Twistin’ Dany Saval in late 50s
1940年生まれのパリジェンヌでツイストの流行とともに現れたようなフランス女優のダニー・サヴァルは1950年代の後期から60年代にかけて軽いコメディを中心に40本以上の映画に出演しました。 そのコミカルな演技や宇宙人的な奇声や風貌が新しいタイプの新人類女優としてもてはやされましたが、ツイストの衰退にともなうかのようにダニー・サヴァルの銀幕での最盛期は10年ほどでした。 アメリカにはちょっと似たタイプで1965年のI Dream of Jeannie(可愛い魔女ジニー)で有名なBarbara Eden(バーバラ・イーデン)がいましたし、現代では髪型や奇抜な服装が類似しているLady Gaga(レディ・ガガ)がいます。 バーバラ・イーデンに負けじとおフランス女優のダニー・サヴァルもアメリカで1965年のドタバタ喜劇のBoeing Boeing(ボーイング・ボーイング)に出演しています。 日本でダニー・サヴァルが一般的に知られるようになったのは1963年のCherchez l’idole(アイドルを探せ)辺りからでしょうか。 声は別として顔立ちとしてはさほど変わってもいないのですが、アイラインバッチリの60年代メイクとカツラも使用したらしいボリューム満点で風変わりな髪型、特大リボンのアクセサリーや帽子やヘソ出しパンツのYe-Ye(イエイエ)ファッションがとてもユニーク、時には奇抜でした。 Parisienne à gogo!
Dany Saval Filmography
フランス映画界でも特異な存在だったダニー・サヴァルは、Pascale Audret(パスカル・オードレ)が主演した1958年のL’Eau vive(河は呼んでる)や、Le Miroir à deux faces(両面の鏡)にクレジットなしで出演した後、Pascale Petit(パスカル・プティ)が主演した同年のMarcel Carné(マルセル・カルネ)監督のLes Tricheurs(危険な曲り角)でBernardのフィアンセのNicole役で本格的に映画デビューしました。 その後は主役脇役取り混ぜて1980年までたくさんのフランス映画に出演しています。
Les parisiennes 1961年
画像は私が当時購入したジョニー・アリディのEP盤ですがジャケットの最前列右端に「パリジェンヌ」に出演したダニー・サヴァルが見えます。
ダニー・サヴァルが注目され出したのはJacques Poitrenaud(ジャック・ポワトルノー)監督に加え、共同監督共同脚本にMarc Allégret(マルク・アレグレ)が参加したオムニバス映画の「パリジェンヌ」でしょうか。
この作品以前にもダニー・サヴァルは本国では数本の映画に出演していました。 マルク・アレグレをはじめ、Jacques Poitrenaud(ジャック・ポワトルノー)、Claude Barma(クロード・バルマ)、Michel Boisrond(ミシェル・ボワロン)という4監督がそれぞれ4人のパリジェンヌのエピソードを監督しました。 パリのクラブの踊り子役で主演した”Ella(エラ)”の部はダンサーが急場しのぎでハイジャックしたタクシーの乗客(アメリカの大プロデューサー)と結婚するエピソードで、ダニー・サヴァルは映画のなかで”C’est bien mieux comme ça”を歌っています。 英語のタイトルは”Tales Of Paris”とかいう「パリジェンヌ」では何人かのパリジェンヌをテーマにしていますが、Françoise(フランソワーズ)の部でFrançoise Arnoul(フランソワーズ・アルヌール)が出演し、Sophie(ソフィー)の部ではCatherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)、Antonia(アントニア)にはDany Robin(ダニー・ロバン)が出演しています。 Fontanaからダニー・サヴァルの歌で「パリジェンヌ」のEP盤サントラが発売されましたが、当時私が購入したのはミスター21世紀の異名をとった”ヨーロッパのプレスリー”ことフランスのロカビリー歌手のJohnny Hallyday(ジョニー・アリディ)が歌った”Sam’di soir(土曜の夜のツイスト)”と”Retiens la nuit(夜をかえして)”のEP盤FHILIPS FL-1033でした。カトリーヌ・ドヌーヴが主演した”ソフィー”のエピソードでジョニー・アリディはジャンという美男子を演じてドヌーヴとデュエットしています。 当時フランスなどヨーロッパでリバイバルしたツイストというリズムはロックンロールの変形ですが、「ダンスが苦手な人でも一人で踊れる簡単なダンス」だと1959年に”The Twist(ツイスト NO, 1)”をヒットさせた元祖ツイストのChubby Checker(チャビー・チェッカー)が言ったそうです。 2拍目と四拍目にアップビート気味のアフタービートがつく(どんな?)四拍子のツイストはロックンロールの曲ならなんでもこのリズムにすることができます。
