Jean-Paul Belmondo: est l’homme préféré, et bon bon!
J・P・ベルモンド (1933-2021)
1933年生まれのパリジャン、Jean-Paul Belmondo(ジャン=ポール・ベルモンド)はコンセルバトワールで学び舞台もこなす演技派俳優なのですが、これまでのフランス美男俳優たちとは異にしてかなり型破り。 デビューはちょい役で出演した1958年のMarcel Carne(マルセル・カルネ)監督のパスカル・プティが主演した「Les Tricheurs(危険な曲り角)」ですが、後に大物俳優となったベルモンドがあたかも主役のようなDVDカバー画像が存在します。 1959年のミレーヌ・ドモンジョや太陽はひとりぼっちのアラン・ドロンが出演した「Sois Belle et Tais-toi(黙って抱いて)」や、Antonella Lualdi(アントネラ・ルアルディ)と共演した1959年の「A Double Tour(二重の鍵)」に出演しています。 同じ年、1959年にヌーヴェル・ヴァーグ(新世代)のJean Luc Godard(ジャン・リュック・ゴダール)が監督した「A Bout de Souffle(勝手にしやがれ)」に主演して一躍大スターとなりました。
☆詳しくはAudio-Visual Triviaの「勝手にしやがれ」
Classe tous Risques
フランス人好みの分厚いタラコ唇でセクシーと評されるベルモンドは「墓場なき野郎ども」のチンピラ役が素敵!
私がJ・P・ベルモンドを初めてスクリーンで見たのは、「勝手にしやがれ」でも 「二重の鍵」でもなく、1960年のフィルム・ノワー ル「墓場なき野郎ども」でした。
「墓場なき野郎ども」を観て下さい! ジャンポール・ベルモンドの「墓場なき野郎ども」は原作はベルモンドが主演した1968年の「HO!(オー!)」の原作でも知られるJose Giovanni(ジョゼ・ジョヴァンニ)ですが脚本家のClaude Sautet(クロード・ソーテ)が1960年に監督したギャング映画です。(ちなみに1969年の「失われた男」で共演したシドニー・ポワチエと結婚したジョアンナ・シムカスは「オー!」の他ジョヴァンニ原作で1967年の「冒険者たち」に出演) 原作は1972年の「La Scoumoune(ラ・スクムーン=死神)」などベルモンドの映画を監督したJose Giovanni(ジョゼ・ジョヴァンニ)ですがコルシカ生まれだからマフィアの作品が多いようです。
クロード・ソーテはベルモンド主演の1963年の「Peau De Banane(バナナの皮)」や1969年の「Borsalino(ボルサリーノ)」の脚本も担当していますが、私が初めてクロード・ソーテが脚本を手掛けて映画を観たのは1959年の怖い映画でAlida Valli(アリダ・バリ)が出演した「Les Yeux Sans Visage(顔のない眼)」でした。
脚本及び監督共にClaude Sautet(クロード・ソーテ)の暗黒街の男の友情を描いたサスペンス映画「墓場なき野郎ども」は実在のギャングだったAbel Danos(アベル・ダノス)をモデルにしたJose Giovanni(ジョゼ・ジョヴァンニ)の小説の映画化です。 ジャン・ポール・ベルモンドはリノ・ヴァンチュラが演ずるギャングのボス(アベル)を慕う下っ端ヤクザ(エリック)役を演じていました。 裁判で死刑宣告を受けたギャングのアベルは身を隠しますが、昔の仲間にはそっぽを向かれ、妻は警察の銃弾に倒れるというストーリーなんですが、観ていると感情移入して悲劇のギャグの見方になってしまいます。 元仲間の差し向けたお使い奴がジャン・ポール・ベルモンドが演じるエリックで、チンピラヤクザながら義理人情に厚いという美味しい役どころです。
カメラがベルモンドの足元から上へとパーンしていく過程で、すでに何かを感じました。 「おっ、早く!顔も見せて!」 ベルモンドの身長は約176(もしくは178)cmと高くなくアラン・ドロンとほぼ同じですからフランス人俳優としてさほど大きくはありませんが、「足」が全てを語って、即刻、私はベルモンドと恋に落ちたのでした。 そのシーンではもちろんビシッとツイードの服装もお洒落なベルモンドでした。
その後は気になる俳優として、アクションコメデイ意外はほとんどのジャン・ポール・ベルモンドの古い映画はチェックしています。(昭和の昔はフランス、イタリア、ドイツ映画の花盛りでした)
「Classe tous Risques(墓場なき野郎ども)」の情報が観られるClasse tous Risques – Criterion.com
トレーラーはClasse tous Risques Trailer – YouTube.com
他にも「墓場なき野郎ども」の予告編が観られるClasse tous Risques Bande-annonce – Cineserie.com
Sandra Milo(サンドラ・ミーロ)が演じる女優のボーイフレンドとしてベルモンドが出てきます!
