青いドレスの女 Devil In A Blue Dress (1995)

Devil In A Blue Dress DVD
Devil In A Blue Dress DVD
Denzel Washington as Easy Rawlins in Devil In A Blue Dress (1995)

Walter Mosley’s Devil in a Blue Dress
1990年に書かれた黒人推理小説家のWalter Mosley(ウォルター・モズリイ又はウォルター・モズレイ)が書いたハードボイルドな「Devil in a Blue Dress(ブルー・ドレスの女)」が映画の原作で、この映画「青いドレスの女」がモズレイ作品の初の映画化だそうです。 監督はTV界出身でモズレイのファンであるCarl Franklin(カール・フランクリン)がモズレイを共同プロデューサーとして迎え、脚本も手掛けたフィルム・ノワールです。 映画は1948年の戦後のロサンゼルスを舞台に謎を解いていくのが貧しいが誇り高き黒人のEasy Rawlins(イージー・ローリング)ですが、えらく白人にコンプレックスを感じています。 カール・フランクリンは2003年にも同じくDenzel Washington(デンゼル・ワシントン)主演ですが何気にチープなサスペンス映画の「Out of Time(タイムリミット)」を監督しています。 「The Sixth Sense(シックス・センス)」、「Night and the City(ナイト・アンド・ザ・シティ)」、「The Silence of the Lambs(羊たちの沈黙)」などでも定評のあるTak Fujimoto(タク・フジモト)による撮影で甦った戦後のノスタルジックなロスの描写もこの映画の呼び物の一つです。 タク・フジモト氏は1991年に「羊たちの沈黙」で英国アカデミー賞の撮影賞、「青いドレスの女」で1995年の全米批評家協会賞の撮影賞を受賞しています。 ドン・チードルはLA批評家協会賞の助演男優賞を受賞しました。 テキサスはヒューストンからロスにやって来たイージー・ローリングが金のためにニワカ探偵を引き受けたことにより殺人事件に巻き込まれるというサスペンス映画ですが、誰が犯人かというよりもなぜそうしたかという犯罪の動機を解明した推理映画だそうです。 戦後のロスで黒人が臭い飯を食わずに探偵業を全うするなんて至難の業、LAの市長選挙が絡んだ汚い裏の世界にイージーに足を踏み込んでしまったイージー探偵はどうなるでしょう。 イージーが心を奪われた美しい謎のヒロインとの禁じられた恋は成就するでしょうか。 ともかくハードボイルドなデンゼル・ワシントンとセクシーなJennifer Beals(ジェニファー・ビールス)と1940年代後期ロサンゼルスを堪能することができます。 そうそうレトロな自動車もたくさん。

「青いドレスの女」の主人公はいつもクールなデンゼル・ワシントンが演じるEzekiel ‘Easy’ Rawlins(イージー・ローリング)です。 そして、イージー・ローリングのテキサスの幼馴染みでちょいと可笑しな(オカシな)Mouse Alexander(マウス・アレキサンダー)をDon Cheadle(ドン・チードル)が演じ、1993年の「Striking Distance(スリー・リバーズ)」で気の触れた従兄弟のジミーの兄であるダニーを演じたトム・サイズモアが依頼人のDeWitt Albright(ドゥウィット・オルブライト)、1983年のFlashdance(フラッシュダンス)に出演したジェニファー・ビールスが青いドレスを着たバイレイシャル(黒人と白人)のダフネ役で出演する他、人気TVシリーズのAlly MacBeal(アリーmyLove)でルームメイトのRenee Radick(レネ)役だったムチムチのLisa Nicole Carson(リサ・ニコル・カーソン)がダフネの女友達というCoretta(コレッタ)を演じデンゼルと激しく絡みます。

Devil In A Blue Dress (1995) Synopsis
「青いドレスの女」のあらすじ

以下のストーリーには驚くべき結末も書かれているのでこれからビデオをご覧になる方は読まない方が楽しめます。
映画のオープニングはアメリカ南部を表現したような青を基調としたPablo Ferro(パブロ・フェロ)の手描きのタイトル・デザインをバックにクレジットが流れるなか、私の大好きなシカゴブルースのT-Bone Walker(T ボーン・ウォーカー)が歌う”West Side Baby”で始まります。 きっと素晴らしい映画だろうと冒頭から期待がいっぱい。 タイトルデザインと同じようにロスの町の風景で映画は始まり、原作通りにイージーのナレーションで物語が進行(回想されて)していきます。 回想だからか画面が時々セピアになります。 舞台はロスアンジェルスですが登場人物の多くは戦後に南部からやって来た黒人たちです。
Devil In A Blue Dress Opening Credit – YouTube
T-Bone Walker – West Side Baby – YouTube
第二次世界大戦が終って数年経過、時はロス市長選挙の行われる1948年の夏、機械修理工として働いていた飛行機工場で過剰勤務を拒否したことにより一時解雇となったイージーは戦時中は英雄でも黒人であるためになかなか仕事が見つからなくて家のローンも払えず困っていた。 イージーのヒューストン時代からの古い知り合いで元ボクサーというJoppy(ジョッピー)が経営するもぐりの黒人酒場で飲んでいたところ、ジョッピーの知人だという清潔そうな白い麻スーツにパナマ帽の白人男のドゥウィット・オルブライトを紹介された。 南部訛りのある大男のオルブライトは仕事をくれるというが、カンジの悪い男だった。 ジョッピーはしきりにイージーを売り込んでいる。 イージーは家を手放したくないばかりに元弁護士で今は人助けの仕事をしているというオルブライトに言われた通りに翌日の夜にオフィスを訪ねた。 もっともらしくもなんだかあいまいな話だが、市長選で人気のあったTodd Carter(カーター)のフィアンセだという白人女のDaphne Monet(ダフネ)が3万ドル(当時の300万円か)という大金を持ち逃げして消息不明なので、探してくれとイージーに100ドル(当時の2万円弱)を手渡したオルブライト。 ロスのジャズ・クラブやナイトクラブの常連だというそのダフネは黒人が好みだというから色男の黒人のイージーにお鉢がまわってきたのでしょうか。 新聞記事でカーターと手をつないだ美しいダフネの写真を見ながら、探偵なんてやったことはないイージーでしたが数ヶ月分のローン支払いに相当する金額に引かれて承諾したのがこの後の厄介な出来事の始まりでした。