☆ちなみに当初は12インチのアナログレコードがリリースされたジョニー・アリディの”Viens Danser le Twist(Let’s Twist Again) “、邦題は”ツイストを踊ろう”はベスト盤CDで「Salut les Copains!」や3枚組みの「Johnny Hallyday, Vol. 1」のディスク:1に収録されています。
ダニー・サヴァルがカバー画像の「パリジェンヌ 」サントラについてはFRENCH POP A to Z – Dany Saval
1998年にリリースされたミシェル・ポワロン監督の「パリジェンヌ(Les parisiennes)」の字幕版VHSビデオはAmazon.co.jp(ASIN: B00005HBGS)で見つかりますがヴィンテージ価格です。
Catherine Deneuve & Johnny Hallyday in Les parisiennes – YouTube
Pleins feux sur l’assassin 1961年
日本未公開でしたが「Les Yeux sans visage(顔のない眼)」を監督したGeorges Franju(ジョルジュ・フランジュ)がBoileau-Narcejac(ピエール・ボワロー)の推理小説を映画化したサスペンス映画の「Pleins feux sur l’assassin」ではダニー・サヴァルが主演のパスカル・オードレやJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)と共演しています。
Pleins feux sur l’assassin (1961)
1961年には日本未公開でしたがダニー・サヴァルが活躍したサスペンス映画がありました。 クレジットではパスカル・オードレが主演になっていて、7人の相続人の一人の伯爵の姪のジャンヌを演じて伝説通りに最期に身を投げるのですが台詞はそう多くはありません。 実際の主演は「激しい季節」のJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)と恋人役のダニー・サヴァルでしょう。 映画の英語のタイトルが「Spotlight on a Murdere」というように”殺人者にスポットライトを”というような意味です。
1959年にAlida Valli(アリダ・ヴァリ)が出演した「Les Yeux sans visage(顔のない眼)」を監督したGeorges Franju(ジョルジュ・フランジュ)がBoileau-Narcejac(ピエール・ボワロー)が書いた推理小説を映画化しました。 ピエール・ボワローは1955年の「Les Diaboliques(悪魔のような女)」、1958年の「Vertigo(めまい)」、1959年の「Un témoin dans la ville(彼奴を殺せ/きやつをけせ)」、そして「顔のない眼」の原作者として有名です。
映画のオープニングはMaurice Jarre(モーリス・ジャール)の音楽で闇夜に浮かぶ古城のシルエットにクレジットが流れます。 あらすじですが、冒頭はマルタ騎士団の式服を着た老伯爵エルヴェ・ケロゲン(ピエール・ブラッスール)が時計の振り子を止めるとテーブルの上のハープを持つアンティーク人形を手にして、ボタンを押して大鏡になっている扉を開け、鏡裏の秘密の部屋に入るシーンです。 余命幾ばくもないので苦しそうな息づかいでお気に入りの自動人形のゼンマイを巻くと可愛らしくオルゴールの音色に合わせて両手で楽器をひくのです。 これがイントロ。
場面は一転、伯父の相続を受けに行く医学生のジャン=マリー・ケロゲン(トランティニャン)と車を運転するミシェリーヌ(ダニー・サヴァル)が映されます。 ミシェリーヌに葬儀一晩で済むから村の宿屋に居るようにと言うジャン=マリーは途中で葬儀用のフォーマルな黒スーツに着替える。 「まるで葬儀屋ね」とミシェリーヌがからかうように葬儀用の幅輪を担ぐと古城の門の中に消える。 まさにシンデレラ城のような古びた屋敷に入るジャン=マリーは「全員が揃ってから。」という声が聞こえる広間を開けると、既に何人もの伯爵の甥や姪が座っていた。 伯爵の甥のジャン=マリー、ジャンヌ(オードレ)とその夫で音楽教師のクロード(ジョルジュ・ロラン)、酒びたりで風来坊のクリスチャン(ジャン・バビレ)、その隣はドイツから来た従妹のエドウィジュ(西ドイツの女優で1970年代からは医師だったマリアンネ・コッホ)、アンドレ(フィリップ・ルロワ)、ヘンリー(ジェラルド・バー)、美術のエキスパートのギヨーム(ジャン・オゼンヌ)。 公証人は彼らの伯父はおとといの時点で医師が余命いくばくもないと診断したので伯爵は紛れも無く逝去したはず。 だが遺体が見つからない、なぜ失踪したか、その死に場所はどこかが謎だと説明する。 この失踪と相続問題とは多いに関係があるのです。 医学的には死んだとしても遺体が見つからない場合は法律により財産の相続は逝去したと思われる日から5年後に効力をはっきするのだと公証人は言う。 亡くなっているなら見つけるのは容易いはずなのにどこにもないと言う公証人は全員を引き連れて階段を上がり2ヶ月間出なかったという伯爵の寝室に入る。 最後の一週間は眠ることさえなかったのにマルタ騎士団の式服を着る余力があったのです。 戸棚から式服が消えているので分かります。 気がふれたのではなくその正装で埋葬されるのがしきたりなのです。