どうです? ベルモンド 可愛いかったですね。 左パンチが効きますね。
「墓場なき野郎ども」の音楽はGeorges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)です。
サンドラ・ミーロは 1959年にEdouard Molinaro(エドゥアール・モリナロ)監督の「Un témoin dans la ville(彼奴を殺せ)」とFrancoise Arnoul(フランソワーズ・アルヌール)主演の「Le Chemin des écoliers(学生たちの道)」など7本の作品に出演しましたが、一番人気は1959年にClaude Autant-Lara(クロード・オータン=ララ)が監督した「La Jument Verte(青い女馬)」です。 「青い女馬」の音楽は1947年に「Le Diable Au Corps(肉体の悪魔)」や1954年にDanielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)主演の「Le Rouge et Le Noir(赤と黒)」などクロード・オータン=ララの映画音楽をいくつも担当したRené Cloërec(ルネ・クロエレック)です。
Borsalino
「ボルサリーノ」は1974年の「Borsalino & Co.(ボルサリーノ2 )」と共にJacques Deray(ジャック・ドレー)監督に、制作と主演がアラン・ドロンでした。 1969年には「黙って抱いて」で共演したアラン・ドロンからの申し出によりジャン・ポール・ベルモンドとコンビを組んだハードボイルド映画です。 ベルモンドとドロンのギャング・ファッション対決は素敵ですが「ボルサリーノ」でベルモンドは死ぬので「ボルサリーノ2」には出ません。 ベルモンドを亡き者にしたアランドロンの独壇場となりました。 ジャック・ドレーは1964年にMichel Magne(ミシェル・マーニュ)作曲指揮のジャージーな音楽が素晴らしいジャン・ポール・ベルモンド主演の「Par Un Beau Matin D’ete(ある晴れた朝突然に)」を監督しています。
Borsalino Photos – FILM.TV.IT
1973年の「The Sting(スティング)」のテーマ曲だった”The Entertainer”のようなラグタイム・ ピアノの演奏でヒットした「ボルサリーノ」のテーマ曲はClaude Bolling(クロード・ボラン、またはクロード・ボリン)が作曲した”Borsalino: Thème”でサウンドトラックの「Borsalino Soundtrack」(ASIN: B00005OMPJ)に収録されています。
♪ 試聴はBorsalino Soundtrack – Archive.org
☆「ボルサリーノ」についてもうちょっと詳しくはブログ”Hot’n Cool”の「ボルサリーノ Borsalino (1969)」
☆ちなみに騙すことがタイトルとなっている詐欺師の痛快な映画「スティング」ではイラストのオープニングでタイトル曲が流れました。 1936年生まれでまだ超ハンサムを保っていた40歳ちょっと前のRobert Redford(ロバート・レッドフォード)が「The Great Gatsby(華麗なるギャツビー)」の前年に出演したロマンス抜きの映画が「The Sting(スティング)」で、「明日に向って撃て!」での犯罪者コンビのポール・ニューマンと共演しました。
ジャン・ポール・ベルモンドは1960年に2本の文芸作品風映画で大女優と共演しました。 一本は「死刑台のエレベーター」のジャンヌ・モローと共演した1960年の「Moderato Cantabile(雨のしのび逢い)」で、ベルモンドが一番ハンサムに見える映画です。(モローとは「女は女である」や「バナナの皮」でも共演) もう一本はイタリアの大物女優Sophia Loren(ソフィア・ローレン)と共演した「La Ciociara(ふたりの女)」で監督はVittorio De Sica(ヴィットリオ・デ・シーカ)、プロデューサーがソフィア・ローレンの夫のCarlo Ponti(カルロ・ポンティ)、音楽はソフィア・ローレンが主演した1955年の「La Donna del Fiume(河の女)」や1965年の「Sette uomini d’oro(黄金の七人)」でも音楽を担当したArmando Trovajoli又はArmando Trovaioli(アルマンド・トロヴァヨーリ)と大作でした。 1963年のうら悲しい「Mare matto(波止場)」ではジーナ・ロロブリジーダでした。
雨のしのび逢いの後でバナナの皮だなんて!
ジャン・ポール・ベルモンドは古き良きフランス映画のLa Nouvelle Vague(ヌーヴェルヴァーグ)から脱皮して1963年の「L’homme De Rio(That Man from Rio リオの男)」から商業ベースの娯楽コメディ色が濃くなり、Marguerite Duras(マルグリット・デュラス)の原作を自身が脚本を手がけた「雨のしのび逢い」で共演したジャンヌ・モローと再び共演した1963年の「Peau De Banana(バナナの皮)」などの一連のコメディ・アクション映画にも出演しています。
ベルモンドのベース弾き姿が冒頭に見られる軽い詐欺師のコメディ映画「バナナの皮」は忘却の彼方へ消えさり現在では本国でもフランス語のDVD(PAL、Région 2、ASIN: B001C5M73K)しか入手できません。 滅多に観られないコメディ映画でジャンヌ・モローがコケティッシュなマダム・ヴォルネイをコミカルに演じています。 ミシェル・チボー(ベルモンド)がチャーリーから話を持ちかけられ競馬場でマダム(モロー)に会うがこれがミシェルの元妻。 マダム(キャティ)の亡き父親は二人の部下に騙されて破産、キャティは復讐を企むのです。 ターゲットは元マダム・ヴォルネイ(カティ)の交際相手だったボンタン氏(アラン・キュニー)とラシャール(ゲルト・フレーベ)、元夫婦のミシェルとカティは茶番劇の末に大金を取り戻すというストーリーです。 スカーフをかぶったアフガン・ハウンドを連れたマドモワゼル(モロー)姿が素敵ですが、映画の終盤にモローの歌う”Embrasse-moi”(https://www.youtube.com/watch?v=eovVe0xOMEg)を収録したWard Swingleのジャージーなサントラ(Polydor 45 RPM)も素晴らしい。 ちなみにアレンジャーでもあったワード・スウィングルはミシェル・ルグランの姉のクリスチャンヌ・ルグランがリード・ソプラノをつとめるア・カペラのスウィングル・シンガーズをパリで結成しました。
L’homme De Rio (1964)
「That Man From Rio(リオの男)」のちょっとあらすじ
「L’homme De Rio(リオの男)」は体を張ったアクション映画の先駆者ともいえるベルモンド主演の5作品を監督しているPhilippe De Broca(フィリップ・ド・ブロカ )がベルギーの漫画家エルジェのタンタンの冒険旅行シリーズ「L’Oreille cassée(かけた耳)」にヒントを得て脚本を手がけた人気ナンバーワンのアドベンチャー・コメディです。 Jean Servais(ジャン・セルヴェ)やAdolfo Celi(アドルフォ・チェリ)などの大物俳優が出演していますが、見所はCatherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)の姉で25歳の時自動車事故で急逝したFrançoise Dorléac(フランソワーズ・ドルレアック)の魅力でしょうか。 Georges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)が音楽を担当したオープニングはリオのカーニヴァルを連想するサンバのリズムで打楽器で構成されたブラジル民謡の”Batucada générique(バトゥカーダ/トロカデロの誘拐)”で幕開け。 ”L’homme De Rio Theme”が流れるオープニング・クレジットの背景はエンディングと同じ色とりどりの縞模様ですが、これは後に出てくるローラの酒場のノレンのよう。 実戦経験はゼロだが空軍中隊に所属するブザンソン出身のアドリアン・デュフルケ(ベルモンド)が一週間の休暇でパリに住む婚約者のアニェス(ドルレアック)に会おうとすると同時期に博物館に強盗(二人組み)が入り毒の吹き矢で看守を撃って、アマゾンで発見されたマルテク族のモラコッタ(アマゾン原住民の土偶のような青い小像)が盗まれた。(秘密のお宝でも?)