場面変わって音楽はSpecialty Recordsの創設者でR&B歌手のRoy Milton(ロイ・ミルトン)が歌う”Hop, Skip and Jump”が流れるなか、バリっとスーツを着こなしたイージーが小さな雑貨屋の壁裏にある南部人(黒人)に人気のもぐり酒場(ジャズクラブ)に入っていく。 この”John’s place”に情報を得に行ったところ、テキサス同窓会のように古い知り合い(黒人)がたむろっていた。 Hoy Hoy Hop!
♪ Roy Milton – Hop, Skip and Jump (1948)
物静かで信心深いOdell Jones(ジョーンズ)やDegan Odell(ディーガン)やカウボーイハットをかぶった元同僚のDupree(デュプリー)とその連れのセクシーな黒人女のCoretta James(コレッタ)、その中でも今はCentral clubの用心棒になったJunior Fornay(ジュニア)というのは酔っ払い同士の喧嘩だったが以前にマウスが止めなければイージーが殺されていたかもしれなかったという経緯がある人物。 この時この酒場にイージーが入る前にジュニアと一騒ぎ起こしていた白人男が後に殺される客引きのRichard McGee(マッギー)、これは早めのネタバレ。
時間も経ち飲み疲れ、T ボーン・ウォーカーに傾倒したウエストコーストのPee Wee Crayton(ピー・ウィー・クレイトン)が演奏する1948年のヒット曲だった気だるい”Blues After Hours”が流れる頃、イージーは帰ろうとしたが酔いつぶれちゃっているデュプリーを彼のアパートまで背負っていくことになった。 デュプリーが高いびきの最中に悪いと思いながらもコレッタに誘惑されて激しい情事を体験したイージーでした。 ともかくダフネの女友達というコレッタからダフネは以前に黒人のFrank Green(フランク)と一緒に住んでいたことを聞き出し、コレッタはちょいとお礼を弾めばダフネと連絡を取ってくれるとも言った。
Pee Wee Crayton – Blues After Hours (1948) -YouTube

一夜が明けたらイージーは爽やかにお庭の手入れ、小さな家に大きな植木をせっせと庭に埋め込んで、果物がどっさりなるといいな。 白人並みになろうとやっと手に入れたこのささやかだけど素敵な家は絶対手放したくないイージーです。 部屋は三つしかないとはいえ、家にある食いものはパンだけとはいえ、こ家のローンが2ヶ月滞納になっているとはいえ、この時代の黒人と言う設定にしては、イージーは高級な真っ白いランニングシャツを身に付け、いざという場合にはバリッとした背広を着用、なんとこの時代にお洒落な黒電話も所有しているというリッチさなのです。 私は半世紀も昔ですが、映画のなかで貧しいスラム街の黒人という設定なのにお湯のシャワーを浴びている映像をを見て、風呂では柄杓で上がり湯をかける日本に住む私はスラム以下であると確信したもんでした。

ポストを覗いたイージーはヒューストンに住む友達のマウスから手紙を見つけた。 イージーと違って白人の作った法には無頓着な超過激男のマウスは浮気がバレて奥さんからおっぽり出されたらしくイージーを頼ってロスアンジェルスに来たいというのだ。 ともかく数年前にマウスが相続のことで義理の父親を撃つのを止められなかったばかりか分け前まで受け取ったことに気が咎めていたのでなんとなく会うのは怖い気もした。 拒絶の感は否めないものの、マウスはちょっとは銃の扱い方を心得ているから助っ人になるかもしれないと思った。 本人は早撃ちが自慢だと豪語しているのだが思ったよりマウスは銃の扱い方を間違っているようなのだが。 戦時中イージーは必要悪で敵を殺したがマウスは金とスリルのために殺すヤカラなのだ。 こんな正反対の性格なのになんで親友なんだ。
Mouse played by Don Cheadle in Devil In A Blue Dress – YouTube