元の部屋に戻った相続人たち、「あそこには隠し部屋があるに違いない。」と国立美術館の館長をしているギヨームが自信ありげに言う。 老伯爵伯父は我々相続人に呪縛をかけたのだ。 きっと生前伯爵に不義理だった我々への嫌がらせでしょう。
公証人曰く、「相続人はその5年間費用を分担してこの城を維持しなければならない。 「なんと不運なんだ!」
ジャン=マリーはあらかじめ待ち合わせをした湖にボートで行くと「ここに来るのに60キロも運転したのよ。きちんと身なりを整えて来たのに死体がないなんて!私もお城に行きたいわよ。」と文句を言うミシェリーヌ。 ジャン=マリーは13世紀に存在した曾祖父の曾祖父の伯爵の伝説話をする。 若い妻と城に住んでいたシモン伯爵(Simon de Kellequen)の話。 夫は狩猟に興じて留守がちだったので若妻は若い騎士と恋に落ち、伯爵が留守の時は塔のてっぺんの窓に白いスカーフをかけて合図するのでした。 ところが伯爵は槍兵と猟犬を連れて狩りに行くと見せかけて一人城に戻ったのでした。 狩りのトランペットや犬の鳴き声が聞こえる限り安全と思った恋人たち、いきなり部屋に上ってきた伯爵と騎士は決闘となり若い騎士は伯爵の剣に倒れました。 絶望した妻は塔に上がり白いスカーフを胸に抱くと窓から身を投げたのです。
こんな話をするとミシェリーヌが自分も塔に上りたいと言うので二人は城に入る。 ミシェリーヌは「もしもこの城が私のものなら、伝説の恋人たちの光と音楽の豪華アトラクションを企画すれば毎日大入り満員よ。」 これにジャン=マリーが「君って天才!」とアイデアを頂戴する。
一方、城の中では、ジャンヌが従兄で恋人のアンドレに「優しく見える夫(クロード)だけれど嫉妬深く異常なの。怖いから連れて行って、お願い。」と頼みます。
城の維持費を捻出するために中世の城を観光客に解放することなり、ジェロームは調査、ある者は旅行者用に中世の伝説を作成、ある者はコンピューターのセッティングと大忙し。 そんななか、ボートで湖畔に行き設置したプロジェクターの準備をするヘンリーは感電して死んでしまう。 これは事故か?殺人か?
伯爵の遺体さがしに潜水夫からダウンジングまでと色々手は尽くしたのですが何もでず、ヘンリーの事件でも警官が城を調べているのです。 一方、旅行したいと言っても乗らないジャン=マリーに怒ったミシェリーヌは「お城も財産もうんざり、出て行くわ!」と去ろうとする時、エドウィジュの馬の蹄の音。 エドウィジュは厩に入るとこの城に来て半年だというイヴァン(セルジュ・マルカン)に馬の世話を頼み、ついでに長靴も脱がせるがイヴァンは誘惑にのらない。
相続人はヘンリーが死んで6人になったので経費を割り当てるといくらになるかと計算している時、銃声を聞いた。 「あれが死んだ従兄だっていうなら面白い。」と言っているところに音をたててカラスの死骸がテーブルのど真ん中に落ちてくる。
クロードがオルガンを弾いているとささやき声で「君の妻が浮気してると思わないか?今この瞬間、二人は一緒だというのに夫の君はオルガンを弾いている。」 懐疑的になったクロードはコンピューターの置いてある部屋を覗き卓上の道具袋からスパなーを取り出すと上に上がって行き男女の話し声がする部屋を躊躇せずに開ける。 「お願い、止めて!」という女性の悲鳴。(これも13世紀の伝説を思わせる)
ジャン=マリーとミシェリーヌの会話から嫉妬で怒り狂ったクロードにアンドレが殺されたことが分かる。 ミシェリーヌはこの悲劇のヒロインであるジャンヌの自殺を加えたらと伝説との偶然性にふれるが、ジャン=マリーはジャンヌを良く知っているからそんなこと(浮気)は信じられないと言う。 またもやミシェリーヌは怒ってもうパリに帰る!と暗い道を歩き去る。
夫の蛮行に憔悴したジャンヌに例のささやき声が、「これは悪夢じゃない、扉は開いている。君には私が見えないが私には君が見える。君のせいでアンドレは殺されたのだから君は有罪だ。」
翌日、ジャン=マリーは約束の時間になってもミシェリーヌが現れないので本当に帰ったと思った。 一方、ジャンヌが怖くてもうあの部屋には戻れないと呆然自失で庭を彷徨っているととエドウィジュが呼び止め、「この城はなんだか変よ。拡声器が部屋じゅうに設置してあるから声を聞くの。子供の頃あなたは時々夢遊病者だったそうだけれど今は大人でしょ。」と言う。
コンピューターの前で「今、レコードはかけていない、電源は切ったよ。さあ近くに寄ってみて、もう一度やるから。誰かがこれをやらなければならないのだから。」と操作の説明するが電気が怖いジュリアン(リュシアン・ランブール)はヘンリーのように死にたくはないと躊躇する。 ジャン=マリーがジャンヌに「やってみる?」と聞いた時、ジャンヌは眼を見開いて珈琲茶碗を落とす。 突然コンピューターのランプが点滅したのだ。 このランプは観光客が部屋に入るとセンサーで光るようになっているから、今現在、誰かが部屋を歩き回っているということだ。今ここににエドウィジュ他全員が揃ってるのだから誰だか確かめる必要がある。 足音が動いて大広間、寝室と移動する。 ジャン=マリーたちが階段を駆け上って伯爵の寝室に飛び込むと誰もいない、揺り椅子だけが動いていた。 城から出てきたメイドのマルタが合図するのでジャン=マリーは「何?」と聞くと「昨夜、缶ビール取りました?台所のイワシの缶詰やパンも無くなって。」 そこでジャン=マリーは「みんなもう十分に神経質になっているから他言しないように、きっとクリスチャンの悪戯かも。」と言う。