アニェスの家に到着したアドリアンはジャン・セルヴェが演じる考古学者のカタロン教授のように誘拐されるアニェス(ドルレアック)を偶然見つけたアドリアン(ベルモンド)は捜査に来ていた警察のバイクを失敬して追跡! 空港でソフト帽にレインコートの男二人に抱えられた夢遊病者のようなアニェスを発見、なんとか同じリオ・デ・ジャネイロ行きの飛行機に乗ったもののアドリアンに頼まれた機長が事情を尋ねたアニェスはアドリアンを知らないと言う。 次のシーンで流れる曲は”Sightseeing”、消えたアニェスを探して闇雲にアドリアンは走る走る、早い早い。 リオの真ん中で途方に暮れるアドリアンを追うはレンコートを脱いで背広になった男(Milton Ribeiro)。 逆転して背広の男を追って展望台へ上るアドリアン、危うく美術館の看守同様に毒の吹き矢銃で狙われたところ仲良くなった靴磨きの少年ウィンストンの機転で助かる。 犯人の車が止まったホテルへ直行、怪しい男二人と一緒のアニェスを探す。 男の部屋を突き止めベランダの窓から表側に回る、このシーンがリオの浜と道路を真下にアドリアンがビルの外を歩いて危うく落ちそうになる超有名なスタントの映像。 薬を打たれて眠っているアニェスを探し出し見張りを殴ってホテルを出たところでまたもや機転を効かせ仲間を呼び集めた少年に救われる。 目を覚まさないアニェスをリオの海に浸けると覚醒したかに見えたが記憶喪失、「どなた?ハンサムね」とのたまう。 少年の家に案内されて乾杯する一連のシーンに口笛で流れる曲は”Orfeu Negro(黒いオルフェのテーマ)”
ようやく記憶が戻ったアニェスは昔住んでいたリオの屋敷にアドリアンを連れて行き、父親(ビレルモザ氏)が毒殺される前に庭に埋めた小像を掘り出させる。 その時、二人の後ろには例の背広の男が二人立っていてアドリアンに毒矢を発射しようとした。 男は滅法強くてアドリアンは投げられアニェスは像を取られてしまう。 若い頃に博士とアニェスの父親と一緒に三人でアマゾンの奥地を探険して像を持っているブラジルのディ・カストロ(アドルフォ・チェリ)が乗る船に行こうとするアニェスは金槌のくせに泳ぐと服を脱ぐ。 このシーンで美しいフランソワーズ・ドルレアックの下着姿が拝めるが、アドリアンが泳いで戻ったこの後のシーンで現地の人たちと一緒に裸足で踊るアニェスのサンバも見もの。 さて、仕方なくアドリアンが泳いでカストロの船に乗り込むがカストロ(Adolfo Celi)はモーターボートで去った後。 二人はカストロが飛んだブラジリアに盗んだピンクの車で向った。 その道中、偶然二人は誘拐されたカタロン教授が例の背広男二人と一緒に緑の車にいるのを見つけて救出する。
あだ名が木の頭という殺人ゲーム好きのカストロのところに連中より早く行こうと言う像の秘密を知るカタロン、3人はカストロのヘリで屋敷に行き、カストロの小像を見せられるがカタロンはすぐに偽物と分かった。 カストロのパーティの最中に屋敷の外に来た車がライトで合図を送るのを見たカタロンはカストロに例の小像を見せるように言うと奥のコレクション部屋に案内する。 マルテク族の財宝の秘密を解く鍵を秘めた小像の頭部を摘んで赤い石を持つ手を動かして本物を確信したカタロンは後ろからネクタイでカストロの首を締めて殺害すると、「この時を3年間待っていた」と小像を手にすると屋敷に忍び込んた仲間が持ってきたトランクに並べる。(これで三つ揃った) カタロンの胸にさしたカストロの赤い花を見て怪しんだアドリアンが奥に行くと先に部屋に戻った筈のカストロがコレクションルームで死んでいた。 この間にカタロンはアニェスを誘拐してマルテク族の財宝が埋められているはずのアマゾン源流に向かう。 アニェスが乗せられたカタロンの車を追ってアドリアンが走る、走る、早い、早い。 途中、今やカタロンの手下と判明した例の背広男たちの襲撃をかわしたアドリアンは今度は工事現場で拾ったポンコツ自転車で彼らを追う。 キーコ、キーコ。(工事現場では空中トロッコのスタント) 水上飛行機に乗せられたアニェスを助けようと浜でエンジンをかけていたプロペラ機を奪って離陸。 アドリアンは航空隊勤務だけど実戦経験が無いから操縦はお手の物でもない。 クシャミをすれば宙返り。 アマゾンの森林地帯上空を飛ぶカタロンのジェットに追いついたが水上ジェットじゃないから河に降りられないアドリアンはパラシュートで飛び降りる。 沼地に落ちてワニに喰われるところをパリ野郎の探検家に助けられ、カタロンの仲間のローラの酒場に誘われる。(カタロンのパトロンでもある歌手のローラを演じるは製作に携わったAlexandre Mnouchkineの美人妻のSimone Renant) 店の奥ではカタロンがモラコッタ三体それぞれの頭のネジを回して開いた腹中の紙片(紙?)を取り出す。 三つを合わせマルテクの財宝(ダイヤの山)の在処がわかり大富豪になれる。
