アンフィニッシュ・ライフ An Unfinished Life (2005)

An Unfinished Life (2005) DVD (Import – Region 1)
Robert Redford and Jennifer Lopez in An Unfinished Life
アンフィニッシュ・ライフ(2005年)

Jennifer Lopez(ジェニファー・ロペス)のヒューマンドラマ「An Unfinished Life(アンフィニッシュ・ライフ)」
農夫も女もグリズリーも、みんな罠にかかって、おー、デジャヴ(既視感?)
2005年ハリウッドの干支は熊です! 熊、くま、クマ
1993年の「What’s Eating Gilbert Grape(ギルバート・グレイプ)」や2000年の「Chocolat(ショコラ)」、2005年には「Casanova(カサノヴァ)」を監督したLasse Hallström(ラッセ・ハルストレム又はラッセ・ハルストローム)がWyoming(ワイオミング)の大自然を背景に撮った現代版西部劇的ヒューマン・ドラマです。 長いわだかまり後の家族の和解と信頼そして一体感をテーマにしています。 そして、なんと!あの凶暴なグリズリーを解き放つのです。 なぜ? 許しとは?

原作は同名小説の「An Unfinished Life(邦題は「果てしなき日々」)」で、ワイオミング在住の原作者のMark Spragg(マーク・スプラッグ)が婦人と共同で脚本を執筆しているとか。 マーク・スプラッグの作品には他に「Where Rivers Change Direction」や「The Fruit of Stone」があるそうです。