さて、時計が夜の11時を告げる頃、台所に潜んだジャン=マリーは扉の軋む音を聞いて誰だ!とばかりに懐中電灯で照らすと、何とパリに帰った筈のミシェリーヌが食料を抱えていた。 泥棒を捕らえてみれば恋人なり。 「揺り椅子もミシェリーヌだったのか、城の中を歩き回るな!」と怒るジャン=マリー。 ミシェリーヌは「全部知りたい」とこの事件を再考してみる、「死んだ数だけ相続人が減る。つまり残る一人が全財産を相続するってこと。ヘンリーは切れてた電気が入っただけだけど、なぜジャンヌの夫がオルガンから離れたかは誰も疑問に思わないの? 夫は妻の浮気を知らなかったのに。」 ジャン=マリーは「それでは犯人は我々の一人だね。」と言う。
一人で部屋にいるジャンヌにまたもやささやき声、「いったい誰に哀悼の意を表して喪服を着ているのだ、獄中の夫か?それとも死んだ愛人か?廊下の後ろに扉があり塔へ続いている。絶望したエリアーヌ(伝説の若妻)は死んだのに君は生きていられるか?エリアーヌに続け、この扉を開けろ!階段を登れ!」 催眠術にかかったようにジャンヌは階段を上へ上へと登って行くが途中でミミズクに襲われて逃げる。
さて、ようやくアトラクションのオープニングの前日、闇夜にライトアップされた城が浮かび上がる。 招待客のお偉方を出迎えるエドウィジュは従兄妹たちを紹介する。 ライトアップされた城に拡声器から流れる伝説とは、「13世紀にこの城に住んでいたシモン・ド・ケロケン伯爵とその若き妻エリアーヌ、ここで馬に蹄の音やトランペットの効果音が流れる。 一隊が城を後にするとエリアーヌは塔に登りてっぺんの窓に白いスカーフを付けると若い騎士ギリースがやって来ましたが、猜疑心にかられたシモン伯爵が森にお供の狩人や犬を置いたまま馬を馳せて戻ってきたのです。剣を抜くと階段を登り玄関に到着、寝室の扉を開けるた時、エリアーヌは恋人を守ろうと身を投げかけたのですがギリースが押しのけたので伯爵の怒りの剣に傷つき死んでしまいます。それを見たエリアーヌは塔のてっぺんに駆け上り窓に着くと、エリアーヌの身体は宙に舞った。」 その時、ストーリーを追って上を見上げる人びとの眼は塔のてっぺんにいるジャンヌを捕らえますが、アッというまに身を投げたので観客から一斉に悲鳴があがります。
暗がりで何やら馬具に細工しているジャン=マリーの姿。 翌朝、朝食の席で残った3人は馬の蹄の音が聞いたが、馬具が裂けて馬の背にはエドウィジュがいない。 ジャン=マリーとクリスチャンが車で湖に駆けつけると息も絶え絶えに倒れているエドウィジュを見つけた。 この状態で20キロ先の医師まで連れて行かれないから城に連れて帰ろうとジャン=マリー。
翌日も鐘が鳴り響きアトラクションの始り、庭の椅子に座った観客を前で城にライトが当てられる。「伯爵は階段を登り・・・」カツ、カツ、カツ
庭の椅子に座った観客は効果音や音楽であたかも自分が階段を上がっていくように思う。 実際、城の中の階段を上がって行く黒装束の人物あり。 エドウィジュが酸素を与えられている寝室に入ると男はそのバルブを絞める。 危うしエドウィジュ!と思ったらエドウィジュがにっこり笑った。 一瞬男が驚くが戸棚が開いてジャン=マリーも現れ「犯人は君だったのか。乗馬事故を本当だと思ったのだね。」 部屋を飛び出した男(ギヨーム)を追ってきたジャン=マリーを燭台で殴ろうとして後ろの大鏡に当たった。 ジャン=マリーは電話でアトラクションの中止を伝える。 「庭を照らせ!城から出て来る男を照らせ!」(この台詞が映画のタイトル) ジャン=マリーとクリスチャンが窓をあけて庭をみるとエドウィジュが銃を差し出してあの殺人者を撃つのよ!と叫ぶ。 クリスチャンは言われる通り背後からギヨームを撃ったが「殺人って、誰を?」 みんなが振り返ると、割れた大鏡の向こうにマルタ騎士団の式服を来た老伯爵が見えた。 その後の老伯爵の葬儀はなんとなく浮き浮きした気分で執り行われた。 このシーンで軽快なシャンソンが流れますが伯爵役でカメオ出演したシャンソン歌手のピエール・ブラッスールではなくGeorges Brassens(ジョルジュ・ブラッサンス)が歌う”Les Funérailles d’Antan”(昨年の葬式という意味)でした。
☆登場人物の写真やポスターの他、死んだカラスの写真まであるフランスの映画サイト「Pleins feux sur l’assassin – LE CINEMA FRANCAIS」
この傑作ミステリ映画はあまりに型破りで商業的には成功しなかったのでフランス国外では上映されなかったらしいですが、オリジナル・ネガが見つかったそうなのでぜひ日本でもDVDをリリースして欲しいですね。
映画の冒頭でHervé de Kéraudren(エルヴェ・ケロゲン)伯爵の役は「顔のない眼」で医師を演じたPierre Brasseur(ピエール・ブラッスール)のカメオ出演でした。 「顔のない眼」がそうであったようにジョルジュ・フランジュ監督といえば音楽はMaurice Jarre(モーリス・ジャール)ですが、この映画も同様にモーリス・ジャールの音楽でした。