これを覗いていたアドリアンを手下が見つけ、ローラが仲間にパリ野郎をやっちまえと指図すると探検家のパリ野郎の方がやられてしまったので助けるアドリアン。 リンチ寸前だったパリ野郎を助け出し、アチョー!アチョー!と大乱闘を抜け出したアドリアンはカタロンが河の源流目指して乗った船を泳いで追いかけると、船室では極悪人のカタロンにアニェスが結婚せよと脅されている。(このシーンでも”船上で黒いオルフェのテーマ”が流れる) 船を降りて手漕ぎボートに乗ったカタロンとアニェスの一行を追うアドリアン、一行は陸地に上がると川の源流まで徒歩で目的地へ。 三体の小像を入れたトランクを手にカタロンは人骨も転がる洞窟に一人で降りて行く。 一方、アニェスを助けるベルモンドがターザンさながらのツタ渡りを何度も見せる。 カタロンは指定の位置に小像を置いて判明した財宝の隠し場所を開けると目もまばゆいダイヤモンドが! それと同時に神の怒りが爆発したような爆音が轟き一帯が地震のように揺れ出し、洞窟に落ちて来た石に当たって息絶えてしまう。 手に手を取って森林を駆け出るアドリアンとアニェスに神の怒りか、木々が次々と倒れてくる。 二人は伐採された木々やブルドーザーの一隊を目にした。(なぁんだ、土地開発の発破だったのか!) 休暇は後二日残っているからアドリアンが脱走兵にならずに済んだ。
ベルモンドがエキゾチックなリオ・デ・ジャネイロを舞台に活躍するアドヴェンチャー映画のテレビ放映ではアニメ「ルパン三世」の故山田康雄がベルモンドの声を吹き替えたそうです。
Les tribulations d’un Chinois en Chine (1965)
「カトマンズの男」のちょっとあらすじ
ジュール・ヴェルヌの小説を脚色してフィリップ・ド・ブロカがコミック映画化した「カトマンズの男」では株で失敗して自殺願望の金持ち男アルチュール・ランプルール(ベルモンド)だったが、死ぬ前にやって貰う親友のゴーに200万ドルの生命保険をかけられる。 保険金の受け取り人は婚約者のアリスと哲学者でアルテュールの親友であるミスター・ゴー。 保険期間は何とたったの一ヶ月、大晦日まで、そして自殺はダメだから殺してやるから死ぬまでは楽しめとゴー先生。 それからは黒眼鏡にレインコートの殺し屋たちや爆竹の破裂音、ちょっとした音でもビビるアルテュールは香港の港で男たちに囲まれそうになり街に逃げる。 執事のレオン(「髪結いの亭主」のJean Rochefort)と共に隠れた場所が世界中を回るストリッパーのアレクサンドリーヌが踊るクラブ、逆ストリップに見とれていたが男たちが現れて楽屋に逃れる。 アレクサンドリーヌに片側長髪の髪型を変だと言われてジョッキと切ってもやはり変と言われ、ショックを受けたアルチュールが出て行こうとすると匿ってくれると言う。 その後、アレクサンドリーヌの小舟で食事(スチームボート)を御馳走になったアルチュールは「死にたくなくなった、生きていくよ。」 執事は「ストリップで食べていくのですか?」 ゴー先生を捜すと自分には殺せないので人に頼んでヒマラヤに行くと手紙を残していた。 で、レオンを伴ってアルチュールもヒマラヤに行く。 インドから乗る飛行機が離陸してしまったので危険な民間のプロペラ飛行機で行く。 瞑想にヒマラヤに行ったゴー先生をさがすため気球で世界一周をしている教授のところに行くが気球に穴が空いて行かれないと言うので何日も歩いて行くことに。 吊り橋から落下では盗まれないようにとシャツ同士をピンで留めたのが功を奏して命綱に。 ようやく到着した秘境ヒマラヤ頂上の寺院、外国人は捕われてしまうが教授が気球で駆けつけ脱出成功。 殺し屋と思い込んでいたのはアルチュールの身を守るため保険会社が依頼した探偵たちでした。 で、ゴー先生はヒマラヤなんぞ行っておらず香港にいるらしい。 アルチュールが出かけて12日経過、ゴー先生を探して再びマッサージ屋へ。 このシーンでベルモンドが来ていた赤いセーターが素敵。 逃げる途中でストリッパーのアレクサンドリーヌと再会。 英国クラブでクロッケーをしているゴー先生をやっと捕まえたて、考えが変わって生きたいと話すと、先生は命は危うくなると惜しくなると教えてくれた。 が、先ほど狙って撃ってきた銃は? アリスと一緒に船に乗っていたアリスの両親コルネリウスとスージーが死にたいアルチュールの望みをかなえてやろうとしたか金に目がくらんだか。 アルチュールたちはスージーが殺人依頼をした南海のアル・カポネのチャーリーのところへ急ぐが、お尋ね者のポスターのおかげで逃げ惑うことに。 アレクサンドリーヌの出演するクラブに逃げ込み楽屋でストリッパーに変装、舞台にたってしまう。 気持ち悪いオカマ。 さらに京劇の舞台に逃げ込み、盗みの罪で警察に捕まりギャングからは逃げられたが牢屋入り。 探偵が保釈金を払って出所、後残るは二日、なのに、刑務所前にはギャングのトラックの列。 このシーンでベルモンドが来ていた奇麗な青いシャツも素敵。 ようやく潜り込んだのがアヘン密売船、チャーリーも気がつかない。 像もいるマレーシアのランカイ島にたどり着いた一行が騒動を繰り返しているうちに、一月一日、元旦となります。 チャーリーは保険金は関係なくとアルチュールを殺したいと空から狙う。 像に乗って逃げるアルテュールとアレクサンドリーヌはようやく自分の船に戻りました。 「これから働くぞ!」と思ったら破産は間違いで以前として金持ちのアルテュールでした。 がっくりしたアルテュールの髪の毛が又伸びた。
