ベーコンが透明人間の実験で復元に失敗した腹いせ(透明に便乗して楽しく)にレイプからことの発覚を恐れて次々と殺人まで犯す神経を侵された科学者のセバスチャン・ケイン博士を演じた「Hollow Man(インビジブル)」があり(軍のプロジェクトで透明化されたゴリラが血清で復元するシーンがすごいがケヴィンの人体実験では消え始めにボカシが入るほど熱演)、「告発」で共演したクリスチャン・スレイターが透明人間の実験台となった続編の「Hollow Man 2(インビジブル2)」が2006年に作られました。スレイターは主演ですが素敵な声以外は透明だからほとんど姿は見えません。 腹がポッコリ出た56歳のRay Liotta(レイ・リオッタ)がジャック刑事役で主演した2011年の「The River Murders(ザ・マーダー)」では行きずりに恋が好みなのか百戦錬磨のジャック刑事を疑うふてぶてしいヴコヴィッチFBI捜査官を演じますがインパクト希薄。 映画の冒頭から全裸女性の水死体が映されてギョッとする連続猟奇殺人事件はこの時期同じくして急逝した母親からは初恋で身籠ったレベッカへの指輪が、それは別として元交際相手たち(多くは一夜限り)が殺されて不利な立場に置かれるジャック刑事だがラストもすごい。(犯罪の特徴としては川で見つかったそれぞれの被害者は拷問の後に絞殺し首をへし折り、結婚指輪は外されてあり得ないことに下腹部に入れられ、舌はナイフで十字に切られて・・・エグい! 壁には血文字でKILL ME! 検証のため掘り返された母親の棺に供えられた赤い薔薇の花束 結婚記念日の贈り物としてレベッカのバラバラ遺体 以前不倫関係はあったがマズいとリストアップしていなかった同僚のジェニー刑事が危ない! あの時レベッカが堕胎しなかったなんて! だからKILL ME FATHER!)
そしてガラっと変わって、一見バカバカしいような映画だけど大好きな1990年のB級特撮怪獣映画「Tremors(トレマーズ・シリーズ第一作)」の八岐大蛇風ミミズの化け物ですらラスト・シーンのケビン・ベーコンの爽やかキスでノックアウト!(俺、おもいきって言っちゃうけど) やってくれます。 エドガー爺さんが電線の上でフレッドが砂地から顔を出した状態で死んでることから始まり次々と家畜や人間が殺されていくこの「トレマーズ」でネヴァダの田舎でヨロズ便利屋家業の青年ヴァル(ヴァレンタイン)を演じたケヴィン・ベーコン、うっうっ、なんてヤツだ! このキスについて書かれたトレマーズ 週間シネママガジン
Wild Things (1998)
爽やか青年の次には恐ろしいほど不気味な面構えのウェイドを演じた「激流」、その翌年に「告発」でした。 ケヴィン・ベーコンは。。。って、思えばなんと、1998年には「Henry: Portrait of a Serial Killer(ヘンリー)」のJohn McNaughton(ジョン・マクノートン)が監督した「Wild Things(ワイルドシングス)」で初の製作総指揮を手掛けるケヴィン・ベーコンがフロリダで起きた女子高生レイプ事件の真相を暴こうとする性犯罪課のレイ・デュケ刑事役で出演。(見せたがりのケヴィンがシャワーのシーンでチラリ、TV放映ではカット) マット・ディロンが最優秀教育者に選ばれて女学生に人気の指導カウンセラーのサム・ロンバルドと以外なキャスティングだと思ったら3Pまでこなしてなんの、なんの、カウンセラーって色々と美味しいことができるのね。 デブっちゃったロバート・ワグナーがサムの恋人バーバラの父親のトム・バクスター、ビル・マーレイがサムが依頼するケン・ボーデン弁護士というドンデン返してんこ盛りのセックス・スリラー映画でした。 たいしてセクシーでもないが女子高生ケリーの押し掛けカーワッシュや水着姿が見もの。 この後に起きるレイプ事件が発端ですが、父親の自殺でTheresa Russell(テレサ・ラッセル)が演じる母親サンドラが富豪になった娘ケリーの罠にかかったサムは生徒には手を出さないがモットー。(しかし二人の被害者は共通してサムが子供とやっていったことがないと言ったと証言) 町の有力者が相手では何をやっても勝ち目はないと思ったがサムはボーデン弁護士に相談する。 保険の調査員のためにポリネック(鞭打ちギブス)をはめてるようなやり手弁護士。 法廷では第二のレイプ被害者が意外な発言というかスキャンダラスな展開となりサムはこの時点では勝利。 ボーデン弁護士はサムは3ヶ月も刑務所暮らしで人生を台無しにされたんだからとケリーの母親を訴え示談金850万ドル(ケリーの信託財産と同額)を勝ち取った。ケリーは怒り心頭、と思いきやこの後のシーンで、最初のどんでん返しが展開。 ワニ(アリゲーター)が生息するフロリダの沼地もヒントあり。 プールサイドでケリーとデュケ刑事が出会うシーンで流れる曲は1999年にボーカルのMark Sandman(マーク・サンドマン)が急死して解散したロックバンドのMorphine(モーフィン)の”I Had My Chance”です。
エンドロールでちょいとネタバラシ。 非現実的な犯行ですが、本当の首謀者は自分で歯をおっ欠いたがおっぱいは見せてないIQ200の女ですよ。(この映画では脱がないという契約条項のため)
ケビンが正義の刑事さん? んなワケないでしょう。 女子高生の遺産相続をもテーマにした「ワイルドシングス」は本編とは無関係に4シリーズの続編ドラマが制作されたそうです。
