Bebé: La merveilleuse Actrice Francaise
ハリウッドにM.M.(マリリン・モンロー)あれば、パリにB.B.(ブリジット・バルドー)あり!
昨今人気の”あひる口(アヒルグチ)”! 、じゃなくて”への字口”をとがらせていつも不平を言っているようなベベが可愛い!
天然プロンドじゃないけれど、麦わらのように黄色い髪の毛を掻きあげるベベが可愛い!
まるでバービー人形のように突き出た胸と1m70cmという身長に華奢な長い手脚のベベが可愛い!
媚びることなく自然体でしかも大胆にふるまうベベが可愛い!
時々ベベの名前をブリジッド・バルドーと表記したブログを見ますが、実は私も子供時代は間違えていたのです。 そのブリジット・バルドーは私が殆どのベベ主演映画を観たほど好きなフランス女優の一人で、特に60年代までの可愛いベベが最高!(70年代の映画は興味なし)
恋多き女 ”BéBé(ベベ)”
バレーを習っていたブリジット・バルドーはその鍛えたしなやかな肢体を活かして16歳でフランスの有名ファッション誌「ELLE」のモデルになりますが、その頃に雑誌Paris Match(パリ・マッチ)の記者で後に脚本家となりその後は映画監督になったRoger Vadim(ロジェ・ヴァディム)と知り合いました。
1952年に日本未公開のLe Trou Normand(素晴らしき遺産)で映画デビューしたベベは続いて同年に「Manina, la fille sans voile(ビキニの裸女)」で注目され、19歳でロジェ・ヴァディムと結婚した後、監督になった夫ヴァデムの第一作目の映画で主演しました。 その映画が「Et Dieu créa la femme(素直な悪女)」ですが、共演したJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)と行方を晦ましたとか。 それでロジェ・ヴァディムと1957年に離婚、同じく離婚したトランティニャンをふって新たに歌手とお付き合いを始めたのだそうです。 そして世界第二次世界大戦のドイツとイギリスとフランスの軍の攻防を舞台にベベがスパイを演じた1959年の「Babette s’en va-t-en guerre(バベット戦争に行く)」で共演したJacques Charrier(ジャック・シャリエ)と結婚し一児を儲けます。
Babette Goes To War (1959) Trailer – Archive.org
ところが1960年に「La Vérité(真実)」で共演したSami Frey(サミー・フレイ)と又々仲良くなりましたが自殺未遂騒動も起こしてシャリエとは3年で離婚、その後もドイツの大富豪との再々婚中の1959年には「Voulez-vous danser avec moi? (Sexy girl / 気分を出してもう一度)」で共演したSerge Gainsbourg(セルジュ・ゲンズブール)との恋や実業家などと数々のロマンスがありますが結婚はたった4度だけです。
一緒に失踪したけれどふられたトランティニャンとベベのツーショットはBrigitte Bardot and Trintignant – Oldiecole.com(canetti avec brigitte bardot et trintignantをクリック、右の二人)
1965年のパリのサンジェルマンのカフェ”Cafe de Flore”でサミー・フレイとベベ(奥の二人)
ブリジット・バルドーの初期の作品集
私の好きな可愛いYe-Ye(イエイエ)娘のBBの出演作品は60年頃までで、「私生活」と「軽蔑」の後は当時は殆ど観ておらず、後にテレビの名画座で観ました。 この「私生活」と「軽蔑」の間に伝説のヌーヴェルヴァーグ監督といわれるJacques Rozier(ジャック・ロジェ)のドキュメンタリーの小作品が2本あるのです。 1963年に「Bardot et Godard(バルドー/ゴダール)」と「Paparazzi(パパラッツィ)」の2本が作られたそうですがいづれも20分という短編なので劇場公開したかは不明です。 両方とも登場人物は「軽蔑」を監督したジャン=リュック・ゴダール、出演したブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、フリッツ・ラングで、音楽を担当したのが「Pierrot le fou(気狂いピエロ)」のAntoine Duhamel(アントワーヌ・デュアメル)です。 この幻のジャック・ロジェの6作品が2010年の秋に日本で上映されるそうです。
1956年 En effeuillant la marguerite(裸で御免なさい)
「Sous les toits de Paris(パリの屋根の下)」のRene Clair(ルネ・クレール)が1955年に監督してGerard Philipe(ジェラール・フィリップ)が主演した大人の恋愛映画「Les Grandes Manoeuvres(夜の騎士道)」やRalph Thomas(ラルフ・トーマス)監督でべべが”Je Ne Sais Pas”を歌って(イギリスのポップス歌手のJill Day(ジル・デイ)が吹き替え)Dirk Bogarde(ダークボガード)と共演した Doctor at Sea(私のお医者さま)など何本かに出演した後、やっとベベの本領発揮!
英語のタイトルは「Plucking the Daisy」 又は「Madamoiselle Strip Tease!」という「裸で御免なさい」は当時夫だったRoger Vadim(ヴァディム)がMarc Allégret(マルク・アレグレ)と共同で脚本を書き、マルク・アレグレが監督したベベがDaniel Gélin(ダニエル・ジェラン)や1962年にヴァデムが監督した「Vice and Virtue(悪徳の栄え)」にも出演したイタリア女優のLuciana Paluzzi(ルチアナ・パルッツィ)などと共演したストリップが売りのコメディ映画です。
マルク・アレグレはJean-Paul Belmondo(ジャン=ポール・ベルモンド)やMylene Demongeot(ミレーヌ・ドモンジョ)などのフランス映画の若手が大勢出演した1958年の「Sois belle et tais-toi(黙って抱いて)」を監督しています。
「裸で御免なさい」の英語のタイトルは正に「Mademoiselle Striptease(マドモアゼルのストリッパー)」! なんでお嬢さまがストリップ劇場に出演するかって? 上京したお嬢さまはフランスの大文学者であるバルザックの博物館の管理人をしている兄が保管する本を売り払ってお小遣いにしていたところ、知らずに貴重なHonoré de Balzac(バルザック)の初版本まで売ってしまったので、その本を買い戻すための賞金稼ぎだったのです。
映画音楽はジャン・ポール・ベルモンドの「二重の鍵」や「いぬ」で知られるPaul Misraki(ポール・ミスラキ)です。 ポール・ミスラキはシャンソン歌手のCharles Trenet(シャルル・トレネ)やGypsy SwingのギタリストのDjango Reinhardt(ジャンゴ・ラインハルト)などの編曲をしています。
画像は2001年に発売された日本語字幕版「裸で御免なさい」のDVDですが現在は入手困難になっているのでリンクは2010年に発売されたDVDになっています。
裸で御免なさい HDニューマスター版 [DVD]
1956年 Et Dieu… cre´a la femme(素直な悪女)
上記の画像は輸入版(原語)のVHSビデオです。
B.B., St. Tropez, Simca and Club 55!