オルブライトが電話で指示した待ち合わせ場所のMalibu pier(Santa Monica 桟橋)は白人地域の界隈にある。 Fishermen’s Pier Restaurant(漁夫の桟橋レストラン)が見える場所に来た時、懸念した通りイージーは絡んできた黒人嫌いの白人の若いチンピラが因縁をつけてきたのでなんとか上手く治めようとしたが、突然暗がりから銃を片手にオルブライトが現れた。 「てめえの脳みそが見たいのさ」と若者の頭に銃をつきつけ暴行を働くオルブライトの狂気の沙汰に呆気に取られるイージーだった。 こりゃ天の助けにしちゃ手荒い。(その若者は多分射殺された)
イージーは昼ごろに家に戻ったがロス市警の殺人課の刑事に逮捕されてしまう。 なぜか訳も分らずに連行され今朝の5時のアリバイを聞かれる。 申し開きをすれば二人の刑事に謂れの無い暴力をふられロス市警の留置所に入れられるも証拠不十分で釈放、どうやら一夜を共にしたコレッタが何者かに撲殺されたらしい。 それにしてもよく映画で取り上げられるがロス市警の手荒な取調べは言語道断、暴動が起こって当然。 夜道をJohn’s placeへ向かっているとイージーに黒塗りのキャデラックが近づいてきた。 運転手付きの高級車の中の人物は市長選挙では候補者としてカーターと争っていたがかなわぬと分り下りた富豪のテレルだった。
このシーンのBGMがなぜか1930年にLucienne Boyer(リュシエンヌ・ボワイエ)が歌ったシャンソンの”Parlez-moi d’amour(聞かせてよ愛の言葉を)”
稚児らしき少年を同乗させていた男色(ペドフィリア)のテレルはいろいろと情報通だったがイージーにダフネのことを聞いた。 臭い金をくれるというのを断ってイージーは車を降りて家に戻ったところ、驚いたことにダフネから電話がかかってきたのだ。 ニューオリンズからやって来たからか気取ってフランス語のアクセントで言った、「私はダフネよ、探しているんでしょう。 コレッタから聞いたわ」 イージーはダフネが教えたホテルに彼女を訪ねた。 部屋には煙草を燻らせながら”青いドレスの女”が輝くように立っていた。 新聞で見た写真よりずっと美しい。 このシーンではあまりにも魅惑的なダフネに半ば呆然としたイージーの心を代弁するかのようにDuke Ellington(デューク・エリントン)の1947年のロマンチックな”Maybe I Should Change My Ways”が流れます。
Duke Ellington – Maybe I Should Change My Ways (The Columbia Years) – Amazon.com (MP3 Download)
コレッタは親友だったと言うダフネに「親友が秘密を漏らすか?」と反論したイージーでしたが、それもそのはず、被害者だと思われたコレッタは実は強請り屋だったのだ。 ダフネは自分とカーターに致命的なな情報を持っている元恋人のマッギーに会いに行きたいとイージーに頼んだ。 お礼はするというので金に弱いイージーはダフネに同行するが、この人種差別のご時世に、しかも真夜中(じきに明け方)、白人の女を隣に乗せて車を走らせるイージーは白人に見つかれば即リンチ!と気が気ではなかった。 ダフネの指示通りにハリウッド・ヒル行くと外には1台のハードトップの小型車(いや、コンバーチブルか? どっち?目がおかしくなった。 原作ではStudebakerが停車していて、家の中からは本来なら放映時間が終っている筈のテレビの音が聞えてきた。(これは何のヒントにもならない) しかし家中が荒らされマッギーはベッドで惨殺されていた。 死体の側に落ちていたのはメキシコ製の安煙草、Zapatas(サパタ)、あいつのだ。 あまりのことにショックを受けたのか、ダフネはあろうことかイージーを置き去りにして車(ハードトップ?コンバーチブル?)で走り去ってしまった。(なんてことすんの!) この事件でマッギーはコレットに次ぐ死者だ。 翌朝やっと家に戻ると見知らぬ車が外に停車している。 なんと自分の家にオルブライト一味が勝手に入っていたのだ。 今じゃ初期のオルブライトの慇懃な態度からはガラリと変わって、「なんでダフネの情報をよこさないんだ!」と銃口は突きつけるわ、ナイフで目を狙うわ、ギャング並みの手荒さでイージーにダフネのことを吐かせた。 殺されちゃ適わないから知っていることを全て話したイージーに、「よくやった。 今度はダフネの仲間のフランクを探せ。 そうすりゃお前の役目は終いだ」、なんて笑ってる場合じゃない。 イージーは既に二つの殺人事件に関係してしまったのだ。
イージーはオルブライトについて紹介者の酒場のジョッピーに聞くが「お前に仕事を探してやっただけ」と要領を得ない返答。 うむ、なにかが間違っているはず。 そこでイージーはダフネに去られたというカーターを会社に訪ねてダフネとオルブライトについて話す。 するとなんとオルブライトはテレルの手先でマッギーはゆすり屋で金持ちの小児性愛者(pedophile)に少年を斡旋(売買)するポン引きだったことが判明。 カーターから100万円(当時)の報酬でダフネ救出の仕事を請け負うことになった。 イージーはまずテレルのスキャンダルの証拠写真を持っているフランクを探しにクラブや酒場などを訪ねまわる。 酒やタバコのトラックを襲っては闇に流すギャングらしく黒装束のフランク。
かってイージーがジョッピーと行ったことがある犯罪者の溜まり場であるRicardo’s Pool Room(玉突き場)や売春宿でフランクを探してから自宅到着まで流れる曲はThelonious Monk(セロニアス・モンク)の”Round Midnight”