☆ウルスラ・アンドレスのダイナマイト・バディとエキゾチックな香港やネパールの風景を楽しみましょう。
☆ アルテュールが恋に落ちるストリッパーのアレクサンドリーヌを「レッド・サン」に娼婦役で出演したスイス出身のUrsula Andress(ウルスラ・アンドレスもしくはアーシュラー又はアシュラー)が演じました。 その前に英語が話せなかったウルスラが10年ほど結婚したのは「 オール・ザ・キングスメン」のJohn Derek(ジョン・デレク)でしたが「カトマンズの男」で共演したベルモンドが映画同様にメロメロとなりデレクと離婚してパートナーとなったそうです。 「Dr. No(007/ドクター・ノオ)」のボンドガールが交際した男性にはショーン・コネリーをはじめ、マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、デニス・ホッパー、マルチェロ・マストロヤンニ、ライアン・オニール、ウォーレン・ベイティ、ピーター・オトゥール、ヘルムート・バーガーなどと数えきれないとか。
フィリップ・ド・ブロカ監督のベルモンドが主演するコメディは、「墓場なき野郎ども」と同じくGeorges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)が音楽を担当した1961年の「Cartouche(大盗賊)」に始り、 1963年の「リオの男」、1965年の「カトマンズの男」、 1973年のメキシコが舞台の「Le Magnifique(おかしなおかしな大冒険)」、そしてエトルタを舞台にした1909年のL’aiguille creuse(奇巌城もしくは奇岩城)が有名なフランスのMaurice Leblanc(モーリス・ルブラン)原作のArsène Lupin(アルセーヌ・ルパン)シリーズのパロディでCapucine(キャプシーヌ)も出演し、フランスのサンリスにある古城を舞台にした1975年の「L’ incorrigible(ベルモンドの怪盗二十面相)」となんと5本もあります。 ちなみに50作ものルパンシリーズを書いたモーリス・ルブランの孫のFlorence Leblanc(フロランス)が2012年に発見した未発表の作品は1936年頃に書かれた”La dernière aventure d’Arsène Lupin”で心臓発作の後震える手で校正したらしいです。 ルブラン晩年の作品ですから傑作とはいえないそうですがこの最新作は「Le Dernier Amour d’Arsène Lupin(アルセーヌ・ルパン最後の恋)」として出版されたそうです。 パリ郊外を舞台にイギリスの諜報機関から狙われたルパンが身を隠すが、貧困に苦しむ子供を見て再び盗みに手を染めるという内容だそうです。( $89でアメリカのAmazon.comにあります)
「ベルモンドの怪盗二十面相」のトレーラーはL’ incorrigible Trailer – YouTube
「リオの男」のトレーラーはL’homme De Rio Trailer – YouTube
ちなみに「カトマンズの男」や「Le Magnifique(おかしなおかしな大冒険)」の間、1966年には歴史的なパリの解放を描いた趙大作「Is Paris Burning?(パリは燃えているか)」があります。 若いレジスタンスを演じたジャン=ポール・ベルモンド以外にシャルル・ボワイエ、アラン・ドロン、イヴ・モンタンといったフランス俳優だけでなく、グレン・フォード、カーク・ダグラス、オーソン・ウェルズ、アンソニー・パーキンス、ジョージ・チャキリス、ロバート・スタックといったアメリカ俳優が共演しましたが、アメリカ軍にパリ進軍を伝えるガロワ中将を演じたPierre Vaneck(ピエール・ヴァネック)の活躍も忘れられません。 映画では最後に電話から聞こえてくる言葉「パリは燃えているか」は怒り狂ったヒトラーの声ですが、アメリカ人のLarry Collins(ラリー・コリンズ)とフランス人のDominique Lapierre (ドミニク・ラピェール)が共同で執筆したドキュメンタリー「Paris brûle-t-il?」を原作にしています。 第二次世界大戦末期に常軌を逸したヒトラーの断末魔ともいえるパリ破壊命令を回避した共産主義者とドゴール派で構成されたフランス・レジスタンスと自由フランス軍の記録です。
フィリップ・ド・ブロカは上記の他にもヴァレリー・カプリスキー主演の未公開映画「La Gitane(彼女はジタン)」も監督しました。 ちなみにブロカが監督した1970年の「Les figurants du nouveau monde(君に愛の月影を)」(Les caprices de Marie)や1969年の「Le diable par la queue(悪党)」に出演したMarthe Keller(マルト・ケラー)とパートナー関係にあり子息子がいるそうです。(マルトは1976年の「Marathon Man (マラソンマン)」に出演して人気沸騰のスイス女優)