「素直な悪女」にはサントロペ! ストリップ映画の後にはセクシー・マンボ!
「素直な悪女」は当時ベベの夫だったロジェ・ヴァディムの監督デビュー作品です。 フランスよりアメリカで人気だった映画で、英語ではオリジナルも「And God Created Woman」というタイトルですが、そのセクシーな内容のために50年前アメリカでの公開当時はカトリック教会側から非難されたそうです。 とはいうもののベッドシーンはおろか大胆なヌードも殆どありません。 ベベが一夜にして世界中で話題の人となった映画の冒頭で見せた全裸での日光浴シーンとスカートを捲り上げてのマンボ・ダンスとベッドシーンがほんのちょっぴり、だけ。
妻を脱がせて大女優に育て上げるロジェ・ヴァディム監督の例に違わず、当時21歳の妻だったベベが裸足になりスカートを捲り上げて踊るセクシーなダンスシーンが一番の呼び物となりました。 どうせレオタードだとは思っても黒いパンティ部分が覗けて悩ましい、かも。
ちなみに映画の挿入歌ではバルドーとカラディンヌ社長(ユルゲンス)がジュークボックスで聴いていたのがテーマ曲となる”Dis-moi quelque chose de gentil(何かやさしいことを言って)”でPaul Misraki作曲の歌をベルギー出身で1956年の”Un grand amour”で知られる当時新進女性歌手のSolange Berry(ソランジュ・ベリー)が歌いました。 もう一曲はラジオから流れてきたGilbert Bécaud(ジルベール・ベコー)の”Mon coeur éclate(ぼくのこころが破裂する)”でした。
B.B.’s Mambo Dance in And God Created Woman – YouTube
And God Created Woman Trailer- YouTube
☆フランス版のLPだそうですが「素直な悪女」の2曲収録のサウンドトラックのかなり長いクリップが試聴出来るAnd God Created Woman OST LP – JET SET(右上のTracklist / Sample、OSTだからベベのセリフ入り!音も素晴らしい!)
1988年にロジェ・ヴァディムは日本未公開ですが21歳だったRebecca De Mornay(レベッカ・デモーネイ)を主役にリメイクで「素直な悪女」よりもっとヌード・シーンの多いもっとエロい「And God Created Woman(可愛い悪女)」を監督しました。 ちなみにビスクドールのように透き通った青い目のレベッカ・デモーネイは1983年の「Risky Business(卒業白書)」でコールガールを演じニキビ面のTom Cruise(トム・クルーズ)と激しい夜を過ごした挙句、言い値300ドルがなかったからとママの高級置物を代わりに持っていきヒモと切れて住み着こうとしてトム・クルーズをキリキリ舞いさせるヒモ家業にするしたたかな娼婦役を演じました。 1991年の怖い「The Hand That Rocks the Cradle(ゆりかごを揺らす手)」では毒(Poison)という香水をつけたデモーネイは自殺した産婦人科医の狂った妻を演じ授乳シーンもあって大健闘しています。 1992年の「Guilty as Sin(ギルティ/罪深き罪)」では凶悪な妻殺しを演じたDon Johnson(ドン・ジョンソン)とは恐怖でロマンスどころじゃなかったが、1996年にはデモーネイが製作総指揮を取ったという「Never Talk to Strangers(ストレンジャー)」ではAntonio Banderas(アントニオ・バンデラス)と長い舌の激しいラヴシーンを演じていますが、レベッカ・デモーネイが出演したテレビ版ホラー映画の「The Shining(シャイニング)」では脱ぎません。(この翌年に「A Simple Plan(シンプル・プラン)」を監督し「スパイダーマン」シリーズで有名なSam Raimi(サム・ライミ)もガソリンスタンドの男としてちょっと出演)
1950年代のスポーツカーSimcaはベベのお気に入りだったとか。
この映画「素直な悪女」の後にSt. Tropez(サントロペ)が有名になってブルジョワの高級リゾート地として定着したとか。 ジャン・コクトーとかパブロ・ピカソなどの文化人も足を運んだ歴史的サンダル屋のK. Jacques(カジャック)もサントロペにあります。 ベベが愛用したスリッパ(Ballet Flat)はもちろん、日本で販売されているDisc SandalsやコルクサンダルなどはK.Jacques St. Tropezがモデルらしいです。
ピカソやコクトーなどの芸術家、カミユやサルトルやボーヴォワールなどの哲学者、グレコやゲンズヴールなどの音楽家などなど当時の文化人がたむろしていたパリのSaint Germain des Pres(サンジェルマン・デ・プレ)ではベベもお仲間でしたが、同様にサントロペにも時の人たちが集まり、ベベも別荘を建てました。 そんな人達の中にはあの有名なスペインのシュールな画家のPablo Picasso (パヴロ・ピカソ)もいました。そしてなんとピカソもベベが大好きでした! 1950年代の写真集PANNELLO N. 4 -CULTURA E SPETTACOLOにあるベベとピカソの写真はPablo Picasso nel suo studio con Brigitte Bardot, 1958(上から6枚目)
「素直な悪女」でベベと共演したのが1959年の「The Blue Angel(嘆きの天使)」でMay Britt(メイ・ブリット)が演じたローラにキリキリ舞いさせられたドイツ俳優のCurd Jürgens(クルト・ユルゲンス)と、「Estate Violenta(激しい季節)」で未亡人を恋するハンサムなJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)、「I Dolci inganni(17才よさようなら)」でCatherine Spaak(カトリーヌ・スパーク)をもて遊んだセクシーなChristian Marquand(クリスチャン・マルカン)、1951年の「禁じられた遊び」でミシェル少年を演じたGeorges Poujouly(ジョルジュ・プージュリー)などです。 ジョルジュ・プージュリーはこの作品の後、「死刑台のエレベーター 」や「ひと夏の情事」に出演しました。
「Et Dieu Crea La Femme(素直な悪女)」はベベが一番可愛い映画でしたが、撮影終了後になんと監督の妻であるベベと新人俳優のトランティニャンが遁走しました。 これがベベとヴァディムの離婚の原因。
「素直な悪女」の写真が見られるPiace a troppi Photos – FILM.TV.IT
BB et Simca
以前は「素直な悪女」のスチール写真とビデオクリップが観られた自動車のサイトEt Dieu Crea La Femme – Lancia Aurelia B24 Spider America (1955)(当時のフランスのメーカーでクライスラーに買収されたSimcaのクーペや55年Lanciaなどのクラシックカーが見られます。Rouge Decapotable(ざくろ 色のデカポタブル)などかっこいいヴィンテージ・カー)
