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エレクトラ 2005年
「エレクトラ」といえばギリシャ詩人エウリピデスの古典を映画化しギリシャ悲劇の女王たるIrene Papas(イレーネ・パパス)が主演した1961年の「Electra」があります。 ギリシャと無関係な(とはいえクレジットの一部にギリシャ文字を使用)こちらは「シン・シティ」シリーズで有名なFrank Miller(フランク・ミラー)が描いた1980年代の劇画(マルベル・コミック)の「Daredevil(デアデビル)」に登場するキャラクターのElektra Natchios(エレクトラ・ナチオス)を主人公にしたRob Bowman(ロブ・ボウマン)監督のアクション映画です。(戦闘場面はCGいっぱい!) 殺しの前に血を象徴する緋色の装束をまとう最終兵器スーパーヒロインのエレクトラにTVスパイシリーズの「Alias(エイリアス)」で黒と赤の女王様に扮した時のシドニーほどは色気がない男前(?)のJennifer Garner(ジェニファー・ガーナー)が扮します。 2002年の「Resident Evil(バイオハザード)」でもクリーチャーと闘うMilla Jovovich(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が演じるアリスが赤い衣装でした。
Elektra: Assassin
エレクトラはBen Affleck(ベン・アフレック)が演じた盲目のマック(闘う時は赤いスーツにマスクのデアデビル)とColin Farrell(コリン・ファレル)が怪演した大悪党キングピン(ウィルソン・フィスク)の殺し屋トップだったBullseye(ブルズアイ)との戦いでデアデビルの武器(ステッキのようなビリークラブ)を奪って投げたブルズアイに父親を殺されたので、デアデビルを仇と思い込んでサイ(釵)で刺します。 そこに現れた投げ技達人のブルズアイと戦うもトランプカードを首めがけて投げられ己のサイで突き刺されて傍に倒れたデアデビルの腕のなかで息絶えてしまうのです。 命を失ったエレクトラは「Death’s not that bad. I died once…死ぬのもさほど悪かないわよ、私は経験があるから」と言って斬りまくるヒロインのアサシン(刺客)で、仕事は”リストラ関係、人員整理”と嘯くが「キルビル」のブライドにNIKITAやYvette Mimieux(イヴェット・ミミュー)の「Hit Lady(悪党列伝!ヒット・レディ/白い肌の殺人マシン)」を足したような設定です。 Will Yun Lee(ウィル・ユン・リー)が演じるKirigi(キリギ)のNinja Assassinsというヘンテコリンな着物姿の忍者暗殺集団などが登場し、ヒロインはKimagure(気紛れ?葉隠れならぬ木隠れか)!なるスーパーパワーを持つ、などと何だか分からない日本語が使用されているようです。 Capriciousな秘技なんて!笑えるが、コミックなんだから、マッ、いっか! ともかく「デアデビル」を先に観といた方が分かりやすいのかも。いや、この映画にはデアデビルは登場しないからどうでもいいっか。 デアデビルはどうなったかって? エレクトラに刺されても大丈夫だったらしく(エレクトラがやられてる時は動けなかったのに)その後憎っくきブルズアイを抹殺し、マットの父親の仇でもあり諸悪の根源ともいえるキングピンも見事に倒した。 そして、そして、出所するはずのキングピンを待つことなく永遠に消えた…と、思ったら2015年9月からネットフリックスのウエブ・テレビシリーズで戻ってきた!(デアデビルはチャーリー・コックス、エレクトラはエロディ・ユン)
13歳の少女アビーの父親で刺客に狙われるマーク役のGoran Visnjic(ゴラン・ヴィスニィック)はテレビ・シリーズの「ER(ER緊急救命室)」にルカ役で出演中のクロアチア人の俳優です。 その他、武道の達人でエレクトラを生き返らせた師匠でもある盲目の棒術の達人であるStick(スティック)役はベテラン英国俳優のTerence Stamp(テレンス・スタンプ)です。
ジェニファーは「エイリアス」、ゴランは「ER緊急救命室」と、二人ともレギュラーのTVシリーズのテレビドラマの合間に「エレクトラ」をチョチョイと撮影したのだそうです。
ボブ・サップが出演していた!