身長179cmのRobert Redford(ロバート・レッドフォード)がワイオミングの山裾に住む農場主のアイナーを演じます。 アイナーの頑なな心が溶けて家族愛に目覚め、友人のミッチ(モーガン)や自分を襲ったあの凶暴なグリズリーを仮設動物園の檻から解き放つというストーリーですが、これにはアイナーの死んだ息子の嫁(ジーン)と娘が絡んでいます。
ロバート・レッドフォードはSydney Pollack(シドニー・ポラック)監督の1972年の「Jeremiah Johnson(大いなる勇者)」の撮影中に、実際にグリズリーに襲われた経験があり、”熊”恐怖症だったそうですがこの映画により克服できたとか。 ちなみにシドニー・ポラック監督の映画ではBarbra Streisand(バーブラ・ストライザンド)が歌うテーマ曲が大ヒットした1973年の「The Way We Were(追憶)」が有名です。 ポラック監督の特異な作品は電飾カウボーイをレッドフォードが演じた「The Electrical Horseman(出遭い)」でした。 私の好きなロバート・レッドフォードの映画といえテネシー・ウィリアムズ原作でシドニー・ポラックが監督した1965年の「This Property Is Condemned(雨のニューオリンズ)」とF.S.フィッツジェラルド原作で1974年の「The Great Gatsby(華麗なるギャツビー)」で共に脚本がフランシス・フォード・コッポラです。 古くは1949年の「暗黒街の巨頭」でギャツビーを演じたHoward da Silva(ハワード・ダ・シルヴァ)も市長役で出演した「華麗なるギャツビー」は、後の2013年にLeonardo DiCaprio(デカプリオ)もギャツビーを演じていますが、アーヴィング・バーリンの”What’ll I Do?”で始まるレッドフォードの感傷的ドラマは格別でした。ちなみに「ギャツビー」の音楽はNelson Riddle(ネルソン・リドル)ですが1975年の「The Hindenburg(ヒンデンブルグ)」で気球破壊工作を目論んだ乗組員のカール・ベルトを演じ1988年の「ダイ・ハード」と「ダイハード2」ではスクープに熱中するテレビ局のソーンバーグ記者を演じたWilliam Atherton(ウィリアム・アザートン)がBill Atherton名義で1974年の「The Great Gatsby(ギャツビー)」のオープニングでテーマ曲の”What’ll I Do?“を歌っています。 何気に「嵐が丘」が頭を過りますが、通り過ぎた夢を追って過去の愛に執着したギャツビー(Gats)が焦がれるヒロイン役は「雨のニューオリンズ」のナタリー・ウッドが断ってミア・ファローに。 どうやって貧民から富豪になったかが不明ですが高級三つ組スーツからVネックセーターまで真っ白できめたギャツビーがファッショナブル。(ピンクのスーツも!)
「アンフィニッシュ・ライフ」の後2006年「Charlotte’s Web(シャーロットのおくりもの)」で”馬”になったロバート・レッドフォードは2007年に豪華キャストの「Lions for Lambs(大いなる陰謀)」を監督及び出演し、2010年にもAbraham Lincoln(リンカーン大統領)暗殺事件を描いた歴史映画の「The Conspirator」を監督します。(Robin Wright Penn(ロビン・ライト)が主演) ちなみにレッドフォードの初監督というとアカデミー賞の作品賞や監督賞を受賞した1980年の「Ordinary People(普通の人々)」があり、「カサノバ」のDonald Sutherland(ドナルド・サザーランド)が主演しています。
ちなみにロバート・レッドフォードと雄大なモンタナというとレッドフォードが62歳の1998年に、Kristin Scott Thomas(クリスティン・スコット・トーマス)と当時14歳のScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)が母娘を演じた「The Horse Whisperer(モンタナの風に抱かれて)」ではまだロマンス色が織り込まれた映画でした。 この映画で殆どノーメイクのイギリス女優のクリスティン・スコット・トーマスの表情がアメリカ俳優のRobert Downey Jr.(ロバート・ダウニー・Jr)に似て見えてしかたありませんでした。 映画の題名となった”Horse Whisperer”とは傷ついた馬に優しく言葉をかけて癒す人という意味らしく、ロバート・レッドフォードは映画の中で怖いのは年取って用無しになることと言い落馬事故で親友と片足を失った娘と安楽死直前だった娘の愛馬のピルグリムを救う奇跡の牧童のトム・ブッカーを演じています。 雑誌の編集をしている母親(クリスティン)は人生を捨てようとしている娘のためにと娘(スカーレット)と愛馬をモンタナに連れて行くことにします。 母親はようやくブッカー家の牧場を探し当て、強引にモーテルに残して来た馬を診てもらうことに。 乗り手の娘がやる気をみせてブッカーは馬の手当をすることに。牧場でブッカーが一息入れる場面でかけるレコードはチェロ奏者のYo-Yo Ma(ヨーヨーマ)が奏でる”Sonata in F Major for Cello and Piano, Op. 5. No. 1″です。 なぜならブッカーが工学部の学生だった頃出会ってシカゴで暮らしていた妻はチェロを学んでいたから。 彼女がチェロを演奏するのを聞いて衝撃を受け恋に落ちたが結婚しても牧場は性に合わずに別れたが今なお愛しているから。
モンタナと熊といえば、映画の中盤でニューヨークからやってきて牧場の小屋に泊めてもらった母親が走っているとブッカーがジョギングか?と聞きます。 走っているのよと答えると「それはよかった。熊はジョギングする人を襲うから」と冗談とは取れないことを言うシーンがあります。
☆ ハンサムなロバート・レッドフォードの写真がちょっと見られるRobert Redford Photos – TV and Movie Trivia Tribute

「アンフィニッシュ・ライフ」では2004年のオスカー俳優のMorgan Freeman(モーガン・フリーマン)がアイナーの古くからの友人で一昨年に凶暴なグリズリーに襲われたミッチを演じます。(顔の傷が痛々しい特殊メイク) 農場主のアイナーが手足となって傷ついた彼の世話をします。 マッサージ、髭剃り、モルヒネ注射、着替え、その他何でも。 その代わりに彼は息子のGriffin(グリフィン)を失った傷心によるアルコール依存症のアイナーを優しく励ますのです。 この他に2003年にモーガン・フリーマンが出演した「Dreamcatcher(ドリーム・キャッチャー)」でJonesy(ジョンジー)役を演じたDamian Lewis(ダミアン・ルイス)が「アンフィニッシュ・ライフ」でジーン(ロペス)の恋人のGary Winston(ゲイリー)役で出演しています。

映画「アンフィニッシュ・ライフ」の冒頭は森に棲む凶暴なグリズリーが人里に下りてくる。 農場ではアイナーがミッチの手当てをしている。 ジーンと同居しているゲイリーが暴力を振るって家を飛び出した後、「今度こんなことがあったらって、約束したわよね」という娘のGriff(グリフ)の言葉にジーンは決心する。 ボロ車にグリフを乗せてジーンはどこへ行く。 テキサス?モンタナ? 義理の父が住むワイオミング。 そのワイオミングの農場ではアイナーがグリズリーの足跡を見つける。 ミッチを襲ったヤツだ。 野生の巨大熊が住宅街を闊歩するなんて怖い。 アイナーは銃を手にするとグリズリーを撃ちに山の方に行くが、人々の知らせで州政府の捕獲のトラックとパトロールカーが到着。