ベベが一番可愛い!と私が思う「素直な悪女」のDVDです。
画像は2002年発売の「素直な悪女(トールケース仕様)」のDVDですが現在入手困難なのでリンクは2010年の最新版になっています。
素直な悪女 HDニューマスター版
「素直な悪女」の音楽は「裸で御免なさい」と同じくPaul Misraki(ポール・ミスラキ)ですが、シャンソン歌手のGilbert Bécaud(ジルベール・ベコー)の”Mon coeur éclate”がラジオから流れるそうです。
現在は入手困難ですがポール・ミスラキの映画音楽シリーズの「Musiques Originales De Films/Vでは「素直な悪女」からEt Dieu Cre´a La Femme、Tren Tren、Porque Nao、Bb Cha Cha、Fie`vre Tropicale、No Quiero Suffrirが収録されているポール・ミスラキの映画音楽集です。
☆オリジナルは1957年リリースの「素直な悪女」のサントラはAnd God Created Woman
Mambo Samba Cha Cha
Mambo Samba Cha Chaの試聴はmusicMe
1956年 Cette sacrée gamine(この神聖なお転婆娘)
英語のタイトルは「That Naughty Girl」という「この神聖なお転婆娘」は1956年から1960年まで立て続けに映画出演しているベベが「素直な悪女」に出演する前にまだ結婚していないロジェ・ヴァディムが脚本を書いたポップス・ミュージカルに本来のブルネット(又は赤毛)で登場しています。 音楽が「Une parisienne(殿方ご免遊ばせ)」と同じくアンリ・クロラですが、ベベがミニのローマ風チュニック姿で踊ったこの映画で歌った主題歌の”Cette sacrée gamine”は「殿方ご免遊ばせ」のテーマソング同様「シェルブールの雨傘」でカトリーヌ・ドヌーヴの吹き替えをしたMichel Legrand(ミシェル・ルグラン)の姉で、2011年11月に亡くなりましたが”The Swingle Singers(ザ・スウィングル・シンガーズ)”で活躍したChristiane Legrand(クリスチャンヌ・ルグラン)だと言われています。 60年代以降はフレンチポップスが売りに売れたベベですが、1955年のDoctor at Sea(私のお医者さま)や「この神聖なお転婆娘」の辺りまではセリフも歌も吹き替えが多かったかもしれません。 1957年の「殿方ご免遊ばせ」はMichel Boisrond(ミシェル・ボワロン)監督でCharles Boyer(シャルル・ボワイエ)や Henri Vidal(アンリ・ヴィダル)と共演したコメディです。 取っ替え引っ替え衣装替えするベベですが私が一番好きなのはカシミアらしきシンプルなカーディガンの前ボタンを締めてタイトスカートの中に入れてウエストはキュッと締めたたファッションです。(もちろんボタンは胸元まで開けます)
褐色の髪のベベが歌う映画「この神聖なお転婆娘」のDVDです。
この神聖なお転婆娘
★ちなみに上記の「この神聖なお転婆娘」DVDと「裸で御免なさい HDニューマスター版」DVDはカバー画像が70年台にセツ・モードセミナーに席を置いたこともある日本のイラストレーターの森本美由紀が描いたもので2001年に東北新車からシリーズが発売されたそうです。(DVDカバー画像はこれらの他に「月夜の宝石」、「気分を出してもう一度」、「戦士の休息」,「ドンファン」、「セシルの歓び」、「殿方ご免遊ばせ」、「軽蔑」など)
Une Parisienne(殿方ご免遊ばせ)
殿方ご免遊ばせ HDニューマスター版 [DVD]
上記の画像は「殿方ご免遊ばせ」のVHS「Une Parisienne (Sub)」ですが、現在は入手困難となっているのでリンクは2010年7月発売の日本語字幕版DVDになっています。
1958年 Les bijoutiers du clair de lune(月夜の宝石)
英語の題名はThe Night Heaven Fellという「月夜の宝石」は、いつもは自由奔放なセクシーギャルを演じるベベが珍しく殊勝な(処女の)女学生のウルシュラ役に挑戦したシリアスな映画でヴァディム監督の長編映画3作目です。 いつもは男たちを翻弄するベベが叔母を殺したハンサムな男に一目惚れしてしまうなんて! こんな可愛そうなベベはこの映画くらいでしょうか。 1959年の「Ben-Hur(ベン・ハー)」で 助演男優賞を獲得するなど活劇の多い英国俳優のStephen Boyd(スティーヴン・ボイド)が大抜擢されました。(なぜボイド?) べべがクール・ビューティの大女優であるAlida Valli(アリダ・ヴァリ)と共演したスペインロケが素晴らしい映画です。 べべの露出度は横向きの全裸をご披露した「素直な悪女」の次くらいのチラリズム(乳首も)。
冒頭に「かって警察に追われる者を月夜(月光)の宝石と呼んだ。」という説明がなされるコロンビア映画のシネマスコープ映画では闘牛などエキゾチックなスペインの情景が盛りだくさん。 叔母を訪ねて汽車から降り立ったウルシュラが運転手付きの自動車で伯爵の城に行く途中、井戸に身投げした娘を見ますが、その娘の兄で仏軍上がりのランベルトが車にしがみ付いて屋敷に入り込み妹の自殺の元凶である伯爵に殴りかかるも執事の応援で大怪我をします。
スリップ姿のべべが見せる天然の棚の三段落ちが笑えますが、それに続く叔母との枕投げ最中に伯爵が入って来た時の夫人の台詞も辛辣。「あなた!、興奮しないで。」 この後、遠乗りをしていた色魔の伯爵が見たのは木に引っ掛けた小悪魔の真っ赤なブラジャーとパンティ。(何の意味がある?) しかし当のウルシュラは服を着てお昼寝。 このシーンで、提灯袖で胸に細いボーを結んだ白いブラウスと下にボリュームのあるペチコートの上にウエストをキュッと絞った真っ赤なギャザースカートで靴はスリッパ(バレーシューズ)というスタイルは、この後の伯爵の死後に叔母がランベルトのアリバイを証言しないと言う時からランベルトとの逃避行にも着ている。(当時日本でもボリュームを出すために何枚ものペティコートを重ねてはいた記憶がありますが、パニエがシュミーズ見え子さんなのは現代ファッションに通づるところあり) 自分の姪っ子にも手を出す伯爵から難を逃れたウルシュラ。
