Anouk Aimée et Trintignant dans Un homme et une femme
♪ Nicole Croisille & Francis Lai – Un Homme Et Une Femme – YouTube
男と女(1966年)
Francis Lai(フランシス・レイ)の甘美なメロディにNicole Croisille(ニコール・クロアジール)の歌、「Daba Daba Dab」が流れるClaude Lelouch(クロード・ルルーシュ)監督の大人の恋愛映画「男と女(A Man And A Woman)」の登場人物はほとんどがAnouk Aimée(アヌーク・エーメ)とJean-Louis Trintignant(ジャン・ルイ・トランティニャン)の二人だけです。
哀しくも最愛の人を失い、その過去を捨てきれぬ「男と女」が出逢いそして愛するアヴァンチュール、だけどなぜか爽やか。 クール。
これは男の現在の映像
憧れのかっこいい職業の美男美女、スピード感溢れるル・マンとモンテカルロ・ラリー、そしてボサノバのテーマ曲「男と女のテーマ」などロマンチックな要素に溢れ、モノクロームとセピアトーンの美しい映像が現在でも色あせない名作です。
「男と女」が1966年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞してクロード・ルルーシュ監督は世界的に有名になり、アヌーク・エーメは1967年のゴールデン・グローブの主演女優賞を受賞しました。
まず、フランシス・レイの音楽が有り、そこにクロード・ルルーシュ監督の映像が展開されるという製作方法です。
男と女、それぞれの過去と現在を表すカラーが逆だったりします。 女の現在はモノクロ映像で過去がカラーですが、男はその逆。 それぞれの過去への思い入れ状態を表しているようです。
二人の出会いは子供の寄宿舎学校、週に一度の面会の日に戻る汽車に乗り遅れたアンヌをジャンルイが車でパリヘ送ることに。 妻に自殺されたカーレーサーのジャンルイ、そして事故死したスタントマンの夫を忘れきれないスクリプトのアンヌとの愛の葛藤。
パリダカールに出場したジャンルイは終わるとすぐにアンヌの家に向かう。 「愛してる」とアンヌが電報を打ってきたからには脈ありと踏んで泥羽いっぱいのレーシングカーのままジャンルイは飛ばす。
愛し合う映像がモノクロなのはアンヌ側から見た時間だが、次はカラーで夫との時間が入り混じる。 愛の炎は果たしてどちらに….
「男と女」のサウンドトラックで私が好きな曲はニコラとバルーの歌う”Plus fort que nous”で、二人がベッドを共にした後の気まずい時に流れます。 「それぞれの過去を引きずる二人、深入りしすぎたのだろうか、心を閉ざしていいのだろうか…」
Un homme et une femme Trailer – YouTube
☆私が初めてジャン・ルイ・トランティニャンを観たのは1959年のValerio Zurlini(ヴァレリオ・ズルリーニ)監督の「激しい季節」で激しい情を秘めたおとなしい若者を演じていました。(最高!)