Easy Rawlins to become a P.I. (private detective)
出会った人々に危険な殺し屋のフランクのことを聞きだした二日間の探偵まがいの行動を終えてイージーが家に入ろうとすると、嗅ぎ回っている訳を知ろうと待ち伏せしていたフランク本人に襲われ、取っ組み合いの末、ナイフ使いのフランクに左首すじを切られそうになる。 あわやという時、フランクの後頭部に銃を突きつけたのがイージーを訪ねて来た10年ぶりのマウスだった。 今までいったいどんな奴なんだと散々気を持たせてきたマウスがここでやっと登場。 大変長らくお待たせしました。 マウスが来なけりゃイージーが死んで映画が終ってる。 銃を携帯している用心棒としては心強いが、加虐的でやたらに銃をぶっ放すマウス、この時も早まったマウスがフランクを撃とうとした途端に電話が鳴った。(セーフ!) 一旦銃をしまったかに見えた早撃ちマウスの銃が火を噴き肩を撃たれたフランクは逃亡してしまう。(アウト!) なんてこった!とマウスを怒るイージーも”左手”を挙げて「もうしません」と誓うマウスには笑うしかない。 なにしろ「酔っっぱらっているのか」と言っただけのイージーにさえ腹を立てて銃を突きつけるくらいです。(短銃は2丁所持) 誰も殺さない約束でイージーの相棒となったマウス。
そこに刑事がマッギー殺害の件でまだ話があるとやって来た。 まるで因縁をつけているような質問でイージーをしょっ引こうとする刑事に明日の朝まで待ってくれと言いマウスと共に真相究明に向かうイージー。 マギーの胸に刺さっていたナイフの指紋照合の結果イージーは当然のこと白だった。 依然マッギーと揉めていたジュニアを訪ねてマッギーを殺したことを吐かせようとするシーンのBGMはなんとあり得ないことに、伝説的ゴスペル・シンガーのRev. James Cleveland(ジェームス・クリーブランド師)が1962年に歌った”Peace Be Still“、どうやらタイムマシンらしい。
送って行っただけで俺は誰も殺してはいないと言い張るジュニアに証拠の煙草を示して事実を聞きだした。

この後イージーとマウスの凸凹探偵チームは愛人のコレッタを殺されて悲しんでいるデュプリーを訪ねます。 コレッタと同居していたデュプリーは何日もの拘留で取調べを受けたのだった。 「コレッタを殺した奴は絶対に殺してやる!」と息巻くデュプリーでしたがマウスが勧めるままに飲んで今回も高いびきで寝てしまう。 二人が寝こんでいる間にイージーはあの証拠写真でも出てくるかと家捜し。 「あった!」 先ほどデュプリーが話していたコレッタの聖書の中に挟んであったのはゆすりのネタになったテレルのスキャンダラスな写真でした。 このせいでコレッタもマッギーも死んだのだ。 マウスはテーブルに短銃のスミス&ウェッソンとコルト(?)を置いて寝ていたので、小さい方を掴むと一人自宅に戻った。 するとダフネが待っていた。 今回も青いドレスを着ているダフネ。 写真を見つけたことを知るとイージーに擦り寄った。(惜しむらくはここでのエロティックなラブシーンは監督の意向でカット、ってか監督が楽しんだだけか) 「写真は私のものよ」 フランクのことを警察に通報するぞとダフネを脅したところ、なんと驚いたことにフランクはダフネの恋人ではなかったことが判明。 コレット殺害の真犯人は元ボクサーのジョッピーの仕業だとダフネが明かす。(しゃべらないように脅すだけのつもりだったが) イージーの行きつけの酒場の主人であるジョッピーがオルブライトとつるんでいようとは。 政治家のカーターと結婚するはずだったダフネの秘密を掴んだテレルがカーターの失脚を狙ってダフネを脅迫していたのだ。 そのダフネもカーターのためにとテレルのスキャンダルの証拠を掴んでいた。 そんなことを話しているところにオルブライトとジョッピーたちが入って来る。 イージーは多勢に無勢で見事噂されてダフネは拉致されてしまった。 瀕死の重傷にも関わらず車を運転してダフネを探しにオルブライトの家に行こうとするハードボイルドなイージー。(ちょっとクサイ) 後を追ってきたマウスから銃を借り受けるとジョッピーの酒場に上がって行ったイージーはジョッピーを銃で脅して車に乗せ一味のアジトを聞き出す。 しかし運転しているマウスはジョピーがコレットを殺した張本人と聞いて突然振り向き銃をぶっ放したから危うく上手い儲け話がふいになるとこだった。(セーフ!) イージーがダフネが証拠写真に7千ドル(当時で70万円)も払うと言ったと話してやっとで銃を納めたマウス。 隠れ家に到着、闇夜奇襲攻撃決行。 窓からダフネの助けを求める声が漏れてくる。(原作では全裸) 写真はどこだ?金はどこだ?と攻められている様子。 焼けた暖炉の火を掻き棒をダフネに押し付けようとした時、窓を割ってイージーが盲撃ち。 重症なんてどこ吹く風のイージーだがなにしろダフネが人質。 そこに早撃ち名人のマウス登場! ヒューヒュー!! 悪漢オルブライトは息絶えた。 やはりマウスは銃の扱い方を知っていた恐怖で歯の根も合わぬダフネを抱えて車に着くと居るはずのジョッピーの姿がみえない。 「あそこ」とマウス指さす方をみれば地面に転がっている。(アウト!) 「なんで?」と聞くイージーにマウスが答えた。 「撃つなって言っただろ、な。 だから、絞めた。 殺すなってんなら俺と一緒に置いとくなよ」 ドン・チードルが演じるマウスのキャラが凄いインパクト。 このキャラ、このままで終らせたくない。