場面変わって屋敷で熱さ凌ぎにと氷の山盛りをテーブルに置いて扇子を使うウルシュラが身に付けているのはおっぱいポロリしそうな真っ白のブラとパンティ。 叔母に嗜められたが祭りに連れて行ってくれると聞いてランベルトに会える期待で小躍りする。 祭りの闘牛場では白地に小さめの黒の水玉模様の三段フリルの涼しげなワンピース姿。 後ろに座ったランベルトと叔母が親しげに話すのに意表をつかれて反発したウルシュラは子牛といえども危険な闘牛に飛び入り参加する。 一方的に公演での逢瀬を申し出たが現れなかったので屋敷に入ると伯爵に見つかり発砲されたので、正当防衛ということで止む終えず手にした小刀で伯爵の胸を刺してしまうランベルト。 伯爵の葬儀では黒レースのヴェールと膝下のスカート姿のウルシュラが涙したのは叔母がランベルトを愛していたのを知ったから。 伯爵の死後、叔母のベランダからランベルトが入るのを見たウルシュラは恋い焦がれていたが、ランベルトが来たのは叔母と一緒になるためではなく警察に聞かれたら叔母に会いに来たアリバイの証言のためだった。 正当防衛を主張して絞首刑にならないように。 屋敷を出ようとしたところを警官に捕まり逃げる手錠のままのランベルトを見つけたウルシュラは赤い車に飛び乗ると無免許なのに追いかけて乗せる。 追ってくる警官をまいて山間に入り、山頂の風車小屋で手錠を外したランベルトは30キロほど先の村に行くから街道に出てタクシーで帰れとウルシュラに言う。 が、渡された3000ペソでロバを買うと言ったウルシュラは子豚まで抱えて戻って来た。 ウルシュラを見つけたら報酬を出すと言う新聞記事を見た村人は面倒はご免だと追い出し、ランベルトは機関士としてスペインに戻った時のロルカ船長を頼ってチョルロに行くことに。 しかし当の船長は銃を突き付けると警察に電話するも逃げ道を教えてくれる。 警官に追われるランベルトは変装用の地味な服を着たウルシュラが待つ山道に急ぐ。 チョルロの渓谷にたどり着いた二人は”渦を巻くほどの危険な激流(?)”に行く手を阻まれるも恋の前には不可能はなく、ロバもろとも泳いで渡ることに。(豚も泳ぐ) どこでもない所に到着した二人、空腹のあまり仲違い。 ランベルトはウルシュラが可愛がっている子豚を食べようとするが、「殺し屋!」の言葉で我に返る。「君は素敵な獣だ。死ぬほど好きだ。奇麗なままで別れよう。」 べべが女優引退後に動物愛護運動家として活動する原点はここかも。 ランベルトは伯爵夫人に電話で自分は自首するから疲労困憊したウルシュラを村まで引き取りに来て欲しいと言う。 喜んだ叔母は赤い車で村に行くが警官にランベルトが逃げた伯爵の自動車だと分かってしまう。 叔母と再会するもランベルトとは絶対別れない!と言うウルシュラ、ランベルトを撃とうとする警官の間に入ったウルシュラは撃たれてしまう。(何で撃つ?) 「片時も離さないと言って。」とランベルトの腕の中で息絶えたが、顔は穏やかな笑みを浮かべているよう。
可愛いべべをたっぷりと堪能できる「月夜の宝石」のDVDですが、2001年に発売されたべべのイラストがカバー画像になっているDVD(ASIN: B00005J4G0)は現在ヴィンテージ価格となりましたが、2008年発売のDVD(ASIN: B001A416KS)もしくは2010年発売されたお手頃価格のHDニューマスター版(ASIN: B003M25TYU)があります。
1958年 En cas de malheur(可愛い悪魔)
「可愛い悪魔」は80冊余と多作を誇るメグレ警視シリーズで人気の仏ミステリー作家のGeorges Simenon(ジョルジュ・シムノン又はシメノン/1903-1989)の1956年の作品「In case of accident(予期せぬ出来事が起きたら)」をClaude Autant-Lara(クロード・オータン=ララ)監督が映画化したもので、美人女優のEdwige Feuillere(エドウィジュ・フィエール)もジャン・ギャバンの妻のViviane Gobillot(ヴィヴィアヌ)役で出演しています。 「可愛い悪魔」の英語のタイトルは「Love is My Profession」
「可愛い悪魔」では、初老のJean Gabin(ジャン・ギャバン)と共演して魅力的な三流泥棒のイヴェットをベベが演じました。 イヴェットを救ったアンドレ弁護氏の恋人になるも恩人に不実なイヴェットで、お金持ちのアンドレが宝石や毛皮を買い与えてもイヴェットの心は買うことは出来ず、若い男のもとへと。。。 「可愛い悪魔」もアメリカではヌードシーンなどのため宗教団体から抗議があり大分カットされたそうですが往年のジャン・ギャバンとベベでは釣り合いが取れていないかも。
「可愛い悪魔」のオリジナル・サウンドトラックはフランスの作曲家のRené Cloërec(ルネ・クロエレック)の音楽です。 フランスでリリースされたルネ・クロエレックの映画音楽集でベベとギャバンのCD画像が見られて試聴ができるLes plus belles musiques de films de rene cloërec – Amazon.com
※「可愛い悪魔」のポスターやDVDカバー画像が見られるEn cas de malheur – DVD Beaver.com
※クロード・オータン=ララはジェラール・フィリップ主演で1947年の「Le diable au corps(肉体の悪魔)」や1954年の「Le rouge et le noir(赤と黒)」を監督しています。
1959年 La Femme et le pantin(私の体に悪魔がいる)
1955年に「Marianne de ma jeunesse(わが青春のマリアンヌ)」などを監督したフランス映画の巨匠と呼ばれるJulien Duvivier(ジュリアン・デュヴィヴィエ)がベベを主演に監督した映画は「私の体に悪魔がいる」です。 映画タイトルのフランス語は「女と操り人形」という意味で、英語のタイトルは「A Woman Like Satan」といいます。 男を破滅に追いやるジプシー女を演じたベベがこの映画でもストリップのダンサーとなり可愛いお尻を見せています。 音楽は1954年の「現金に手を出すな」と1958年の「黙って抱いて」で音楽を担当したJean Wiener(ジャン・ヴィーネ)とJose´ Rocca(ホセ・ロカ)の作曲です。
※私の好きなJulien Duvivier(ジュリアン・デュヴィヴィエ)監督の映画には1936年にJean Gabin(ジャン・ギャバン)主演の「La Belle Equipe(我等の仲間)」や「Pepe-Le-Moko(望郷)」、Louis Jouvet(ルイ・ジューヴェ)が出演したのは1936年の「Les Bas Fonds(どん底)」やMarie Bell(マリー・ベル)が主演した1937年の「Un Carnet de bal(舞踏会の手帖)」や1939年の「La Fin du jour(旅路の果て)」、そしてDanielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)主演の「Pot-Bouille(奥様ご用心)」や1953年にエレオノラ・ロッシ・ドラゴが出演した「L’Affaire Maurizius(埋れた青春)」などの他には1962年の「Le diable et les dix commandements(フランス式十戒)」がありますが、日本で一番人気は1951年の「Sous le ciel de Paris coule la Seine(巴里の空の下セーヌは流れる)」でしょうか。
1959年 Voulez-vous danser avec moi?(気分を出してもう一度)