ど田舎の農場にハリウッド女優来たる!
そんなアイナーを頼ってアイオワから突然やって来たのは、亡きアイナーの息子(グリフィン)の妻で疎遠だったジーンです。 ジーン母娘の訪問によりアイナーは初めて孫(フリフィンの忘形見)存在を知ることになるのです。 エンコした自分の車からバスに乗り換えたジーン母娘は車中から檻に入れられて運搬中の熊を見た。 シェーン、カムバック!と聞えてきそうなアイオワにたどり着き、農場でジーンはアイナーに「貴方の孫よ」と娘のグリフを紹介する。 息子のグリフィンから取って名付けたグリフという名を聞いてアイナーは言った、「女の子らしくない名だな」 グリフが父親についてアイナーに聞くと、「息子は死んだ、ママは言わなかったか?」 それに対してグリフが言った、「あなたも死んだって言ったわ」

アイナーは広場に設置された野外動物園の大きな檻に入れられたあのアイナーが追っていたグリズリーを見た後、1992年に21歳で亡くなった息子のグリフィンの墓に行くきグリフィンの妻だったジーンと娘のグリフの来訪を報告する。 「娘はお前によく似てるぞ」 しかしジーンがグリフィンを殺したと思っているアイナーは心の葛藤を隠せずジーンやグリフはもちろん、ミッチにまで当り散らすのだった。 ジーンが運転していた車の事故でジーンの夫でグリフの父親(つまりアイナーの一人息子)を失ったのだった。 アイオワでのジーンの同棲相手は暴力男だったが亡き夫の忘れ形見の娘を懸命に育てようと努力します。 グリフィンの墓に出向いては対話して心のわだかまりをなんとかしたいと思ったアイナーでしたが、ある日ピップアップトラックの修理をきっかけに孫娘と打ち解けたのです。 二人で動物園の檻に入れられているグリズリーを見に行って餌をやったりもした。 日々の農場の仕事を通してまだあどけなさの残るグリフのお陰でアイナーとミッチも笑顔を取り戻した。 一方ジーンは町の食堂で働いているがシェリフ(保安官)のクレイン・カーティスに心を開いていった。(保安官を演じたジョッシュ・ルーカスは2001年の「ビューティフル・マインド」で天才数学のマーティン・ハンセンを演じ、2006年の「ポセイドン」で大活躍) しかしグリフはなにかを察知してカーティスを嫌う素振り。 そう、ママは過去にも次々とボーイフレンドが変わったのだった。 ある日アイナーがグリフを連れてグリフィンの墓に行った時、辺りに多量の吸殻が落ちているのを見つけた。 なにやら雲行きがあやしくなってきた。 逃げたジーンを探してあの暴力男のゲイリーがワイオミングまで追いかけて来たのだ。 アイナーは酒場でそのゲイリーを見かけてシェリフに伝えたがどうすることもできないと言われた。 それなら俺がやるとばかりにアイナーはある夜、そのゲイリーの宿泊先に出向き銃で脅して旅支度を強要した。 車を運転させそのまま行け!と脅しているところにパトロールカーが到着。 ゲイリーは天の助けとばかりに訴えたがジーンと交際しているシェリフだったから町を出て行くように言われてはどうするすべもなかった。 アイナーは家に戻ると深夜にもかかわらずジーンを起こしてことのいきさつを話すが、その後グリフィンの死について「息子を殺した」 「私の責任だけと、貴方は」と口論となり、この呪縛からは逃れられないと知ったジーンは翌朝グリフを連れて出て行ってしまったのだった。