ダフネの謎もダフネとフランクの関係も明らかになった今、イージーはダフネをフランクのアパートまで送って行きます。(原作ではフランクはマウスに撃たれた) ダフネはロスを去ったが、証拠写真のおかげでテレルのスキャンダルを握ったカーターの市長の椅子は安泰。 まだ人種差別の激しかった時代だし、本当に愛しているとは言ってもやはりカーターはダフネよりも市長を選択した。 途方も無く巨額の報酬を得たイージーは本物の私立探偵事務所を開設してめでたし、めでたし。 エレガントで詰めの甘いハードボイルド映画でしたが充分に楽しめました。(特にマウス!) しかし、暴露されたダフネの胸糞の悪くなるような実の父親からの虐待はなんとも哀れな境遇で、ふとRoman Polanski(ロマン・ポランスキー)が監督した1974年の映画「Chinatown(チャイナタウン)」のヒロインを思い浮かべました。
エンディングの音楽はLloyd Glenn(ロイド・グレン)が演奏するスウィンギーな”Chica Boo”です。 ロイド・グレンは1920年代から活動して
いるR&Bのピアニストで1947年のT ボーン・ウォーカーの有名なアルバム「Call It Stormy Monday」(ASIN: B000FKO0VU)にテナーサックス奏者のJack McVea(ジャック・マクヴィ)と参加、又1960年のB. B. King(BBキング)の「My Kind Of Blues」(ASIN: B00008RH91)の吹き込みに参加しています。
Lloyd Glenn – Chica Boo – YouTube

Mouse Alexander
ところで、ドン・チードルが演じたイージーの相棒の”マウス・アレキサンダー”という役名ですが、教科書に取り上げられている有名な「Swimmy(スイミー)」などの児童文学の著者であるLeo Lionni(レオ・レオニ)が友情について書いた1969年の4部作「Frederick and His Friends(フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし)」の中の「Alexander and the Wind-Up Mouse(アレクサンダとぜんまいねずみ)」に由来しているのでしょうか? キイスのアルジャーノンは関係ありやなしや? 関係してるならば”IQ”つながりでトラボルタの「フェノミナン」の方かも。
多くの映画でユニークな役を演じているドン・チードルですがこれまでアカデミー賞を受賞したことがなく、2004年の「ルワンダ」が主演男優賞にノミネートされたのですが、唯一「青いドレスの女」が全米批評家協会賞とLA批評家協会賞で助演男優賞に輝いたのです。 「青いドレスの女」の後、1997年の「Boogie Nights(ブギーナイツ)」、2007年の「Reign Over Me(再会の街で)」そして2010年には「Iron Man 2(アイアンマン2)」でトニー・スタークの味方である空軍中佐のローディを演じています。

Pablo Ferro
映画のタイトル・デザインを手掛けるキューバ出身のグラフィック・デザイナーのパブロ・フェロは移住先のニューヨークで1950年代からアニメーションを手掛けました。 パブロ・フェロが制作したCMを見たロリータを監督したStanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)に請われて1964年の「Dr. Strangelove Or: How I Learned To Stop Worrying And Love The Bomb(博士の異常な愛情)」の予告編でクィックカット手法と呼ばれる手描きのタイトルデザイン(レタリング)を手掛けたのが最初の映画の仕事だったそうですが、1971年にもキューブリック監督のA Clockwork Orange(時計じかけのオレンジ)、1993年の「Addams Family Values(アダムス・ファミリー2)」、1997年の「L.A. Confidential(L.A.コンフィデンシャル)、2004年の「Napoleon Dynamite(ナポレオン・ダイナマイト/バス男)」やデンゼル・ワシントンがベン・マルコ少佐を演じた2004年の「The Manchurian Candidate(クライシス・オブ・アメリカ)」などたくさんのタイトルを手掛けて、50年代と60年代にたくさんの映画タイトルデザインを手掛けたSaul Bass(ソウル・バス)の後に活躍しました。
Pablo Ferro’s Title Graphics – YouTube

video「青いドレスの女」のトレーラーはDevil In A Blue Dress Trailer – VideoDetective (宣伝あり)
「青いドレスの女」の写真が見られるIl diavolo in blu Photos – FILM.TV.IT

Denzel Washington
「青いドレスの女」で探偵のイージー・ローリングを演じた神々しいほどエレガントなデンゼル・ワシントンは、科学的に分析すると最も美しい顔なんだそうです。 John Coltrane(ジョン・コルトレーン)の”A Love Supreme(至上の愛)”が使用された1990年のモダンジャズ映画「Mo’ Better Blues(モ’・ベター・ブルース)」はジャズ好きのSpike Lee(スパイク・リー)が監督及びマネージャー役で出演していますが、デンゼル・ワシントンは天才肌のトランペッターを演じて「Rising Sun(ライジング・サン)」のWesley Snipes(ウェズリー・スナイプス)や賭博の胴元役のSamuel L. Jackson(サミュエル・L・ジャクソン)と共演しました。 映画ではデンゼル・ワシントンがトランペッターのブリーク・ギリアムを演じますがステージ上でのラップが愉快です。