♪ Pleins feux sur l’assassin: The Unpublished French Film Music of Maurice Jarre performed by Robert Lafond – YouTube
Les 7 péchés capitaux 1962年
7人の監督による7話のオムニバス映画「Les Sept péchés capitaux(新7つの大罪)」のなかのEdouard Molinaro(エドゥアール・モリナロ)監督の”L’Envie(羨みの罪)”でダニー・サヴァルはホテルのメイドのRosette(ロゼット)を演じて、メイドの恋人のボーイを演じたClaude Brasseur(クロード・ブラッスール)と共演しています。 英語のタイトルは”The Seven Deadly Sins”といい、音楽はMichel Legrand(ミシェル・ルグラン)が担当しています。
Seven Deadly Sins (1962) [VHS] [Import]
第一話はSylvain Dhomme(シルヴァン・ドム)監督のLa Colère(怒りの罪)
第二話はエドゥアール・モリナロ監督のL’Envie(羨みの罪)ではダニー・サヴァルが演じた宿屋の女中は宿泊客の女優が所有している宝石が羨ましくなりとうとう女優の金持ちの恋人をゲット! こんどはロゼットが煌びやかな宝石を身にまとって客としてホテルにやって来たが果たして今は幸せなのか思案するエピソードです。
第三話はPhilippe de Broca(フィリップ・ド・ブロカ)監督のLa Gourmandise(大喰らいの罪)
第四話はJacques Demy(ジャック・ドゥミ)監督のLa Luxure(淫乱の罪)
第五話はJean-Luc Godard(ジャン=リュック・ゴダール)監督のLa Paresse(怠けの罪)
第六話はRoger Vadim(ロジェ・ヴァディム)監督のL’Orgueil(傲慢の罪)
第七話はClaude Chabrol(クロード・シャブロル)監督のL’Avarice(貪欲の罪)
ちなみにがダニー・サヴァルが共演したクロード・ブラッスールは1956年にLe Pays, d’où je viens(遥かなる国から来た男)でメジャーデビューした後、「河は呼んでる」、「顔のない眼」、1960年にLes Menteurs(激しい夜)、1961年にLa Bride sur le cou(何がなんでも首ったけ)など多くのフランス映画に出演しました。
上記の画像は英語版の輸入VHSビデオです。(ダニー・サヴァルは右下)
※日本語字幕版のVHS「新七つの大罪」も中古で存在するようですがヴィンテージ価格です。
Le diable et les dix commandements 1962年
上記の画像は「フランス式十戒」の第三話のHomicide point ne seras(なんじ殺すなかれ)です。 ウエイターに変装したシャルル・アズナヴールとその仇のギャングのリノ・ヴァンチュラの顔が見えます。
「新7つの大罪」と同じ年にJulien Duvivier(ジュリアン・デュヴィヴィエ)が監督した八話からなる聖書のモーセの十戒のデュヴィヴィエ風解釈(パロディ)のコメディ映画「Les dix commandements(フランス式十戒)」に出演しました。 悪魔の化身である蛇がナレーターとなっていますが、豪華な出演者たちにはDanielle Darrieux(ダニエル・ダリュー)とAlain Delon(アラン・ドロン)、フランソワーズ・アルヌールとMicheline Presle(ミシュリーヌ・プレール)とMel Ferrer(メル・ファーラー)、Fernandel(フェルナンデル)、Charles Aznavour(シャルル・アズナヴール)とLino Ventura(リノ・ヴァンチュラ)、Jean-Claude Brialy(ジャン=クロード・ブリアリ)とLouis de Funes(ルイ・ド・フュネス)などです。
英語のタイトルは”The Devil and the Ten Commandments”で音楽はMichel Magne(ミシェル・マーニュ)、Guy Magenta(ギイ・マジャンタ)、Georges Garvarentz(ジョルジュ・ガルヴァランツ)の他クレジットなしでシャルル・アズナヴールが担当しています。
第一話のDieu en vain ne jureras(なんじ神の名をみだりに呼ぶなかれ)では神を冒涜する言葉を吐く修道院の雑役夫の話
第二話のThou shalt not commit adultery(なんじ姦淫するなかれ)では悪魔が男を堕落させようとは使わした魅惑的な女”Tania(タニア)”(実は所帯じみたアパート管理人の妻)をダニー・サヴァルが演じたそうですが、そのシーンは日本公開版のみだったそうです。(なぜにカットされたのでしょうね)
第三話のHomicide point ne seras(なんじ殺すなかれ)ではシャルル・アズナヴールが演じる高潔な修道僧が「目には目を」のように自分を犠牲にしてリノ・ヴァンチュラが演じた街の顔役(ギャング)を殺し麻薬禍で死んだ妹の復讐をする話。