アイナーはグリフィンの墓に行って酒ビンを手にグリフィンと語った。 諌めるミッチにも八つ当たりするアイナーだった。 一方雇い主のもとに身を寄せた母娘だったがグリフは農場に帰っておじいさんと一緒に暮らすと出て行き、アイナーの農場の仕事を手伝う生活を選んだ。 一方、兼ねてから自分を襲ったあの凶暴なグリズリーを見たいと言っていたミッチをアイナーは動物園まで運ぶ。 杖を突いて檻まで歩み寄ったミッチは何かが吹っ切れたように帰っていった。
アイナーが町に出かけた後のこと、アイナーを呼ぶミッチの声にグリフが行ってみると、苦しそうなミッチが今すぐモルヒネを打ってくれという要求を見事こなした。 この後、動物園に行ったアイナーは檻に入れられたグリズリーをしばし眺めた後、墓に行きグリフィンと語らう。 そして決心した。 アイナーはジーンの働く食堂にグリフを伴って出かけた。 「11歳の女の子にピックアップトラックの運転を練習させるなんて」と言うジーンにアイナーは言った。 「女の子の育て方は良く分らん、牧場に戻ってくれ」 ジーンの答えは「明日」 何だか事態が好転してきたと思ったところ、ゴミを捨てているジーンの後ろにあのゲイリーがいた!

さて、アイナーはミッチのモルヒネのアンプルを箱ごと取り出して檻を引いた車でグリフと一緒に動物園に向かったのだった。 ピックアップの運転をグリフに教えておいたのがこの時役に立った。 麻酔銃で眠らせて山に放つつもりが失敗、グリズリーはアイナーに飛び掛るも致命傷を負わせることもなく山に向かって逃げて行きます。 傷を負ったアイナーは即入院、知らせを受けたジーンもやって来た。 農場に一人残されたミッチは闇夜に解き放たれたあの凶暴なグリズリーと遭遇します。グリズリーはミッチに突進してきた時には覚悟を決めたミッチは微動だにせず。 すると威嚇したグリズリーでしたが何と思ったのか踵を返すと山に向かって走り去ったのでした。 退院して農場に戻ると無事だったミッチがポーチで待っていた。 グリフがミッチにグリズリーを放ったことを告げると、「知っている、ありがとう」と答えた。 アイナーはジーンにグリフを学校に通わせるように言うと、山に戻っていくグリズリーを双眼鏡で確認しに行った。 めでたしめでたし。 いやまだまだ、あのゲイリーがしつこく農場までやって来たのです! 戻らないというジーンに暴力を振るいグリフを人質に取り車に乗せて行こうとしたところにアイナーが帰ってきました。 危機一髪。 アイナーはアバラが折れているにも関わらずゲイリーの車のタイヤを撃ち抜きゲイリーを打ちのめしたので、ゲイリーはすごすごとバスで戻るしかありませんでした。 シェリフがやってきてミッチに「このことについて何か知っているか?」と訪ねても、ミッチは「何のこと?」と言っただけだし、ジーンも「あたしは病院から帰ってきたところよ」と言っただけでした。 「じゃ、誰も何も知らないってことだね」とシェリフ。 ミッチとアイナーはポーチに座って天気の話。 次には「私が死んだらグリフィンの隣に葬ってくれるかい」と埋葬の話になり、それから罪を許す話となります。 これで本当に農場に平和が戻りました。 多分、ずっと。

映画の撮影は当初ジェニファー・ロペスが演じるジーンが住んでいるのはアイオワという設定ですが本当はカナダで撮影されたそうです。 一説には2003年の「Gigli(ジーリ)」でBen Affleck(ベン・アフレック)と知り合って2004年の「Jersey Girl(世界で一番パパが好き!)」でも共演、「アンフィニッシュ・ライフ」撮影当時はお熱い仲だったジェニファー・ロペスが、アフレックの撮影がカナダであるので「一緒にいたい」という申し出をしたからだとか。 ですが、その後ベン・アフレックは2005年に「エレクトラ」のジェニファー・ガーナーと結婚し、キューバ生まれの俳優Ojani Noa(オジャニ・ノア)と1年で離婚した過去があるジェニファー・ロペスは2004年にサルサ歌手のMarc Anthony(マーク・アンソニー)と結婚しています。(二人の間には双子の子供がいますが2012年に離婚)