英語のタイトルは「Come Dance With Me」というMichel Boisrond(ミシェル・ボワロン)監督のミステリ・コメディ「気分を出してもう一度」に出演した時に出会ったセルジュ・ゲンズブールはベベの音楽に多大なる影響を与えました。 この映画には「殿方ご免遊ばせ」で共演した当時売れっ子だったアンリ・ヴィダルが主演しました。 アンリ・ヴィダルはRobert Hossein(ロベール・オッセン)の「Les Scélérats(危険な階段)」に出演したMichèle Morgan(ミシェル・モルガン)と結婚していたそうですが「気分を出してもう一度」の撮影が終了した時に亡くなったそうです。 アンリ・ヴィダルは同年にFrancoise Arnoul(フランソワーズ・アルヌール)と 「La Bête à l’affût(爪を磨く野獣)」、ミレーヌ・ドモンジョと「黙って抱いて」に立て続けに出演していましたから過労だったのでしょうか。 「気分を出してもう一度」ではヴィダルやゲンズヴールの他にはこの翌年の1960年に「Les Menteurs(激しい夜)」に出演したDawn Addams(ドーン・アダムス)やダンス教師を演じたDarío Moreno(ダリオ・モレノ)とも共演しています。
1960年 La vérité(真実)
ベベの虜となってしまったHenri-Georges Clouzot( アンリ=ジョルジュ・クルーゾー)が監督した「真実」の撮影時は俳優のジャック・シャリエと婚姻中だったベベですが、恋人を演じたSami Frey(サミー・フレイ)と実生活でも恋仲となりました。 ジャック・シャリエとサミー・フレイはどちらもハンサムですが柔らかいプレイボーイ風なジャックにたいしてサミーは神経質な文学青年タイプで、べべの恋のお相手のなかではジャン=ルイ・トランティニャンの線が近いでしょう。 映画の撮影中にクルーゾー監督の夫人が嫉妬から服毒自殺したこなども含めて精神的に疲れて果てたベベは映画「真実」のヒロインさながらの自殺未遂事件を起こし、この経緯がルイ・マル監督の1961年の「私生活」で描かれたそうです。
当時ポーランド系のユダヤ人の血をひくフランス俳優だったサミー・フレイはこの「真実」で賞賛された知られることになりますが、日本ではパスカル・オードレと共演した1958年の「Les bJeux Dangereux(危険な遊び)」がデビュー作です。 ちなみにパリの遊び仲間の一人ジェローム役でメジャーデビューしたのはJacques Perrin(ジャック・ペラン)でこの後の「La Ragazza con La Valigia(鞄を持った女)」で大ブレークしました。
べべが不良娘を演じた1958年の「可愛い悪魔」と並んでバルドーの演技力が観られる「真実」のメディア(DVDなど)が「可愛い悪魔」同様に日本では皆無に近く、海外でもDVD(ASIN: B000OPOEOO)のみです。
白黒映画「真実」の前編では自由奔放ないつもべべの魅力を発揮しますが後半は理解して貰えない女心を切々と訴える演技がただの金髪グラマー女優じゃないことを証明します。 さて、あらすじですが、どこにでもある姉妹の確執から不幸な結末をもたらすストーリーで、自分の要求が通らないと自殺を企てるようなヒロインのドミニク自身が自分を持て余している様子に共感できず同情もできません。 しかし悲しいまでに愚かな娘が最期の最期に真実を訴えて本当に好きだった人と一緒になれる喜びを抱いて死んでいくのです。 ジルベール殺人事件の容疑者として裁かれるドミニクの公判とドミニクの過去の映像が交互する映画「真実」の中での自殺未遂は妹が音楽院に行くためパリに行くのを聞いて自分も行きたいと説得するが父親に一蹴されて睡眠薬を飲んで我がままを通す時が最初だった。 ジルベールが妹のボーイフレンドだと聞き、からかうつもりが本当に好きになってしまう。 努力したものの人生を享楽するドミニクにとっては愉しみが少ない指揮者ジルベールの生活が不満で裏切り行為を何度もした挙げ句、とうとう彼に愛想をつかされてしまう。 別れてみてやっぱりジルベールを愛していると確信したが手ひどく拒絶されて抗議の自殺を思いつくドミニクだったが、あまりにも酷い言葉を投げかけられてとっさにポケットの拳銃で撃ってしまう。 夢中で何度も何度も。 その結果自分に銃を向けた時には弾倉が空っぽで自殺は成就しなかった。 だからガスの栓をひねったのだ。 これも未遂に終わり、ドミニクは逮捕されて裁判となったが裁判官をはじめ法廷の人びとと証人席に立つ友人や知り合いや妹、また傍聴人たちに理解されない悲しみを抱えて監房で最期の自殺を図る。 真実を述べた遺書を残して。 この手紙を裁判官が読んでいる時に知らせが入った。 今ドミニクが死んだ。
1961年 La Bride sur le cou(何がなんでも首ったけ)
切れが悪く元気発剌とは言えないが相変わらずのべべのファッションと着ぐるみヌードが可愛い「何がなんでも首ったけ」はロジェ・ヴァディムが脚本と監督に名を連ねている他、 「殿方ご免遊ばせ 」の脚本家であるJean Aurel(ジャン・オーレル)が監督として、又脚本はClaude Brule´(クロード・ブリュレ)も担当しています。 ジャージーなコンガの響きが効果的なオリジナルサウンドトラックのEP盤にはシングルでもリリースされたLes Aymara(アイマラ)の”La B.B. Bamba”と”Al Bondy cha cha”も収録されているそうですが、ピアニストのGeorges Arvanitas Quintet(ジョルジュ・アルバニタ)のクィンテットの演奏で音楽監修のJames Campbell(ジェームズ・キャンベル)が作曲したテーマ曲の”La Bride sur le cou”と”Brigitte Strip Blues”が試聴できるJazz & Cinema Vol 2-Les Tricheurs-Des Femmes Disparaissent-La Bride Sur Le Cou – 7digital.com
「何がなんでも首ったけ」はマリー・ジャンを演じたMireille Darc(ミレーユ・ダルク又はミレイユ・ダルク)のデビュー作品です。 ミレーユ・ダルクはこの後1966年に「Ne nous fâchons pas(女王陛下のダイナマイト)」でLino Ventura(リノ・ヴァンチュラ)と共演し、1969年に「Borsalino(ボルサリーノ)」でアラン・ドロンと共演して愛人関係となって1973年の映画「Les Seins de glace(愛人関係)」に出演しました。
ロジェ・ヴァデムはロベール・オッセンが出演した1962年の「Repos du guerrier(Love on a Pillow / 戦士の休息)など全部で9本のベベ映画を監督していますが、ヴァデム監督が当時の妻だったJane Fonda(ジェーン・フォンダ)を出演させた上にフォンダ姉弟を恋人同士に配役した”世にも怪奇な映画”があります。
1968年 Histoires extraordinaires(世にも怪奇な物語)