看守たちから虐待を受ける惨めな囚人役を見事に演じたケビン・ベーコンがなんと翌年の1996年には「Sleepers(スリーパーズ)」でロバート・デ・ニーロ(神父役)やダスティン・ホフマン(弁護士役)と共演していますが、「告発」での立場が逆転し、囚人の少年達に非道なる暴力と性的虐待を加える残忍な看守を演じています。 ちょっとした出来心が重大な過ちを招き少年院に収監された仲良し4人グループの美少年のマイケル・サリバンを演じたBrad Renfro(ブラッド・レンフロー君)などが看守のケビン・ベーコンにやられちゃうのです。(検事補として成人したマイケル役はBrad Pitt) 2004年に「The Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)」を監督したJoel Schumacher(ジョエル・シューマカー)監督の「The Client(依頼人)」で1994年にデビューしたレンフロー君でしたが、それが尾をひいてか(?)実生活で悪い子ちゃんになってしまったとか。(2008年25歳でヘロイン過剰摂取で急逝、葬儀には認知した5歳の忘れ形見の大和(ヤマト)君が日本から列席したとか)
身震いするほど真に迫ったケビン・ベーコンの名演技「告発」のDVD
告発(1995) (ユニバーサル・ザ・ベスト第8弾)
VHSビデオ「告発 (字幕版)」もあります
戦慄が走る「告発」のトレーラーはMurder In The First Trailer – VideoDetective
但しこの予告編からはアルカトズラ刑務所の不気味さは伝わりません!本編は気分が悪くなるほど残酷。 これが実話だというのだから何とも恐ろしい話しです。
映画の最初の方で初仕事に行くジェームス弁護士が市電に乗り遅れるシーンで流れたThe Andrews Sisters(アンドリュース・シスターズ)が歌う”Tuxedo Junction”は収録されていませんが、Christopher Young(クリストファー・ヤング)作曲のクラシック調のテーマ曲などを収録したサウンドトラックのタイトルは「Murder in the First」(ASIN: B000024UHF)です。
クリストファー・ヤングが手掛けたサウンドトラックには1996年の「Head Above Water(真夏の出来事)」や2001年の「Swordfish(ソードフィッシュ)」や「Bandits(バンディッツ)」などたくさんあります。
The Bacon Brothers
ところで、”The Bacon Brothers”というカントリーフォーク・グループをご存知ですか?
ケビン・ベーコンは出演した映画の「Diner(ダイナー)」、「Footloose(フットルース)」、「JFK(JFK)」、「The River Wild(激流)」や「Apollo 13(アポロ13)」でも音楽的素養の片鱗をご披露しています。 The Bacon Brothers(ザ・ベーコン・ブラザース)はケビン・ベーコンと同じくギターとヴォーカルを担当する兄のMichael(マイケル・ベーコン)と共に、故郷のフィラデルフィアなどでチャリティ・コンサートを開催するために1994年に結成したグループだそうです。 ベーコン兄弟は二人とも元々音楽に関わっていて、ケビンは映画の道に進みましたが、兄のマイケルは1970年代のフォークロック時代にレコードもリリースしているそうです。 マイケルは映画音楽の作曲などを手掛けるようになり、ドキュメンタリーの「The Kennedys」における音楽ではエミー賞を受賞したほどの腕前だとか。 1997年の終わりにデビューアルバム「Forosoco」を、2001年には「Can’t Complain」をリリースしています。 ベースにはPaul Guzzoneとドラムの Marshal Rosenbergが参加しています。
The Bacon Brothers with Photos – Jersey Girl – YouTube
☆この上なく爽やかで新鮮な”ザ・ベーコン・ブラザース”のオフィシャルサイトは現在接続不能となっています。
Six Degrees of Kevin Bacon: 世界はケビン・ベーコンを中心にしてつながっている!
もう一つところで、貴方はBacon Numbers(ベーコン数)というトリヴィア・ゲームをご存知ですか?
最近話題の書籍に物理学者であるAlbert-László Barabási(アルバート・ラズロ・バラバシ氏)が書いたネットワーク理論で「Linked: The New Science of Networks(新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く)(青木 薫 翻訳)」という、「ネットワーク」が「キーワード」となった本があるんだそうです。 「ケヴィン・ベーコン・ゲーム」はコンピュータネットワークの接続形態(ネットワーク・トポロジー)を説明するSix Degrees(6段階)が、「ケビン・ベーコン数」として解説されているのだとか。 この理論はあるアメリカのテレビ番組に端を発した人気ゲームで、世界の誰もが6人を経由するまでにケビン・ベーコンにたどりつけるのだそうです。 ☆ベーコン指数が分かるThe Oracle of Bacon at Virginiaで調べてみましょう。(現在はサイト内容が変更になってしまいましたが、メニューのOther stuffプルダウンからBacon Numbersを選択) バカみたいですが私が奥様のカイラ・セルジウィックを入力したらKyra Sedgwick has a Bacon number of 1.(第一段階)でした。 とはいっても、なんとなんとこの二人は六等親離れた遠い親戚同士なのだそうです。
とはいっても私の場合はこの記事を書いた位で辿り着かないみたい。 読んでいないので(難しそう!)