ところで、モテモテ男トランティニャンは1956年の「Et diew…crea la femme(素直な悪女)」で共演したB.B.(ベベことブリジット・バルドー)と恋仲になり、二人とも離婚までして付き合いましたが、例にもれず気紛れベベにあっさりとふられたとか。(ちまたのうわさ)
1961年のカンヌ映画祭ではアヌーク・エーメとトランティニャン、Pierre Barouh(ピエール・バルー)、クロード・ルルーシュなどが出席しました。
私が初めてアヌーク・エーメを観たのは1959年にFederico Felini(フェデリコ・フェリーニ)が監督した「La Dolce vita(甘い生活)」で、Marcello Mastroianni(マルチェロ・マストロヤンニ)が演じる新聞記者のお相手となる上流階級のプレイガール役でしたが、おかしなアクセントのアメリカ女優を演じたスウェーデン女優のAnita Ekberg(アニタ・エクバーグ)の巨大おっぱいの影に隠れてしまいました。 アヌーク・エーメやアニタ・エクバーグの他、古城のパーティでペレス・プラドの”パトリシア”をBGMにミンクの毛皮ストリップを演じたNadja Tiller(ナジャー・テイラー又はナージャ・ティラー)が印象的。 海の家の天使のようなパオラ(Valeria Ciangottini)と良対象。(このシーンでも”パトリシア”が流れる)
大人の恋愛映画「男と女」DVD
男と女 特別版
現在どのDVDも在庫切れ状態で入手困難となりましたが、過去に発売になったDVDでも入手可能な商品あり。
1977年にクロード・ルルーシュはフランシス・レイと組んで「Un autre homme, une autre chance aka Another Man, Another Chance(続・男と女)」、1986年に「A Man and Woman 20 Years Later(男と女Ⅱ)」を監督していますが、多分オリジナルの「男と女」に魅せられた人々は或る種の恐れのために観ていません。
商業主義クロード・ルルーシュ監督とそれを嫌うピエール・バルーはそりが合わず、ルルーシュ監督が20年後の1986年に「あの人は今どこで何を?的」続編「Un Homme Et Une Femme 20 Ans Deja(男と女 II )」を制作した時はピエール・バルーは出演していません。 前作と同じスタッフ・キャストでフランシス・レイのテーマ曲も使用されました。 アヌーク・エーメとジャン・ルイ・トランティニャンは20年経っても色褪せることなく光り輝いています。 日本では1970年の「ある愛の詩」のテーマが知られているニース出身の音楽家のフランシス・レイは「男と女」を手始めにクロード・ルルーシュ監督と組んで多くの映画音楽を作曲していましたが惜しくも2018年に亡くなりました。
☆「男と女」の映画ポスターや写真が見られるイタリアのUn uomo, una donna Photos and Posters – FILM.TV.IT
1986年の続編「男と女 II 」の写真もUn uomo, una donna oggi Photos – FILM.TV.IT
2009年発売の続編「男と女 II 」DVDは現在 なのでリンクは2005年版になっています。
男と女 II
Pierre Barouh
映画「男と女」の挿入歌”Samba Saravah”(ボサ・ノヴァ万歳!)を映画の中で歌い、亡き夫役を演じた歌手のPierre Barouh(ピエール・バルー)はボサ・ノヴァをフランスに紹介したフランスのシンガー・ソングライターです。 商業主義を嫌う放浪詩人のピエール・バルーは「男と女」の後、「Saravah(サラヴァー)」という世界初のインディー・レーベルを設立しました。
映画の中で夫婦だったピエール・バルーとアヌーク・エーメは撮影後にホントに結婚しちゃいました。 ただし3年間で離婚、その後すぐ再婚したピエール・バルーは80年代に日本でも音楽活動をしていたそうですが、再再婚した日本人女性は2016年バルー82歳で亡くなるまで添い遂げたと聞きました。 アヌーク・エーメも俳優のAlbert Finney(アルバート・フィニー)と再婚しています。
♪ Pierre Barouh – Ce n’est que de l’eau
Un homme et une femme (1966) Soundtrack
不朽の名サウンドトラックはテーマはもとより、ピエール・バルーのSamba Saravah(男と女のサンバ、ボサ・ノヴァ万歳!)が収録されている国内盤です。
男と女 オリジナル・サウンドトラック
現在試聴は見つかりません。
曲目リストはUn Homme et une Femme、Samba Saravah、Aujourd’hui C’est Toi、Un Homme et une Femme、Plus Fort Que Nous、Aujourd’hui C’est Toi、A l’Ombre de Nous、Plus Fort Que Nous、A 200 a l’Heureの9曲です。
Saravah SH40022
Monique & Louis Aldebertによる”Un homme et une femme”とB面が”La 1ere Fois Qu’On Aime”を収録したフランスでリリースされたSaravahレーベルの45回転モノレコード盤は中古で見つかります。(レコードジャケット画像が見られるDiscogs.com)
☆ニコール・クロアジールが歌った「男と女のテーマ」の歌詞はUn homme et une femme Lyrics – AllTheLyrics.com