アメリカの詩人で小説家のEdgar Allan Poe(エドガー・アラン・ポー)の原作で、1936年の「Metzengerstein(メッツェンガーシュタイン)」、1939年の「William Wilson(ウィリアム・ウィルソン)」、1941年の「Never Bet the Devil Your Head(悪魔に首を賭けるな)」の3作品を映画化したという1968年の「Histoires extraordinaires(世にも怪奇な物語)は、ルシアンの青春やダメージなどを監督したLouis Malle(ルイ・マル)やIl Casanova di Federico Fellini(カサノバ)などのFederico Fellini(フェデリコ・フェリーニ)という巨匠とのオムニバスです。 出演者もフェリーニが選んだデカダンなToby Dammit(トビー・ダミット)を演じるTerence Stamp(テレンス・スタンプ)を始め、Alain Delon(アラン・ドロン)やPeter Fonda(ピーター・フォンダ)の他にカメオではMaurice Ronet(モーリス・ロネ)、ナレーターにポー映画の常連でホラー映画の大御所であるVincent Price(ヴィンセント・プライス)などヴァデム監督の1964年のLa Ronde(輪舞)のように豪華なキャストです。 内容はロジェ・ヴァディムが担当した「Metzengerstein(メッツェンゲルシュタイン/黒馬の哭く館)」、ヴァデム監督の元妻のブリジット・バルドーがGiuseppina(ジュゼッピーナ)でアラン・ドロンが男爵のウィリアム・ウィルソンを演じたルイ・マルの「William Wilson(ウィリアム・ウィルソン/影を殺した男)」、そして評価の高いフェリーニの「Toby Dammit(悪魔の首飾り)」です。(フェリーニは1976年の「カサノヴァ」でも見られた白塗りメイクが恐怖を誘います。
Spirits of the Dead Trailer – YouTube
「世にも怪奇な物語」のポスターやピーター・フォンダの写真が見られるHistoires extraordinaires – DvdToile.com
「世にも怪奇な物語」のエピソード「ウィリアム・ウィルソン」でベベはアラン・ドロンをイビリます。(ビンタ!) 真迫の演技ですが実際にベベは自己陶酔型のアラン・ドロンが嫌いだったとか。(二人とも血液型はO型だとか) 1961年にもAmours célèbres(素晴らしき恋人たち)でも共演したのですが、「Monpti(私の可愛い人)」のRomy Schneider(ロミー・シュナイダー)に夢中だったドロンはベベには言い寄らなかったのかも。
画像は2006年発売の「世にも怪奇な物語」のDVD(B000FHIW0S)ですが、商品はもう無いらしくマーケットプレイスでは私が購入した頃より値が上がっていますのでリンク先は2010年の最新版になっています。
世にも怪奇な物語 HDニューマスター版 [DVD]
フェリーニの「悪魔の首飾り」の音楽は定番のNino Rota(ニーノ・ロータ)で、フランスで1968年にリリースされたオリジナル盤は見つかりませんが、Toby Dammit ThemeやThe Demon Child Themeがサウンドトラックの「Tre passi nel delirio: Toby Dammit」に収録されています。
輸入盤2枚組CDの「Toby Dammit/…」又はサントラの「Fellini, Rota: Music From the Classic Films of Federico Fellini」
「戦士の休息」のVHS
Love on a Pillow
「戦士の休息」と「この神聖なお転婆娘」の2作収録のVHS
Love on a Pillow & That Naughty Girl (2pc)
日本もアメリカにもない「戦士の休息」のサントラカバー3枚の画像が見られるRepos du guerrier – SOUNDTRACK Collecter
この映画が最後かと話題を呼んだベベがお気に入りのロベール・オッセンをお相手の”自由の戦士”に選んだという「戦士の休息」ですが、私の手持ちのサントラはEPの「Le Repos Du Guerrier(戦士の休息)」SEVEN SEAS 17M-70 サウンド・トラック盤で、クラシックのバッハにも通ずる荘厳なテーマ曲、Surprise Party Chez Katov-part 1(カトフ家のワイルド・パーティー1)、ジャズ調のGenebieve et Renaud(ジュヌヴィエーヴとルノー)、Surprise Party Chez Katov(カトフ家のワイルド・パーティー)の4曲です。 音楽は1963年にヴァデム監督とはやはりロベール・オッセン主演の「Les Grands chemins(太陽は傷だらけ)」や1973年の「Don Juan(ドンファン)」でも組んだMichel Magne(ミシェル・マーニュ)です。(べべも出演した映画では「Don Juan(ドンファン)」のテーマソング”Générique”(In days of yoreの歌詞はBoris Bergman)など、べべだけなら「À cœur joie(セシルの歓び)」でターマソングの” I must tell you why”など)
1962年 Vie Privée(私生活)
18歳のブルジョワ娘が映画スターに祭り上げられたというベベの自伝のような映画の「Vie Privee(私生活)」はLouis Malle(ルイ・マル)が監督して脚本がジャン=ル・ラプノーと共同で書いたベベの代表作といわれる映画です。 私には映画そのものよりベベがギターの弾き語りで歌った”Sidonie(シドニー)”が印象的でした。 イタリアの名優Marcello Mastroianni(マルチェロ・マストロヤンニ)と共演してマスコミ・メディアに押しつぶされた女優のジルを演じました。 冒頭のレマン湖でのボーターボート・シーンはピアノ曲のConcertinoです。 バルコニーから落ちる時に初めて心の平和を見出したジルが至福の表情でまるで天国に昇るように落ちてゆく印象的なラストでした。 まるでアンナ・パブロワが踊った瀕死の白鳥のように。
Se terminant en scène dans Vie Privee – YouTube
ルイ・マルは1965年にブリジット・バルドーと「死刑台のエレベーター」などで有名なJeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)を共演させてフレンチ・ウエスタン映画「Viva Maria!(ビバ!マリア)」も監督しています。
Vie Privée Soundtrack
映画の音楽は作曲がFrançois Carpi(フランソワ・カルピ)で、オーケストラの”Theme de Vie privee(私生活のテーマ)”もいいですがベベがギターの弾き語りで歌った”Sidonie(シドニー)”がとても可愛いかったのですぐレコード店に走ってべべの写真がカバーのレコードを購入しました。 愛していたイタリア人の演劇青年のファビオの結婚によりダンスに没頭したジルがパリで瞬く間にモデルからスターになっていったものの寂しい気持ちは消えず、そんな思いを歌ったのが”シドニー”でした。
1963年 Le Mépris(軽蔑)