第四話のLuxurieux point ne seras(なんじ人の持物を欲するなかれ)ではメル・フェラーが演じる宝石で女を虜にする金持ちのプレイボーイはミシュリーヌ・プレールと別れて妻の友人のフランソワーズ・アルヌールに近づいたといういわゆる”ダイアモンドは女の友達”的ストーリーでアルヌールの計略が失敗してダイアは元の持ち主に。
第五話のUn seul Dieu tu adoreras(われはなんじの主なり。われを唯一の神として礼拝すべし)では自分は神だという黒いマントにチェックの襟巻、異様な風体のフェルナンデルが死に際の老婆に奇跡を信じさせたが、風にマントをハタハタさせて去っていった男は後から来た精神病院の車に乗せられてしまった。 頭のおかしい男を演じたフェルナンデルを私が初めて観たのがMarie Bell(マリー・ベル)が1937年に主演した「Un carnet de bal(舞踏会の手帖)」の美容師のファビヤンでしたがいずれも素晴らしい役どころです。
第六話のTes père et mère honoreras(なんじ父母をうやまうべし)/Tu ne jureras point(なんじ偽証するなかれ)は父母の仲が悪くてうんざりしているアラン・ドロンが演じる若者の実の母は女優(ダニエル・ダリュー)だと父から告げられて有名な女優に合いに行ったが前にも増して落胆することに。
第七話のBien d’autrui ne prendras(なんじ盗むなかれ)はジャン・クロード・ブリアリが演じる本日をもってクビを言い渡された銀行員とルイ・ド・フュネスが演じる銀行強盗の珍共犯。 大金はどこに?
第八話のLes Dimanches tu garderas(なんじ安息日を聖とすべし)は第一話と同じく十戒を憶える仕事を背負わされたジェローム老人の話。 日曜日もさかんに十戒を唱えていますが、そのあいの手はブドウ酒。 「おーい、酒だ!」 そのたびに家政婦は「今日は安息日なのに。 なんのために十戒を覚えているのやら。」と嘆息することしきり。
2006年に発売された日本語字幕の「フランス式十戒 [DVD]」あり。
Moon Pilot 1962年
人気が出たダニー・サヴァルがWalt Disney(ディズニー)の家族向け映画「ムーン・パイロット」に主演してアメリカでも一般に知られるようになりました。 ダニー・サヴァルにとってこれが初めてのカラー作品ではないかと思いますが、James Neilson(ジェームズ・ニールソン)監督が脚本家のRobert Buckner(ロバート・バックナー)の短篇を映画化したコメディは、有人月ロケットの打ち揚げ計画をテーマにした映画ということで暗殺される前にケネディが月飛行計画演説で推進し、1969年のアポロ11号の月面着陸達成という一連の歴史的な事実があるのですが、その世界的な月計画をパロディ化したような感があります。 ダニー・サヴァルには適役の美人宇宙人(へリラエという名のエイリアン)を演じてコメディエンヌの本領を発揮している一方、1961年のTexas John Slaughter(テキサス・レンジャー)シリーズに出演し、コメディ映画はこれだけのマッチョなTom Tryon(トム・トライオン)が月ロケットのパイロットの任務を仰せつかったリッチ・タルボット大尉を演じ、ロケット打ち上げまえの帰郷の際の飛行機で知り合ったダニー・サヴァルが演じるへリラエの案内で無事月面着陸するストーリーです。 リッチ大尉のお友達のチンパンジー君も一緒です。 1961年のディズニー映画の「罠にかかったパパとママ 」や1982年のSharky’s Machine(シャーキーズ・マシーン)などに出演したベテラン俳優のBrian Keith(ブライアン・キース)が宇宙飛行士経験者の上官役を演じた他、1956年にThe Girl Can’t Help It(女はそれを我慢できない)や1962年にThe Man Who Shot Liberty Valance(リバティ・バランスを射った男)などに出演したEdmond O’Brien(エドモンド・オブライエン)なども出演して脇を固めているのですが映画はやけに間延びしているといいう不評も聞きました。 どっちみち宇宙もの映画としては時代遅れでしょう。
上記の画像は日本で1998年にリリースされた英語版のVHSビデオ「Moon Pilot [VHS] [Import]」ですが再入荷見込みなし。
Strip-tease 1963年
日本未公開でしたがJacques Poitrenaud(ジャック・ポワトルノー)監督が脚本家のAlain Moury(アラン・ムーリィ)が書いた原作を映画化した映画にダニー・サヴァルもDodo Volupté(Berthe)役で出演しました。 ※アラン・ムーリィはパスカル・プティが主演した1960年のL’affaire D’une Nuit(艶(つや)ほくろ)の原作や1974年にEmmanuelle(エマニエル夫人)のSylvia Kristel(シルヴィア・クリステル)が出演したUn linceul n’a pas de poches(暴かれたスキャンダル)の脚本も手掛けているそうです。 The Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)のKrista Nico(ニコ)が主演し、ジャンプブルースのBig Joe Turner(ビッグ・ジョー・ターナー)も自身のミュージシャン役で出演して弾き語りを聞かせていますが、映画音楽を担当したSerge Gainsbourg(セルジュ・ゲンズブール)もピアニストとしてカメオ出演しているそうです。 サントラではニコに代わってテーマ曲を歌ったJuliette Gréco(ジュリエット・グレコ)も映画で見られるとか。 「Strip-tease」の映画音楽はL’eau A La Bouche(唇によだれ)でコンビを組んだセルジュ・ゲンズブールとAlain Goraguer(アラン・ゴラゲール)が担当していますからニコの歌う”Strip-tease”のテーマ曲は”L’eau A La Bouche”に似たメロディです。