1963年の「リオの男」や1973年の「Le Magnifique(おかしなおかしな大冒険)」の脚本を担当したのが1995年の「Le Hussard sur le toit(プロヴァンスの恋)」を監督したJean-Paul Rappeneau(ジャン=ポール・ラブノー)ですが、ミシェル・ルグランが音楽を担当した1970年のコメディ映画「「Les Mariés de l’an II(コニャックの男)」では監督の他脚本も手がけています。 18世紀末のフランス革命の動乱を背景にしたこのコメディはイタリアのグラマー女優でベルモンドと70年代に交際していたLaura Antonelli(ラウラ・アントネッリ)の他に王子様役のミシェル・オークレールと部隊の料理係のサミー・フレイが出演しています。 妻と離婚したかったのにやっぱり妻が良かった男の物語。 冒頭は1987年、妻から逃れようとしたナントの文無し男ニコラ・フィリベールはアメリカへの密航がバレて刑務所に三日お泊まり。 しかし夜警として入社し社長の片腕にまでなり5年後にはその豪商の娘をハートを射止めたが既婚がバレて結婚が認められなかった。 カトリックでは離婚は認められなかったフランスで、革命後共和国となり最初に通った法案は離婚! そのすぐ後、5000キロの小麦の輸出という商用でフランスに渡ったニコラだが、今度はイギリスと交戦中で飢えた人民に歓迎された。 ゲランド公爵の妹ポーリーヌ(ラウラ)の反逆共犯者としてギロチンになるところを逃げ延びて貴族の城に行くがそこで部隊長アンリ・ゲランドの妻になろうとしている元妻のシャルロットに会う。あっちがこっちとこっちはあっちと。 ゲランド公爵とポーリーヌは愛し合っていることが分かり、ニコラが離婚のため連れ出した元妻は殿下と結婚するために離婚。 だがアメリカへ向けて出帆した船から飛び降りて20年追っかけてきた元妻とやり直すためにフランスに戻るニコラ。 終盤の活劇以外、ベルモンドのサーベルさばきと屋根すべりが見所くらい。
ちなみに「雨のしのび逢い」を監督したPeter Brook(ピーター・ブルック)の最後の映画は古代インドの叙事詩を描いた超大作の戯曲を超縮小した1989年の「The Mahabharata(マハーバーラタ)」ですが日本未公開でした。
サントラにはAntonio Diabelliが作曲しMarie-Antoinette Pictetが演奏する「雨のしのび逢い」のテーマThème musical du film Andantino De La Sonatine N°8やSonatine En Fa Majeur N°1などのロマンティックなピアノ曲が収録されています。
♪ 試聴はModerato Cantabile OST- Qobuz.com
「コニャックの男」に続いて1972年の「Docteur Popaul(ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚)」にも出演してベルモンド医師に尻注射されたラウラ・アントネッリは同年、過激ホラーのLucio Fulci(ルチオ・フルチ)が監督する「All’onorevole piacciono le donne(ザ・エロチシスト)」に出演後、1973年に「Malizia(青い体験)」でシシリーのお色気女中を演じ、柳の下のどぜう的なLuigi Comencini(ルイジ・コメンチーニ)監督の「Mio Dio, come sono caduta in basso!(続・禁断のインモラル/悦楽に身を焦がす女たち/青い欲望)」では兄と結婚した女性を演じた後、1975年にLuchino Visconti(ルキノ・ヴィスコンティ)監督の最後の作品「L’innocente(イノセント)」で美しい貴婦人を演じました。 「イノセント」同様にイタリアのセクシー俳優であるGiancarlo Giannini(ジャンカルロ・ジャンニーニ)と1974年のオムニバス映画「Sessomatto(セッソ・マット)」でも共演しています。 笑い声や囁きが入ったArmando Trovajoli(アルマンド・トロヴァヨーリ)のサントラがヒット、ジャンカルロ・ジャンニーニの滑稽な八変化が超面白いエロティック・コメディ。
「イノセント」の詳細はHot’n Cool内の「Gabriele D’Annunzio(ガブリエレ・ダヌンツィオ)」
☆ジョルジュ・ドルリューの音楽の「大盗賊」OSTは「Cartouche Original Soundtrack」(ASIN: B00008FLR4)
♪ 試聴はCartouche Original Soundtrack – Archive.org
気狂いピエロでヌーヴェルヴァーグのジャン・リュック・ゴダールと喧嘩?