ベベの幅広のバンダナ・ファッションがお洒落な「Le Mepris(軽蔑)」は脚本と監督がヌーヴェルヴァーグのJean-Luc Godard(ジャン=リュック・ゴダール)で、イタリアの大物監督のCarlo Ponti(カルロ・ポンティ)が製作に携わり、劇中映画の監督としてFritz Lang(フリッツ・ラング)とその助監督として「軽蔑」を監督したジャン・リュック・ゴダールが出演しています。 ベベが大人の俳優のMichel Piccoli(ミシェル・ピッコリ)と戦闘機の炎上で顔の整形をしてもなおハンサムなJack Palance(ジャック・パランス)と共演しています。 ゴダールが堅そうで脆い夫婦間の愛の不条理を描き映画界へのメッセージを含んだ作品には賛否両論あるようですが、なんといってもベベの大胆ヌード、あぁ、映倫が。
「あたしのおっぱい、好き?、あたしのくるぶしは?、膝は?、太ももは、好き?」
英語のタイトルは「Contempt」という「軽蔑」の写真が見られるIl disprezzo Photos – FILM.TV.IT
「軽蔑」の音楽はGeorges Delerue(ジョルジュ・ドルリュー)です。
Georges Delerue – Thème de Camille (Le Mépris) – YouTube
Contempt – Trailer – YouTube
ベベの映画としては評価の高い「軽蔑」のDVD
軽蔑
画像は2003年発売のDVDですが現在入手困難になっているのでリンクは2009年発売の1500円DVDになっています。
ブリジット・バルドーのアメリカ映画
ベベはアメリカ映画でも50年代と60年代にはひっぱりだこで多数作品がありますが、The Strange Love of Martha Ivers(呪いの血)でデビューしてTown Without Pity(非情の町)にも出演したKirk Douglas(カークダグラス)と共演した1953年のAnatole Litvak(アナトール・リトヴァク)監督のUn acte d’amour(Act of Love / 想い出)」あたりがアメリカデビュー作らしいです。 カークダグラスがフランス語版もこなしたのですがベベの英語は吹き替えられてしまったそうです。
※アナトール・リトヴァク監督は1941年にミュージカル映画「Blues In The Night」を監督しています。
1965年にはHenry Koster(ヘンリー・コスター)が監督したJames Stewart(ジミー・スチュアート)主演のコメディ映画の「Dear Brigitte(ボクいかれたヨ!)」にベベは賞品として特別出演しています。 「ボクいかれたヨ!」のトレーラーはDear Brigitte Trailer – VideoDetective.com
「ボクいかれたヨ!」の写真が見られるErasmo il lentigginoso Photos – FILM.TV.IT
ブリジット・バルドーの画像付きサウンドトラックのリストが見られるFRENCH POP A to Z – Brigitte Bardot
ブリジット・バルドーの写真
Brigitte Bardot Photogallery video – YouTube
☆Audio-Visual Trivia内のブリジット・バルドーの写真集 (カラー)
Brigitte Bardot Photos 1
☆ブリジット・バルドーの写真集 (白黒) Brigitte Bardot Photos 2
総計47本の映画に出演したフランス女優のベベは「戦士の休息」のロベール・オッセンも出演した1973年の元夫のヴァデム監督の「Don Juan 73 ou si Don Juan etait une femme(ドンファン)」、又は同年の日本未公開の「L’Histoire très bonne et très joyeuse de Colinot trousse-chemise(スカートめくりのコリノのとても素敵なとても楽しい物語)」を最後に、1974年、40歳を前にして”美しいうちに”と映画界から引退しています。
「コリノ」の写真はColinot l’alzasottane photos – Film.TV.IT
Mein privates Leben (Gebundene Ausgabe) von Brigitte Bardot
ブリジット・バルドー著の自叙伝はたくさんありますがなぜかドイツ語のハードカバー本「My private life(私生活)」が2007年にも出版されています。 未公開のプライベートな写真を含んだ美麗写真集とインタビューでは女優生活や動物愛護について語っているそうです。(ドイツ語では読めないからかAmazon.comには置いてないようです)
毛皮は着なかったかどうかは不明ですが、ブリジット・バルドーは犬の擁護から馬肉の消費反対まで過去のベベの名声や印税を大いに活用、動物の保護団体の設立もして、動物愛護運動に精を出してきましたが、2006年9月で基金創立20周年を迎えるそうです。 人種問題にも関わって裁判沙汰などもあったようですが、可愛いオバアチャンになったベベは現在も13匹ワンちゃんと一緒にサントロペに住んでいます。 犬権のために、そして昔のサントロペに戻そうとするために活動しています。 縫いぐるみのように可愛いアザラシの赤ちゃんが頭をぶち割られて捕獲されるビデオを観ればバルドーならずとも保護せねばという気になります。 密猟者と沿岸警備員の果て無き闘争です。
Mariko Kaga
和製バルドー? 加賀まりこ
テレビ名画座やDVDで日本語の吹き替え版というのがあります。 たいていは俳優専属で決まっているそうです。 ベベはジェーン・フォンダも担当している小原乃梨子さんが担当していますが、鈴木弘子さんも吹き替えしているそうです。 加賀まりこは吹き替えしたことがあるのでしょうか。 私が思うには声がそっくりだと思うのです。 60年代には大胆な言動や脱ぎっぷりで話題の的だった加賀まりこはまさにベベにピッタリ!です。 大映の大物プロデューサーのお嬢さんという触れ込みでテレビのルポルタージュ番組でデビューした頃はとても可愛かったです。 確か後楽園のアイススケート場でナンパされるようなドキュメンタリーでした。 1965年に23歳の加賀まりこの初舞台でJean Giraudoux(ジャン・ジロドゥ)の戯曲である「Ondine(オンディーヌ)」をまだ目新しかった日生劇場で観ましたが、”網にかかった水の精”が特にファンタジックでファンタスティックでした! 代表作はデビュー作でもあるミッキー安川原作の「月曜日のユカ」ですが多分にベベを意識しているように思えました。 1971年に加賀まりこはヌード写真集の「私生活」(ASIN: B000J93S7Y)を写真家の立木義浩に撮らせていますが、相前後して交際中だった歌手の布施明との子供を妊娠した時に大きくなったお腹の写真も雑誌に掲載されて話題となりました。
「ニュー・シネマ・パラダイス」でべべの映画が映画館で上映され、お尻がアップで映るシーンで、数人の少年たちが一生懸命自分自身と「戯れる」シーンがあり、べべのセックスシンボルぶりがよくわかります。
あ~なのにべべの映画は日本では当らないというジンクスがあったそうですよね、本当かどうかわからないんですけど。
anupamさんはベベをセクシーと思われますか?