Dany Saval and Crista Nico in Strip-tease – YouTube
Du mouron pour les petits oiseaux 1963年
1938年にアナベラが出演した素晴らしい「Hôtel du Nord(北ホテル)」や「危険な曲り角」のマルセル・カルネが晩年に監督及び脚本を手掛けたカルネらしからぬと云われる白黒のコメディ映画で、「危険な曲り角」や「激しい夜」のRoland Lesaffre(ローラン・ルザッフル)が出演しています。 原題の意味が「小鳥たちのハコベ」というこの映画はビルの住人たちを描いていて、ダニー・サヴァルはPaul Meurisse(ポール・ムーリス)が演じる元ギャングが所有するビルのテナントの一人のナイトクラブのLucieをArletty(アルレッティ)っぽく演じているそうです。 「アイドルを探せ」と同じくギリシャ出身の作曲家であるGeorges Garvarentz(ジョルジュ・ガルヴァランツ)と義理の兄弟のCharles Aznavour(シャルル・アズナブール)が音楽を担当し、アズナブールの”La marche des Anges(天使の行進)”、”La plus belle pour aller danser(アイドルを探せ)”、”Et pourtant(想い出の瞳)”が使用されているそうです。 ”Les Pirates”として1961年から1963年には人気だったフレンチ・ロックのDany Logan(1942-1984)も肉屋の店員として出演して歌っています。
Dany Saval & Dany Logan in Du mouron pour les petits oiseaux – YouTube
上記の画像はフランスのAmazon.frにある「Du mouron pour les petits oiseaux」でヨーロッパの放送方式SecamのVHSだそうですが現在は入手困難です。
Cherchez l’idole 1963年
Michel Boisrond(ミシェル・ボワロン)が監督したフレンチクライム・コメディの「アイドルを探せ」にはMylène Demongeot(ミレーヌ・ドモンジョ)がそのまんま映画スターとしてで登場しているのです。 そのドモンジョさまの使用人であるリシャールの恋人のCorinne(コリーヌ)をダニー・サヴァルが演じています。 リシャールは恋人のコリーヌためにドモンジョさまのダイアモンドを泥棒しますがそれを隠したギターが行方不明となり二組のカップルが探し回るという騒動記です。 ダイヤよりももっと素晴らしい恋を手に入れたリ者ーると女中のジゼールが聴いたのは偉大なるシャンソン歌手で俳優のシャルル・アズナヴールの歌。 アズナヴールの他にもJohnny Hallyday(ジョニー・アリディ)、そして話題をさらった新人のSylvie Vartan(シルヴィー・ヴァルタン)等フレンチポップスの歌手たちが出演しましたが、Marie Laforêt(マリー・ラフォレ)やJuliette Gréco(ジュリエット・グレコ)と作家のFrançoise Sagan(サガン)、そしてJean Marais(ジャン・マレー)が招待客としてカメオ出演しています。 有名人のカメオもさることながら、シルヴィー・ヴァルタンが歌ったテーマ曲の”La Plus Belle Pour Aller Danser”が大ヒットして当時の若者の多くは劇場に押しかけたのでした。
上記の画像は2009年2月13日発売のDVD「アイドルを探せ(1963)」(ASIN: B001KP40TG)や2014年の「アイドルを探せ(1963) [DVD]」(ASIN: B006QJSYRU)があります。 サウンドトラックはCherchez l’Idole [Soundtrack] (ASIN: B000BKJ5SC)として見つかります。
Boeing Boeing 1965年
アメリカではTony Curtis(トニー・カーティス)とThelma Ritter(セルマ・リッター)やJerry Lewis(ジェリー・ルイス)といいう大物俳優が出演したので知られているJohn Rich(ジョン・リッチ)監督の「ボーイング・ボーイング」は時代とともにスピードを競う航空会社がかえって事態を悪化させるというコメディで、ダニー・サヴァルはエールフランスのボインボイン・スチュァーデスのJacqueline Grieux(ジャクリーヌ)を演じました。(Boingならボインボインがぶるんぶるんですが) トニー・カーティスが演じたのはプレーボーイなのでイギリス、ドイツ、フランスのスチュァーデスを時間差攻撃でガールフレンドにしている新聞社のパリ特派員です。 ジェリー・ルイスが演じる新聞記者のロバートも絡んで「アパートの鍵貸します」状態。 それでも凝りない男性陣でした。 音楽は「Sex and the Single Girl(求婚専科)」や「How to Murder Your Wife(女房の殺し方教えます)」の音楽を手掛けたジャズトランペッターのNeal Hefti(ニール・ヘフティ)です。