ジェニファー・ロペスの出演映画は目白押し!
ジェニファー・ロペスがメキシコでの連続殺人事件をレポートするジャーナリストを演じるミステリ映画「Bordertown(ボーダータウン 報道されない殺人者)」がアメリカでは2006年10月に公開されます。 監督は2002年のフリーダの脚本を担当したGregory Nava(グレゴリー・ナヴァ)でセクシーなラテン(スペイン)俳優のAntonio Banderas(アントニオ・バンデラス)と共演します。
一方、サルサの火付け役だったミュージシャンを実生活のジェニファー・ロペスが結婚したMarc Anthony(マーク・アンソニー)がサルサのエクトル・ラボーを演じる2006年の「El Cantante(エル・カンタンテ)」で”J.LO(ジェニファー・ロペス)”が出演するそうです。 そういえば、ジェニファー・ロペスは2002年の「Enough(イナフ)」でもドメスティック・バイオレンスにあう女の役で、か弱さと気丈さをみごと演じました。 夫が外でやりたい放題で妻は家に縛られお手伝い同然、もう我慢の限界!(イナフ)、愛しているから。 「稼いでいるのは俺だ、俺に従え!今日の暴力はいい暮らしをしてきたツケだ!惚れてるが故に暴走しただけ」とのたまう夫から逃げようにも夫の親も警察も役に立たない。接近禁止命令なんて紙くず同然。子供に被害が及んでないからシュエルター(DVの緊急避難施設)には行けない。別れたくはない夫が妻と娘を執拗に追う。金にあかせて偽のFBIまで使って。DVを受けた妻は格闘技を身につけ、暴力には暴力で、いや攻撃か防衛か。母を捨てたが裕福になった実の父親の助けがあったラッキーなヒロインは熟練諜報員並みの行動を起こす。運が良かったのか。
映画音楽ではひっぱりだこのDavid Arnold(デヴィッド・アーノルド)が作曲したスリルとサスペンスに満ちた音楽の「Enough」サウンドトラックが話題でした。 ちなみにロペスは初めて1997年にキューバ出身の Ojani Noa(オジャニ・ノア)と結婚して1年で離婚した後、2001年にはバックダンサーだったCris Judd(クリス・ジャッド)と結婚、2004年にマーク・アンソニーと結婚するも7年後の2011年に離婚しました。(これで3度目)
ジェニファーロペスは毛皮好きだし、ロペス・ブランドの”JLO”では毛皮のデザインも手掛けていたけれど。
「アンフィニッシュライフ」に続いて同年に70歳近くになったジェーン・フォンダの登場で話題となった「ウエディング宣言」で「コロンビアーナ」(2011)のMichael Valtan(マイケル・ヴァルタン)と共演し2013年にはJason Statham(ジェイソン・ステイサム)と「PARKER/パーカー」で面白コンビを組みました。 相手変われど”JLO”変わらず。

Grizzly Bear
この映画のテーマの一つとなっている「熊」はただのクマでは有りません。 グリズリーベアは別名 “ハイイログマ”というそうで、で何千年もの昔から北アメリカ・アラスカに生息しています。 体長約2mの巨体で草食ですが、ブラックベアーよりも凶暴なので恐れられています。
かって映画に出演した熊の大スターといえばBart The Bear(バート・ザ・ベア)が有名ですが、本当に「人を喰って」しまう演技(調教)でした。 癌のため2000年にユタ州の故郷で永眠したそうです。 熊の歳で23歳でしたが最後の映画出演は1997年の「The Edge(ザ・ワイルド)」でした。 そして 「アンフィニッシュ・ライフ」に出演したのは2000年に親を撃たれて孤児になった子グマの片割れの雄グマ”Bart the Bear II(バート・ザ・ベア2)”でしたが2021年の11月末にユタで息を引き取ったそうです。 バート・ザ・ベア2は2001年公開の「Dr. Dolittle 2(ドクター・ドリトル2)」など沢山の映画に出演した他にも2004年に過去のアドベンチャー作品のパロディ満載のコメディ映画「Without A Paddle(トレジャー・ハンターズ)」に出演(?)しています。
観客動員数を増やして興業成績を上げる目的もあり、ハリウッド映画には可愛いのから恐ろしいのまで様々な動物が登場します。 クマは2005年の「Grizzly Man(グリズリーマン)」から2006年のアニメ「Open Season(オープン・シーズン)」などいろいろ。 この映画のプレミアでは会場前に動物愛護団体が押しかけ抗議したそうですから、「アンフィニッシュ・ライフ」でグリズリーを解き放つのは動物の映画出演を自粛する方向に行くことも含んでいるのでしょうか。
自由の象徴であるというグリズリーベアを絶滅させないことを理解するサイトは「VitalGground.org」です。
とはいえ、2005年にミュンヘン出身のWerner Herzog(ヴェルナー・ヘルツォーク)が監督し解説も担当したドキュドラマの「グリズリーマン」は2003年にアラスカのカトマイ国立公園でガールフレンドと共にグリズリーに襲われて死亡したTimothy Treadwell(ティモシー・トレッドウェル)の伝記でもあります。 毎夏13年もグリズリーと生活したというティモシーの遺作となったビデオの最後はティモシーが実際にグリズリーに襲われている恐ろしい音声です。(聞くに耐えません)