1992年には同じくスパイク・リー監督の「Malcolm X(マルコムX)」では黒人解放運動のリーダーを演じたものの惜しくもアカデミー受賞は逃しました。 1993年の「The Pelican Brief(ペリカン文書)」で魅惑的な新聞記者役でした。 しかし、2001年のサスペンス「Training Day(トレーニング・デイ)」の悪役”Alonzo(アロンゾ)”の名演により、1963年のSidney Poitier(シドニー・ポワチエ)以来二人目の黒人でアカデミー主演賞を受賞した俳優です。
舞台出身のデンゼル・ワシントンは1981年に「Carbon Copy(ハロー、ダディ!)」で映画デビューして以来常に話題の社会派作品で注目を集めています。 美貌、知性的、正義感の固まり、スポーツ万能のような強靭な肉体、そしてトランペットも吹く感性の持ち主はクールな男の理想像でしょう。 他に代表作として最も怒りを感じる映画とされる1987年の「Cry Freedom(遠い夜明け)」、1993年の「The Pelican Brief(ペリカン文書)」、実話を元にした1999年の「The Hurricane(ザ・ハリケーン)」では冤罪で投獄され終身刑を宣告されたウェルター級チャンピオンを演じました。 そして2006年の「Inside Man(インサイド・マン)」などがあり、デンゼル・ワシントンが敏腕な捜査能力をかわれてFBIの特別捜査班に協力しフェリー爆破事件を捜査するATF(The Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives)のダグを演じる「Déjà Vu(デジャヴ)」の監視システムのタイムウィンドウや過去にも戻れるタイムトラベルは実在すれば素晴らしいのに。 この後も2010年に「Unstoppable(アンストッパブル)」、2012年にはRobert Zemeckis(ロバート・ゼメキス)監督の「Flight (フライト)」で敏腕弁護士役のドン・チードルと共演するなど留まる所を知らぬ活躍ぶりです。 この「フライト」ではアルコール依存症に苦しむ機長が飲酒を隠蔽するために事故を機体整備のミスと訴えるものの裁判の終盤で全てを暴露し刑に服す物語です。 2012年のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

いつも良い人のデンゼルが最後の最後まで悪だったので驚いた映画はロスの伝説的麻薬捜査官を演じた2001年の「トレーニング・デイ」でアカデミー賞の主演男優賞を獲得しました。 これは1989年の「グローリー」での助演男優賞から2度目のアカデミー賞となります。(意外と受賞が少ないデンゼルです)
「トレーニングデイ…全く何て日だぁ!」 ところでデンゼル・ワシントンがBenicio Del Toro(ベニチオ・デル・トロ)と共演した2007年の映画「American Gangster (アメリカン・ギャングスター)」の原作は、Steven Soderberg(スティーブン・ソダーバーグ)が監督した2009年の「The Girlfriend Experience(ガールフレンド・エクスペリエンス)」に俳優として出演した小説家のMark Jacobson(マーク・ジェイコブスン)がアメリカの大手誌「New York Magazine(ニューヨーク)」に掲載した記事「Tru Blu」だそうで、「Super Fly(スーパーフライ)」同様に70年代のハーレムの麻薬王について書かれているそうです。
☆New York(ニューヨーク誌)のThe Return of Superfly by Mark Jacobson(英語のサイト)
マーク・ジェイコブスンは「ニューヨーク誌」の2006年年3月27日号に「The Ground Zero Grassy Knoll(Grassy Knollからのゼロ地点)」を特集して9.11事件の陰謀論に迫り話題を呼んでいます。
同じくNew York誌のThe Ground Zero Grassy Knoll by Mark Jacobson

Jennifer Beals’ Flashdance (1983)
ジェニファー・ビールスといえば1983年の「フラッシュダンス」! ヒロインの衣裳のレッグワーマーやエリを大きくカットしたスエットシャツ・スタイルでも有名になった80年代を代表するダンス・サクセス映画「Flashdance(フレッシュダンス)」は1997年のリメイク版「ロリータ」と同じくAdrian Lyne(エイドリアン・ライン)の監督です。 ジェニファービールスがヒロインのAlex Owens(アレックス・オウエンス)を演じて一躍人気スターとなりました。 異色な出演作品としては黒人に見えるジェニファー・ビールスが妖艶なバンパイヤのレイチェルを演じた1988年の「Vampire’s Kiss(バンパイア・キッス)」ですが、出版社役員のピーター役で主演したNicolas Coppola(ニコラス・ケイジ)がゴキブリを捕まえて本当に食べるシーンがあります。
オスカーを受賞した「Frashdance(フラッシュダンス)」のテーマ曲である”What A Feeling'”はIrene Cara(アイリーン・キャラ)が歌いました。(2022年に63歳で逝去) ”First when there’s nothing…”と歌われるWhat A Feeling’の歌詞はThe Irene Cara Lyrics – Flashdance – Oldielyrics.com

黒人とアイルランド系アメリカ人との間に生まれたエキゾティックな女優のジェニファー・ビールスは日本のソニーのテレビ・コマーシャルにも出演したことがあるそうです。 「青いドレスの女」ではセクシーでしたが、同年1995年にはコメディの「Four Rooms(フォールームス)」にも出演しました。 オムニバス映画の第2話「The Wrong Man(ROOM 404 間違えられた男)」と第4話の「The Man From Hollywood(ペントハウス ハリウッドから来た男)」で美人のアンジェラを演じました。 現在は「青いドレスの女」よりもっとセクシーなLA在住のレズとストレートの女性グループを描いたテレビ・シリーズ 「The L Word(Lの世界)」でLaurel Holloman(ローレル・ホロマン)とレズカップルとして出演しているそうです。  かってはサラ・ジェシカ・パーカーが主演した1998年~2004年の「Sex And The City(セックス・アンド・ザ・シティ)」のようにヒットとなるでしょうか。
「Lの世界」に出演するファッショナブルなジェニファー・ビールスの美しい(無難な)17枚の写真が見られるJennifer Beals Photos – Yahoo! TV(next photoをクリック)
貴方をエル(レズ)の世界に招く本は「The L Word: Welcome to Our Planet」(ISBN-10: 0743291336)の英語版ペーペーバックが見つかります。 貴方をエル(レズ)の世界に招くサントラは「The L Word」(ASIN: B001MW0IYS)でシーズン別があります。  OST(オリジナルサウンドトラック)のThe L Word Theme(メインテーマ曲)は脚本も担当しているElizabeth Ziff(エリザベス・ジフ)の作曲でBETTY(誰?)が歌っているそうですが、Connie Francis(コニー・フランシス)の”Everybody’s Somebody’s Fool”やElla Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)の歌う”Let’s Do It”など意味シンな曲を収録しています。