上記の画像は日本で1995年発売の外国語版VHSの「Boeing Boeing [VHS] [Import]」(ASIN: 6302658799)ですが現在は入手困難です。
Dany Saval in BOEING Boeing – YouTube
L’Animal 1977年
スタントマンと女っぽいイタリア俳優の二役を演じたJean Paul Belmondo(ジャン=ポール・ベルモンド)と「恐竜100万年」や「セメントの女」ののRaquel Welch(ラクエル・ウェルチ)のカップルがJane Birkin(ジェーン・バーキン)とJohnny Hallyday(ジョニー・アリディ)のカップルの替え玉を演じるClaude Zidi(クロード・ジディ)監督のドタバタ喜劇の「L’animal(ムッシュとマドモアゼル)」では宿敵のようなスタントマンのカップルの壮絶なるスタントマン根性と恋の物語です。 ダニー・サヴァルはDoris(ドリス)役で出演ですが映画会社側の人物らしくスタントはやりません。 クロード・シャブロル監督がカメオ出演しているそうです。 結婚式間際に愛する女性をさらうなんてDustin Hoffman(ダスティン・ホフマン)が主演した1967年の「The Graduate(卒業)」みたいです。
上記の画像は入手困難な原語版DVD「L’ Animal [DVD] [Import]」(ASIN: B00004VY7I)ですが、1996年発売の日本語字幕版のVHSの「ムッシュとマドモアゼル」共に入手困難です。
上記以外にもダニー・サヴァルはAndré Cayatte(アンドレ・カイヤット)が1957年の「Oeil pour oeil(眼には眼を)」に続いて監督したMichèle Morgan(ミシェル・モルガン)やPierre Brice(ピエール・ブリス)が出演の1958年の「Le Miroir à deux faces(両面の鏡)」にクレジットなしで出演した他、「アイドルを探せ」の前にMichel Boisrond(ミシェル・ボワロン)が監督した1962年のComment réussir en amour(若奥様は仮免中)は旦那の留守中に仮免で自家用車を運転してしまった新妻ソフィーのドタバタ顛末記で、Jean Poiret(ジャン・ポワレ)が演じる出版社の編集長が上階に住むダニー・サヴァが演じるソフィーに恋をして結婚します。(ジャン・ポワレはエドゥアール・モリナロが監督したLa Cage aux folles(Mr.レディMr.マダム)の原作者) そして1964年にはGuy Béart(ギイ・ベアール)とジャズのMichel Colombier(ミシェル・コロンビエ)が音楽を担当したオープニングクレジットがお洒落な「Une souris chez les homme (Un drôle de caïd)」でルイ・ド・フュネスと共演、1965年の”Moi et les hommes de 40 ans”では1963年の「Du mouron pour les petits oiseaux」のPaul Meurisse(ポール・ムーリス)やMichel Serrault(ミシェル・セロー)と共演しています。
「若奥様は仮免中」のダニー・サヴァルの写真が見られるLa moglie addosso – FILM.TV.IT (拡大可)
1970年代にも「Plein les poches pour pas un rond…」で、1958年にLe Dos au Mur(絶体絶命)に出演したJean Lefebvre(ジャン・ルフェーブル)が演じるJulienの妻のCharlotteをダニー・サヴァルが演じるなど何本もの映画に出演していますが、引退前のダニー・サヴァルはさすが60年代メイクのキャピキャピ・ギャルからはだいぶ顔付きが違って素顔に近くなっています。
Dany Saval – Moi et les hommes de 40 ans (1965)
ダニー・サヴァルの最初の結婚は1965年の25歳の時で、なんとお相手は1968年のIsadora(イサドラ)や1990年のGhost(ゴースト ニューヨークの幻)など映画音楽をたくさん手掛けたハンサムなMaurice Jarre(モーリス・ジャール)でした。 ダニー・サヴァルは合計4度結婚したモーリス・ジャールの2番目の妻となり子供を儲けたもののたった2年で離婚し、その娘を連れて1972年にフランスのジャーナリストである現在の夫と再婚しています。 1980年代後期には銀幕を去り夫とモーリス・ジャールとの娘と一緒にパリで暮らしているそうです。
※このページで使用したダニー・サヴァル画像は私が50年ほど前に映画雑誌から切り抜いて保存しておいたものですが、著作権は被写体とその撮影者に帰属するものです。