An Unfinished Life DVD
ページトップの画像は2002年にリリースされた輸入版の「An Unfinished Life」のRegion 1(英語)DVDですが現在は入手困難となりリンクは2011年版となっています。
下記は日本では劇場公開なしで2007年7月に発売になった日本語字幕版の「アンフィニッシュ・ライフ」のDVDですが現在入手困難となっています。
An Unfinished Life DVDアンフィニッシュ・ライフ DVD


An Unfinished Life Soundtrack
An Unfinished LifeAn Unfinished Life
サントラは入手困難となっていますが試聴はAn Unfinished Life Soundtrack – Recochoku.jp

映画ではスリラー映画風やカントリー風の音楽が流れる2005年発売の「アンフィニッシュ・ライフ」のサウンドトラックは2004年の「Spider-Man 2(スパイダーマン2)」を手掛けた新進作曲家のDeborah Lurie(デボラ・ルーリー)が作曲した美しいオリジナル曲だとか。(予告編の音楽もそうでしょうか)
カナダ出身のカントリー・シンガーであるShania Twain(シャナイア・トゥエイン)の2005年にリリースされたバラードで”Don’t”が映画では使用されていますが、サントラはオリジナル・スコアなので収録されていません。
Shania Twain – Don’t! – YouTube

「アンフィニッシュ・ライフ」の原作の「果てしなき日々」日本語版書籍
An Unfinished Life Book果てしなき日々
私は未読ですが、1章ごとに語り手が変わるという長編小説だそうです。
本のなか身がちょっと覗ける2005年発売の”An Unfinished Life”の原語版ペーパーバックもあり。(ISBN-10: 1400076145)

アンフィニッシュ・ライフ An Unfinished Life (2005)」への6件のフィードバック

  1. ハルストレムの新作は、「カサノヴァ」が、先頃のベネチアに出品されたというニュースが流れたばかりだったのに、こんな映画も作っていたんですか。
    レッドフォードとフリーマン。楽しみですなぁ。
    「大いなる勇者」は4月に30年ぶりに観たんですが、確かにクマに追いかけられていましたな。

  2. koukinobaaba より:

    十瑠さん、いらっしゃいませ! Hot’n Coolのほうも有難うございます。
    又スパムかと思いましたよ。なぜなら、昨日から海外からコメントスパムの砲撃を受けてモグラ叩きをやってました。
    12月公開予定のリメイク「Casanova」ですね。 私のエントリーにオリジナルなどの特集がありますが、また一つバージョンが増えることになりますね。 このロペスの映画は既に公開されていますが、人気の方はどうでしょうかね。

  3. 世間の評判に鋭いツッコミを入れてたtonboriと申します。
    コメントありがとうございました(^^)
    たまたま先ほど観ていたTVでもこの映画のことを言ってましたが2年も映画会社で店晒しになってたとかでそれを考えても同じだとかどうとうか言うのはほんまにどやねん?と思いますよね。
    同じようなテーマを扱っていてもそこに至る過程とか最後に出てくるモノとかは違ったりするのに。

  4. koukinobaaba より:

    tonbori さん、コメントありがとうございます。 ほんとにラヴコメなどは俳優が違うだけのようなのが多いですからプロットについては何とも言えないですね。 私は「デジャヴ」の一言で表現してみました。
     Audio-Visual Triviaで「シンシティ」も書いています、エキサイトブログのHot’n Cool共々今後とも宜しくお願いします。

  5. はじめまして。チェイサーと申します。
    これまでも時折読ませていただいてましたが、
    この映画についての情報を検索していてこちらの記事に出会いました。
    とても素晴らしい内容ですね。
    私もこのサントラについての記事を書きましたのでトラバさせていただきました。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。

  6. koukinobaaba より:

    「チェイサー」さん、コメントありがとうございます。
    こちらこそ宜しくお願いします。

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