エレクトラが以前所属し、今や敵となった暗殺集団The Hand(ザ・ハンド)のNinja Assassins(忍者暗殺集団)の一員のストーン役で日本で人気があった格闘家のBob Sapp(ボブ・サップ)が出演していますが、さすが迫力満点で弾丸もエレクトラのサイも歯が立ちません。(だけど死んだのは倒れてきた大木の下敷きでした。 ズコッ!) 「Rising Sun(ライジング・サン)」に出演したマーシャルアーツの達人というCary-Hiroyuki Tagawa(ケリー・ヒロユキ・タガワ)がキリギ(Will Yun Lee)の父で悪の集団であるザ・ハンドのボスのロシ(老師)役です。
エレクトラのちょっとあらすじ
善と悪の忍者軍団の闘い、フランク・ミラーの赤地に黒の劇画で始まる「エレクトラ」は冒頭から長い髪に赤い衣装の美女が釵(さい)という三つ又のかんざしのような琉球古武道(中国伝来)の武器を両手に忍びのように建物に侵入しセキュリティを血祭りにあげ、暗殺のターゲットを容易く殺める激しいシーンで興奮させられる。 仕事の時の深紅の衣装はもちろん美しいが普段の黒い衣装も素敵な契約殺人者のエレクトラは一人でベッドにいる時は、蘇った後の善の戦士団の武術の達人である盲目のスティックによる過酷なキマグレ修行(無心になること)や子供時代に母が鬼に殺された悪夢に苛まされるトラウマが蘇ることがある。OCD(強迫性障害) 日本刀や手裏剣を武器にする忍者組織のザ・ハンドの手から逃れてきた少女アビーとその父親マーク・ミラーと出会った。(富豪には見えないマークとその娘、早熟系のアビーはなぜエレクトラの家に盗み目的で侵入したのか)エレクトラは母親を失くしたアビーに自分を重ね、この二人の抹殺命令を受けたにも関わらず、自分には殺すことはできないと悟り、忍者たちに襲われた父娘を守ろうと決心するのだった。 が、ザ・ハンドはエレクトラをも抹殺せんと入れ墨の猛獣や猛禽類が飛び出してターゲットを襲うように念じるタトゥーなどのユニークな5人の刺客を送り込んできた。 実はザ・ハンドが狙っているまだ幼さが残るアビーは”トレジャー(宝)と呼ばれる殺人兵器だったらしい。 終盤、父娘が危機に瀕した時戦っているアビーをエレクトラは目撃した。 トレジャーを手に入れた方、善か悪の天下取りが決まるのだから、どうりでキマグレとハンドがアビーを狙うわけだ。 ザ・ハンドのボスの息子であるキリギ(Will Yun Lee (ウィル・ユン・リー)はエレクトラ側のエージェントの首を跳ねたが、それにしてもなぜエレクトラの母親を亡き者にしたのか。 ラストにエレクトラが懐かしい我が家を尋ねたところを忍者軍団に教われた後、緋色の勝負服のエレクトラとキリギの一騎打ちにアビーが助っ人に入り二人で屋敷を後にしたがタトゥーの送り出す蛇の大群に襲われアビーはその餌食となる。 エレクトラは全身全霊で蛇を念じているタトゥーを探し出しなんなく始末してアビーは助かった。 と思いきや、毒の息を吐き出すくのいち(女忍者)にやられて腐食してしまうがはるか彼方から飛んできたエレクトラのサイがこの”元タカラ”を自称する毒息女タイフォイドを粉砕。 エレクトラは古井戸の死闘でキリギをサイでひと突きにし井戸の奥底に葬った。 キリギは死んじゃったからなぜエレクトラの母親を殺したのかは謎のまま。 母を襲ったのは角が生えた鬼じゃなかった。(角に見えたのは刀) かってスティックがエレクトラを蘇生したキマグレ・パワーを念じて死んだアビーも生還。 ”キマグレ”って忍者の遁術の中の忍法・木の葉隠れかと思いました。
第二の人生もまんざら捨てたもんじゃないわ。
Elektra The Assassin – YouTube
「エレクトラ」の予告編が観られるElektra Trailer – VideoDetective
2005年1月に全米公開で、日本は2005年6月です。 ボブ・サップが出るから日本では話題になるかも。
「エイリアス」で共演したMichael Vartan(マイケル・ヴァルタン)と公私ともに交際していたジェニファー・ガーナーはコリン・ファレルが投げ名人のBullseye(ブルズアイ)を演じた2003年の「デアデビル」で共演したベン・アフレックと13年結婚した後離婚しました。 一方アフレックはそれから4年後に昔々婚約までしたことがあったJennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)と2022年に再婚したそうです。(ベン・アフレックは「恋のクリスマス大作戦」でラジー賞) ちなみに2003年にCIAに「リクルート」されたコリン・ファレルは2011年の「Fright Night(フライトナイト/恐怖の夜)」では隣のヴァンパイアを演じています。
ジェニファー・ガーナーは2006年イン・ハー・シューズの脚本を担当したSusannah Grant(スザンナ・グラント)が監督するラヴコメの「Catch and Release(恋は突然に)」に出演します。
EvanescenceのBreathe No Moreが入っている輸入版エレクトラのサントラ CD
Elektra: The Album
♪ Evanescence – Breathe No More
ページトップの画像はアメリカのAmazon.comにあるDVDですが、こちらは2007年発売の国内版「エレクトラ」のDVDです。
エレクトラ
☆Audio-Visual Trivia内でフランク・ミラー原作の映画はSin City シン・シティ
おめでとうございます