1965年のゴダール監督の「Pierro le Fou(気狂いピエロ=きちがいぴえろ)」はジャン・ポール・ベルモンドの代表作にもなっています。(廉価版DVDはASIN: B006QJSMGI など)
ゴダール映画といえば、ジャン・リュック・ゴダールが見出したデンマーク出身の女優のAnna Karina(アンナ・カリーナ)が出演しています。 まあ、この映画はゴダール通の方もしくはヌーヴェルヴァーグ通の方向けでしょう。 顔に青いペンキを塗ったくった上にダイナマイトを巻いてドッカーン! 赤や青の意味がどうなんだか、凡人の私は狐につままれたまま「FIN」
私にはこれまた理解不能な映画でした。 ベルモンドも同感(?)だったらしくジャン・リュック・ゴダールとはこれで決裂しています。 なんといっても舞台出身の俳優であるジャン・ポール・ベルモンド様にとって、お笑いはあってもシナリオのない映画なんてあるもんか!というわけです。
ミシェル・ピッコリと共演して話題作となった1963年のギャング映画「Le Doulos(いぬ)」の後の1968年には「Les Aventuriers(冒険者たち)」のJoanna Shimkus(ジョアンナ・シムカス)と共演した「Ho!(Criminal face オー!)」があります。(「オー!」を監督したのはリノ・ヴァンチュラとブリジット・バルドーが共演した「Boulevard du rhum(ラムの大通り)」のRobert Enrico(ロベール・アンリコ)です。☆ちなみに身長171cmのジョアンナ・シムカスは黒人のオスカー受賞俳優であるSidney Poitier(シドニー・ポワチエ)と結婚して2007年の「Grindhouse(グラインドハウス)」の「Death Proof(デスプルーフ)」にジャングル・ジュリア役で出演したSydney Tamiia Poitier(シドニー・タミーア・ポワチエ)という美しい娘がいます。
ジャン・リュック・ゴダールと結婚していたアンナ・カリーナはベルモンドとJean-Claude Brialy(ジャン=クロード・ブリアリ)やジャンヌ・モローと共演した1961年のゴダール作品「Une Femme est Une femme(女は女である)」でベルリン国際映画祭の女優賞を受賞しました。 その後、1962年にジョルジュ・ドルリューのテーマ曲が人気だった「Vivre Sa Vie(女と男のいる舗道)」にも出演していましたが、恋多き女のカリーナはジャン・リュック・ゴダールと別れて当時の売れっ子の美青年だった「Jacques Perrin(ジャック・ペラン)」と交際したこともあったとか。
ジャック・ペランは2001年の「WATARIDORI」などの制作監督となっています。
銃撃される衝撃のラストが哀しい映画「女と男のいる舗道」の映画テーマ曲はVivre Sa Vie theme – YouTube
英語のタイトルは”「A Woman Is a Woman」というジャン・リュック・ゴダールの「女は女である」では1961年の音楽が重要な要素を占めていますが、Charles Aznavour(シャルル・アズナブール)の”Tu t’laisser aller”が挿入歌として使用されています。 カフェでベルモンドがアンナ・カリーナにブリアリが不倫している証拠写真を見せるシーンでジュークボックスから流れてくるのがアズナヴールの失恋を歌ったこの曲です。
♪ Charles Aznavour: “Tu t’laisses aller” – Youtube
Michel Legrand(ミシェル・ルグラン)音楽の「女は女である」のサントラ(https://www.youtube.com/watch?v=Dng3UtfW-vE)はもう見つかりませんがアズナヴールのアルバム「Je M’Voyais Deja」に”Tu t’laisser aller(あきれたあんた)”が収録されています。
ジャン・ポール・ベルモンドの出演映画
「墓場なき野郎ども」の他に、ジャン・ポール・ベルモンドが出演した映画の中で私にとって印象的な出演作は「危険な曲り角」と、1959年の「唇によだれ」のBernadette Lafont(ベルナデット・ラフォン)も出演している 「二重の鍵」です。 「危険な曲がり角」は海外でもベルモンドが主演しているかのようなビデオのカバー画像が見られますが実際はちんぴら役で出演はほんのちょっとでした。 「二重の鍵」では主人公の妹の婚約者で勝って気ままに屋敷に住み着いているベルモンドが庭でのランチの場面でガツガツと無作法に喰うシーンは特に忘れられないのです。 この「二重の鍵」のDVDはヴィンテージ価格になってしまいました。
日本のサイトで「墓場なき野郎ども」や「二重の鍵」などベルモンドの出演映画のチラシが見られる「J.P.ベルモンド特集」
これらの他にまだまだ話題作はありますが、戦争映画としては1960年に悲劇の母娘を演じたSophia Loren(ソフィア・ローレン)とEleonora Brown(エレオノラ・ブラウン)などと共演した「La ciociara(ふたりの女)」、そして「Sous le ciel de Paris(巴里の空の下セーヌは流れる)」のMarie-France Boyer(マリー=フランス・ボワイエ)も出演した1951年の映画でCatherine Spaak(カトリーヌ・スパーク)と共演した1964年の「Week-end à Zuydcoote(ダンケルク)」などがあります。
Henri Verneuil(アンリ・ヴェルヌイユ)が監督してOmar Sharif(オマー・シャリフ)が刑事を演じた1971年の「Le casse(華麗なる大泥棒)」ではRobert Hossein(ロベール・オッセン)と共演しました。
「L’Année dernière à Marienbad(去年マリエンバートで)」や「Muriel(ミュリエル)」のAlain Resnais(アラン・レネ)が1973年に監督した詐欺師物語の「薔薇のスタビスキー」では大き目の白いマフラーのベルモンドの胸のポケットに挿したバラの花がお洒落だった。