Devil In A Blue Dress DVD
ページトップの画像は200年にリリースされた日本語字幕版のDVDです。(カラー) 下記は2010年にリリースされた日本語字幕版の「青いドレスの女」のDVD(カラー)です。
devil2.jpg青いドレスの女


Devil In A Blue Dress Soundtrack by Elmer Bernstein
Devil In A Blue Dress: Music From The Motion Picture CD (ASIN: B000002B1D)
「青いドレスの女」では「The Man with the Golden Arm(黄金の腕)」や1963年の「The Great Escape(大脱走 )」やBabe Ruth(ザ・ベーブ 夢を生きた男)などのテーマで有名な映画音楽の巨匠であるElmer Bernstein(エルマー・バーンスタイン)の美しい音楽が使用されています。 1995年にリリースされたOST(オリジナル・サントラ)の「Devil in a Blue Dress」は、50~60年代の私の好きなジャズやブルースの曲がいっぱいです。 イントロがちょっとコミカルなデューク・エリントンの”Hy-Ah-Su(Hy’a Sue)”やThelonious MonkのRound Midnightなどがサウンドトラックに収録されていますが、勿論3曲の映画テーマ曲はバーンスタインの作曲です。
♪ 試聴はDevil In A Blue Dress Soundtrack – Soundtrack.net

舞台が南部の映画「青いドレスの女」のサウンドトラックに収録されている曲はT ボーン・ウォーカーの”West Side Baby”、Jimmy Witherspoon( ジミー・ウィザースプーン)の”Ain’t Nobody’s Business”、Wynonie Harris(ワイノニー・ハリス)でお馴染みの”Good Rockin’ Tonight”をBrian O’Neal(ブライアン・オニール)で、Memphis Slim(メンフィス・スリム)の”Messin’ Around”などなどブルースがいっぱいです!
ちなみにT ボーン・ウォーカーの”West Side Baby”は「 The Complete Capitol / Black & White Recordings」や「The Complete 1949 Black & White Sessions & Imperial Masters」(ASIN: B000002TQK)などに収録されていますがMP3アルバムの「Stormy Monday (The Complete 1949 Black & White Sessions & Imperial Masters)」(ASIN: B006QT2142)や「T-Bone Walker Selected Favorites, Vol. 6」(ASIN: B00568GD0M)などにも収録されています。
T-Bone Walker – West Side Baby – Amazon.co.jp (MP3 Download)
Memphis Slim – Messin’ Around (Greatest Blues Masters) – Amazon.co.jp (MP3 Download)
Devil In A Blue Dress - Original Motion Picture Soundtrack
上の画像はブルース・レーベルのNight Train(Int’l)がリリースしたサントラの「Music from & Inspired By Devil in a Blue Dress」です。 映画で使用されたAmos Milburn(エイモス・ミルバーン)の”Chicken Shack Boogie”は収録されていません。(1948年のBewilderedがとてもセクシーなRandB歌手でBad, Bad, WhiskeyやOne Scotch, One Bourbon, One Beerなど酒がらみの歌が多い)
Jimmy WitherspoonのAin’t Nobody’s Business (part 1)、Johnny OtisのPoor Man Blues、Percy MayfieldのHow Wrong Can a Good Man Be、Ray Charles(レイ・チャールズ)のI’ll Do Anything But Workなどのブルースが収録された映画「青いドレスの女」にちなんだアルバムです。
♪ 試聴はMusic From And Inspired By the Motion Picture ‘Devil in a Blue Dress’ – Qobuz.com
Amos Milburn – Chicken Shack Boogie – YouTube

Devil with the Blue Dress
映画「青いドレスの女」とは無関係ですが、ものは次いでで”Devil In A Blue Dress”に似たタイトルの曲があります。 ダイアの指輪やシャネルの5番を付けた青いドレスを着た素敵な女を歌った”Devil With The Blue Dress On”というR&B曲のオリジナルは1964年にシンガーソングライターのFrederick “Shorty” Long(ショーティー・ロング)とMotownのプロデューサーだったMickey (William) Stevenson(ウィリアムス・ミッキー・スティーブンソン)が作ったそうです。
Shorty Long – Devil With The Blue Dress On – YouTube

Home of Funk, Soul, Hip Hop, Blues, Jazz, and New Orleans Music and Sounds.
これも物は次いで、The Tuff City Music Groupの「Night Train International」は未発表、レア、マイナーなブルース、ジャズ、R & Bをリリースしているブルース・ファンには名の知れたレーベルらしいです。

Mystery Novels by Walter Mosley
ウォルター・モズリイのミステリー小説の「Easy Rawlins(イージー・ローリング)」ミステリ・シリーズの第一作目である「Devil in a Blue Dress(ブルー・ドレスの女)」(英語)は中身が覗けます。
Walter Mosley's Devil in a Blue Dress - PaperbackDevil in a Blue Dress (Five Star)
こちらも画像クリックで本の内容が見られるDevil in a Blue Dress: An Easy Rawlins Mystery (Easy Rawlins Mysteries (Paperback))
“黒人”のイージーがバーで白い麻スーツにパナマ帽の”白人”と出あう場面からこの物語りは始まります。 映画のように奇麗事では済まされない実におぞましい内容で、ダフネの白人の父親との関係、フランクとダフネの関係、幼児虐待の事実が全て書かれています。