お尻が自慢らしくてバックヌードが多いベベは絵的には美しいですがアッケラカンとしているので淫靡さは感じられないと思います。が、シチリアの純真な少年達には充分でしょう。hahaha
50年代にはベベのパリ・ファッションが魅力でした。私はピッタリしたセーターにギャザースカート、それにあのスリッパと称されるペタンコ靴が好きで真似しました。
劇場で観たのは「軽蔑」が最後で、その後の作品はテレビ名画座などで観ました。映画がヒットしたかどうかは知りませんが、少なくとも「軽蔑」までは話題になっていたと思います。
“Harley Davidson” by Brigitte Bardot(「ハーレイ・ダヴィッドソン」 by ブリジット・バルドー)
Special Bardot
勿論、歌手としてのキャリアよりも女優としてのキャリアが絶大なB.B(←舌たらずな発音でベベって読んでね?)ことブリジッ…
はじめまして、bardorstyleです。
TRACKBACKありがとうございます。
ベベ本当可愛いですよねぇ!
bardorstyleさん、「ベベ」以外の記事でも今後ともどうぞ宜しくお願いします。
koukinobaabaさん、おひさしぶりです。
わたしにとっては、ベベをセクシーと思い、アッケラカンとしていますがエッチさは感じます。
わたしのような北海道の純真な中年には充分です。
わたしが観たものでは「軽蔑」が一番印象深かったです。ゴダール監督にしてはとても分かり易く、ベベが、とてもキュートでした。ミシェル・ピコリはとてもドンカンで、ジャック・パランスはとてもノーテンキ、だからベベはとても気の毒な役でした。最後に死んじゃうし。
ドロンとの「ウィリアム・ウィルソン」は、逆になんだか生意気そうで、ドロンにいじめられていても「ざまあみろ」と意地の悪い気持ちになってしまいました。
役者さんは、上手に役づくりしますよね。
トム(Tom5k)さんのお出まし! アランドロンはベベと何本か共演してますからね。
トムさんが「ざまみろ!」と思われたなんてジュゼッピーナ役のベベも演技が上手くなっていたのですね。・・・それとも地(ジ)でしょうか。あはは
トムさんは久し振りの気がしないんですよ。なぜかというとトム(Tom5k)さんのブログ「時代の情景」からよくアクセスを頂くのです。有難うございます!
専門的な映画評論がコメントにも反映されて盛り上がっていますね、トムさんの読者さまにも感謝!
『世にも怪奇な物語 第2話 影を殺した男(William Wilson)』~もう一人の自分(ド…
好むと好まざるに関わらず、自分がもうひとりの自分を必要な場合とはいかなる場合でしょうか?
二重身=ドッペルゲンガーとは自分自身がもう一人の自分を見た…
世にも怪奇な物語
エドガー・アラン・ポーの原作を、欧州の3人の監督が料理した、怪奇オムニバス。
観よう観ようと思ってて、やっと今日観ました。
1話にジェーン・フォン…
こんばんは、初めまして。。
音楽と映画の情報の量が凄いですね!!
ビックリしました・・・ユックリ読ませて頂きます。
トラックバックがうまくいかないそうで、僕もよく解かりませんでした。。すいません・・。
なのでブックマークに載せさせて頂きます!!
沢山の方に読んでもらえる様に願っております。。
それでは、たびたび叉お邪魔します。。
「ベルナ∂∂」さん、私は以前もトラックバックで拒否されたのですが、そのブログの方が英数字だけをはねているとおっしゃったので検証したところ概要を書き忘れていたので、トップのタグがそのまま出てしまったためと分かりました。
今回は不明です。(サーバーが混んでいることもたまにあるようですが。)
お久しぶりでした。私もMMよりもBBが好きでしたねえ。<結婚はたった4度だけ>というのがいかにもBBらしいですね。4度もじゃないんですもの…
ブログ界にお帰りなさい!
Casa de NOVAの読者の皆さまもお待ちかねでしたでしょう。
べべは可愛い!撫でまわすのではなくて、クチっとつねりたくなるような可愛さです。
はじめまして。トラックバックを頂きありがとうございました。B.B.は素敵ですよね。私は引退された後からの後追い世代ですが、ダンスもお上手ですし、歌声も大好きです♪今後とも、よろしくお願いいたします。
chouchouさん、ベベのご縁で今後とも宜しくお願いします。
anupamさま、こんにちは。
以前TBを頂きましたのに海外からの大量のスパムがやって来て間違って頂いたTBまで消えてしまいました。大変失礼なことを申し訳ございません。よろしければ、またTBしてくださいね。お気い入りに登録させて頂いておりましたのでご連絡が出来幸いでした~♪
ベベのお尻は小さくてキュートに思います。男性にも女性にも人気があるのも魅力ですよね。
chouchouさん、こんにちは
私はAudio-Visual Triviaのkoukinobaabaです。anupamさんは私も懇意にして頂いている方でブログのタイトルは「シネマトリックス」です。