同年に アンリ・ヴェルヌイユが監督した「恐怖に襲われた街」(Peur sur la ville)、1975年の「怪盗二十面相」(L’Incorrigible)、Marie Laforet(マリー・ラフォレ)と共演した1978年の最高傑作「警部」(Flic ou voyou)、1980年の「道化師」(Le Guignolo)、1984年に「ひとりぼっちのギャング」のジョニークール役で知られるHenry Silva(ヘンリー・シルヴァ)と共演した「Le marginal(パリ警視J)」などアクションやコメディ映画がワンサカ、ワンサカあります。 そしてジャン・ポール・ベルモンドは歳を重ねていき、51歳の1984年には娘のように若いSophie Marcea(ソフィー・マルソー)と「Joyeuses Pâques(恋にくちづけ)」などで共演しました。 もっともそのソフィー・マルソーは1986年に「Descente aux enfers(地獄に堕ちて)」で当時40歳のClaude Brasseur(クロード・ブラッスール)と夫婦役を演じています。 ヤレヤレ!(ブラッスールとは1980年にも「ラ・ブーム」で浮気者のパパと娘として共演)
Classe tous Risques DVD
私が映画館で初めて観たジャン・ポール・ベルモンドとリノ・バンチェラのフィルム・ノワール映画はGeorges Delerue(ジョルジュ・ドリュー)が音楽を手がけた「 Classe tous Risques(墓場なき野郎ども)」でした。
2006年発売のDVD
墓場なき野郎ども
上記の画像は2002年原語版墓場なき野郎どものDVDです。
2005年発売の「いぬ」と抱き合わせDVD 「墓場なき野郎ども/いぬ」もあります。
ヴィヴラフォンを取り入れたPaul Misraki(ミスラキ)のテーマ曲(Slow pour Vibraphone)がオープニングの「いぬ」単品DVDはいぬ (ユニバーサル・セレクション2008年第12弾)【初回生産限定】
☆私が購入したのは2005年発売の「J’Irai Cracher Sur Vos Tombes(墓にツバをかけろ)との抱き合わせDVDは「墓場なき野郎ども/墓にツバをかけろ」です。
英語のタイトルは「I Spit on Your Grave」という1959年の映画「墓にツバをかけろ」のテーマ曲はアラン・ゴラゲールの”Blues de Memphis(褐色のブルース)”です。
「墓にツバをかけろ」についてはAudio-Visual Trivia 内のエドゥアール・モリナロ Edouard Molinaro
私のお勧めのシャブロル監督のミステリー映画「À Double Tour(二重の鍵)」(ASIN: B0063AX3GY)の日本語字幕版は一度ヴィンテージ価格となりました。 Amazon.comにPALではなくNTSCですがRegion 1のフランス語英語字幕の「A Double Tour (1959)」(ASIN: B000BT994S)が販売されています。
Pierrot le Fou DVD
ジャン・リュック・ゴダール監督は最高潮! だけど当時劇場で観た私には「何、これ!」と理解できない「気狂いピエロ」の日本語字幕版DVD(2005年)でしたが入手困難となりリンクは2012年版になっています。 今なら誰も理解できないなんて言わないかも。 ちなみにパーティーのシーンでアメリカ人のサミュエル・フラー監督が自身の役でカメオ出演しています。
気狂いピエロ DVD
Pierrot Le Fou/Weekend Soundtrack
日本で2001年にリリースされたレアもの「気狂いピエロ」のサウンドトラックはAntoine Duhamel (アントワーヌ・デュアメル)の映画音楽デビューです。 デュアメルは1969年の「暗くなるまでこの恋を」などフランソワ・トリュフォーやジャン・リュック・ゴダール監督作品の音楽を担当しています。
気狂いピエロ/ウィークエンド ― オリジナル・サウンドトラック
2007年発売のアントワーヌ・デュアメル音楽「気狂いピエロ/ウィークエンド ― オリジナル・サウンドトラック」(ASIN: B000NDFKZO)もあり。
♪ 試聴はPierrot le fou – Week-end – Archive.org
La Sirène du Mississippi
画像は2006年に発売された「暗くなるまでこの恋を (スタジオ・クラシック・シリーズ)」のDVDですが現在は入手困難です。
暗くなるまでこの恋を (ASIN: B000B84NIG)
アメリカのジャズエイジの作家であるWilliam Irish(ウィリアム・アイリッシュ)の小説「Waltz into Darkness(暗闇へのワルツ)」をフランソワ・トリュフォーが監督した1969年のフィルムノワール的な「暗くなるまでこの恋を」でジャン・ポール・ベルモンドはカトリーヌ・ドヌーヴと共演しました。 アメリカでは2001年にAntonio Banderas(アントニオ・バンデラス)とAngelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)の共演で同じ原作がウィリアム・アイリッシュの小説「暗闇へのワルツ」である「Original Sin(ポワゾン)」として映画化されましたが、ベルモンドの方が哀れを誘います。
☆映画の詳細はAudio-Visual Trivia内の「フランソワ・トリュフォー」
下記の画像はフランスの元祖スタントマン!「リオの男」の海外版ビデオですが国内版ともに入手困難となりました。
That Man From Rio / Movie
Universal Jazz FranceがリリースしたPhilippe De Broca(フィリップ・ド・ブロカ )映画のコンピレーション2枚組ジョルジュ・ドルリュー・コレクションCDで「リオの男」からはたった3曲のみ収録されたため「幻」といわれる1963年初盤サウンドトラックは「Universal France 980 988-4」
曲目はBatucada Générique、A La Poursuite De Catalan、Adrien Dufourquet Attaqueなどです。
2021年に88歳で逝去したジャンポール、天国まで追っかけせねば。
Film noir
フィルム・ノワールとはフランス語で”黒い映画”という意味ですが、1940年代後期から1950年代のハリウッド映画の中でも犯罪ものを指します。 1930年代のアメリカの恐慌時代に始まった道徳的には如何わしくてセクシーな刺激を強調したハードボイルド映画に端を発しているそうです。