ウォルター・モズリイの20編以上のミステリ小説の内、「ブルー・ドレスの女」の続編としてカラーがキーワードとなる私立探偵「イージー・ローリング」シリーズがAmazon.co.jpの洋書にあり全て中身がちょっと読めます。
1991年の「A Red Death(赤い罠)」(ISBN-10: 0330321153)
1992年の「White Butterfly (Mask Noir S.)(ホワイト・バタフライ)」(ISBN-10: 0330330535)
1994年の「Black Betty (Mask Noir S.)(ブラック・ベティ)」(ISBN-10: 0330334719)
1996年の「A Little Yellow Dog: An Easy Rawlins Mystery (Easy Rawlins Mysteries (Paperback))(イエロードッグ・ブルース)(ISBN-10: 0330334727)と続きます。(アマゾンで検索する場合はISBN-10:の部分を外して)

日本語翻訳本は「ブルー・ドレスの女」(ISBN-10: 4151702512)、「赤い罠」(ISBN-10: 4151702520)、「ホワイト・バタフライ」(ISBN-10: 4152079096)、「ブラック・ベティ」(ISBN-10: 4152079894)、「イエロードッグ・ブルース」(ISBN-10: 4152081856)ですが殆ど入手困難です。

The Bone Collector by Jeffery Deaver
デンゼル・ワシントンが事故で全身麻痺となった元刑事を演じ強力な右腕となる女警官をAngelina Jolie(アンジェリーナ・ジョリー)が演じたサスペンス映画に1999年の「The Bone Collector (ボーン・コレクター)」があります。 残虐なシーンが多いのでレイトはPG-12となったそうですが、肝心な主人公は終始ベッドの上で青少年科の女警官が現場で証拠集めをします。 挿絵入り古書の「The Bone Collector」がカギとなって謎が解けていくのですがこれにたどり着くのに時間がかかり犠牲者が殺されていきます。 なんと最後の標的は寝たきりの元刑事でした。 これまで犯人が残した証拠から班員を限定できなかった無能さを証明したかったと最後に6年間刑務所暮らしをした元警官の犯人から聴かされます。
映画「ボーン・コレクター」の原作は「Hollow Man II(インビジブル2)」のLaura Regan(ローラ・レーガン)が出演した1998年の「Dead Silence(デッドサイレンス)」の原作者でもある犯罪小説家のJeffery Deaver(ジェフリー・ディーヴァー)が1997年に発表した作品です。 この映画が好評でなかったので続編は作られませんでしたが、優れた新人作家によるミステリ小説に授与される文学賞で1991年のJohn Creasey Dagger(ジョン・クリーシー・ダガー)賞を受賞しています。 ちなみに2004年の「Fear Itself」ではNero Wolfe(ネロ・ウルフ)賞を受賞しています。(1950年代のロスに住むParis Mintonが手掛ける殺人事件を描いている) ジェフリー・ディーヴァーは40歳にしてミステリー作家となった元弁護士でいくつかのシリーズ小説を書きました。 そのうちのLincoln Rhyme Series(リンカーン・ライム・シリーズ)を元にした映画が「The Bone Collector(ボーン・コレクター)」なのです。 ネロ・ウルフ同様にデンゼル・ワシントンが四肢麻痺で寝たきりの科学捜査官(安楽椅子探偵)のリンカーン・ライムを演じる「ボーン・コレクター」ではこの作品で脚光を浴びたAngelina Jolie(アンジー)がラストのクリスマス・パーティ以外は地味な警官の制服姿で通します。

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青いドレスの女 Devil In A Blue Dress (1995)」への5件のフィードバック

  1. おもしろそうですね!デンゼル・ワシントンは大好きな俳優で、シドニー・ポワチエとどこか同じような哀愁を漂わせていると思いませんか?彼の新作は南部が舞台とかいう話を聞きました。

  2. koukinobaaba より:

    NOVAさんも「野のユリ」をご覧になりましたか?まだ黒人が今ほど自由ではなかった時代だけに当時のシドニー・ポワチエの受賞というのは並みのものではなかった筈です。命がかかっていた芸能生活だったでしょう。
    そこへいくと現代のデンゼルはポワチエよりは恵まれた環境で優雅な人生を送っているように思えます。彼ほどハンサムでセクシーな人は他にいないでしょうね。

  3. 青いドレスの女

    『DEVIL IN A BLUE DRESS』 アメリカ/1995
    監督:カール・フランクリン 
    出演:デンゼル・ワシントン ジェニファー・ビールス …

  4. koukinobaabaさん、こんばんは。
    こちらのブログを拝見して、レンタルしました。なにしろ、こういったジャンルは好きなものですから。
    上流階級の矛盾などは、ボギーものなどの古典の印象でしたが、黒人を主人公にしているせいか、異なる印象も多くありますね。
    特にダフネやコレッタなどの女性の登場人物には、とても気の毒な気持ちになってしまいます。
    それにしても、冒頭のイージーとコレッタの・・・のシーンは刺激が強いかったですよ。
    では、また。

  5. koukinobaaba より:

    トム(Tom5k)さん、嬉しいです!
    私の記事を読んでから映画を観て下さるなんて、ブロガー冥利につきますよ。
    トム(Tom5k)さんのアタマは相当堅そうだから、多少刺激を与えておきましょう! ちなみにダフネとイージーの激しいラヴシーンは不必要ということでカットされたそうです。残念!

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