It’s All Gone Pete Tong (DVD)
フランキー・ワイルドの素晴らしき世界(2004年)
クラブ・ミュージックはお好き?
“耳の聴こえないDJ・フランキー・ワイルドの半生”
カナダ人のMichael Dowse(マイケル・ドース)監督はAC/DC(アッカ・ダッカ)の音楽も使用した2002年のSuper-Rockerのヴァイオレンス・コメディFubar(Fuckin Boo Hoo? Fucked Up Beyond All Repair?)のヒットに続き、今度は”世界的に有名”なD. J. Frankie Wilde(伝説のDJ・フランキー・ワイルド)を題材にしたフェイク・ドキュメンタリー(ブラック・コメディ)です。
メディアも乗ってます! ノリノリ~♪ 世界中のメディア、雑誌の表紙にもフランキー・ワイルドが。 なぜか日本の週間女性にも!
“DJ”とはご存知の通りDisk Jockey(ディスクジョッキー)のことです。 昔はラジオ番組などでトークをしながらレコードを聞かせていた現在でいうパーソナリティーを指したものでしたが、今ではクラブなどでターンテーブルを操って音楽を作る人です。
映画では冒頭のDJ・フランキー・ワイルドのインタビューに続き、やって来ました!イ・ビ・ザ・!
音楽、ディスコ、ダンス、酒、麻薬の饗宴、狂宴!
“耳の聴こえないDJ”というよりは”耳が聴こえなくなったDJ”というべきクラブの人気者である主人公のディスク・ジョッキーのフランキー・ワイルドを英国コメディアンのPaul Kaye(ポール・ケイ)が演じています。 「Notting Hill(ノッティングヒルの恋人)」で(ヒュー・グラント)のルームメイトを演じたRhys Ifans(リス・アイファンズ)にちょっと似てるかも。 その他にはBeatriz Batarda(ベアトリス・バダルダ)がフランキー・ワイルドを救う読唇術教師”Penelope”役です。 撮影は英国はロンドンとスペインの自治州・イビサ島で行われました。 ポール・ケイは日本では知られていませんが、1990年代後期から毎年のようにテレビや映画に出演しています。 この「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のタイトルにも名前が出ている実在の英国大物DJのPete TongやCarl Cox、Paul van Dyk、Lol Hammondなどが自身の役でインタビュー・シーンに顔を出しています。
この「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のタイトル「It’s All Gone Pete Tong」のPete Tong(ピート・トン)は実在のロンドンDJですが、”wife=my war and strife“のように、単に”Cockney”(ロンドン下町言葉)の語呂合わせであり、「It’s All Gone Pete Tong=It has all gone wrong.」 go wrongは”間違った方向に向かう”ですが、”みなこけた”とか”全てがおかしくなった”という意味だそうです。 DJ・ピート・トンの悪口では有りませんし、ピート・トンについての映画でもありませんが、Manumission、Playa d’en Bossa、Pure Pacha、Es Vedra、Renaissanceなどのクラブが出てくるのでイビザに馴染みの人々には嬉しいかも知れません。
☆China Plate(陶器の皿)がMate(友)という例は有名です。
イギリスの都であるロンドンは、貧しかったフランキー・ワイルドがDJの腕を発揮した土地です。 ロンドンで有名になったフランキー・ワイルドは、スペイン領土のバレアレス諸島のイビス島(地中海西部にある)でもディスコ・メッカである有名な”どでかい”クラブ”Manumission”に招かれます。 Manumissionといえばイビザのクラブ・シーンと同義語とも言われています。 Motor City Recordsで出したフランキーのデビューアルバム「FrankieのWilde Fundamentals」が大ヒットして、ひっぱりだことなっちゃいます。 この曲のMP3を探していた方々、見つかったでしょうかね。 私も探しちゃいました。
地中海に浮かぶBalearic Islands(バレアリス又はバレアレス諸島)のIbiza(イビサ又はイビザ島)は1960~1970年代には世界3大聖地という説もあったほどヒッピー天国でしたが、現在はヨーロッパで一番のリゾート地だそうです。 この「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」はその楽園でのクラブ・シーンの中心、マンモス・ディスコで一躍スーパースターになった一人のDJ・フランキー・ワイルドの豪勢な生活からの転落と再起を描いた半生記です。 フランキーは日本の物真似の”コロッケさん”みたいに頭皮が動くのです。 百面相をするのです。 いや、そうじゃない。 ある日、耳がキ—–ンというのです。 幻覚(実は自分)を見るのです。 鼻ミズも垂れます。 フランキー・ワイルドのノリノリDJは豪勢なドラッグのおかげ? 栄華を極めたDJ生活、乱痴気パーティ三昧から一転して予期せぬ出来事に!それはDJがゆえの職業上の危険、つまり耳の障害でした。 このことがDJ・フランキー・ワイルドから音楽を取り上げてしまったのです。 客からもブーイングを食らったフランキーは専門家に耳を託します。 検査。 ほぼ完全に失聴。 麻薬も酒も駄目!
耳が聴こえなくなったDJ・フランキー・ワイルドが再び音楽と関わっていけるようになったカギはフラメンコの踊り子が踏み鳴らすステップに合わせて揺れるグラスへの振動でした。 ”聴く”から”感じる”へ!
イビザのパーティ風景のビデオはParty at Ibiza – fabrique.s54.xrea.comのページ下のPachaとEl Divinoですが音量に注意!・・・これでは耳が悪くなるハズ
イビザはリゾート地ですから行くなら夏場! それ以外は寂しいですよね。
「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のトレーラーはOfficial Website for It’s All Gone Pete Tong(中央のメニュのWatch The Trailerをクリックしてトレーラーを観る)
It’s All Gone Pete Tongはアメリカでは2005年に公開されましたが、日本公開は2006年12月頃の予定です。
ページトップの画像は”It’s All Gone Pete Tong”の輸入版DVD(英語)ですが、こちらは2007年に日本で発売になった「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のDVDです。
フランキー・ワイルドの素晴らしき世界
It’s All Gone Pete Tong Soundtrack
2005年リリースの2枚組フランキー・ワイルドの素晴らしき世界のサウンドトラックの音楽はKilinビールのCMでも御馴染みの作曲者であるGraham Massey(グラハム・マッセィ)です。
It’s All Gone Pete Tong
It’s All Gone Pete Tong
両方とも”Disc One – Day”と”Disc Two – Night”の2枚組ですが、上のリンクは2005年5月発売で下のリンクは6月発売のようです。
♪ 映画「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のオープニング・シーンは狂乱のイビザ・パーティですがバックに流れるロンドンのサイケ・バンドのSchwab(シュワッブ)が歌う”DJ’s in a Row”も収録されているサントラ(Original Soundtrack)のDisc 1 とDisc 2 の試聴はOst: Pete Tong – Its All Gone Pete Tong – Allmusic.com
“DJ”がテーマの映画だけあってもちろんピート・トン自身や、The Graham Massey Remixをはじめ、ミックスが多いJames DomanとBen Cherrillの選曲によるコンピレーションです。
変わったところでは
ディスク1(ダウン・テンポ系—なんじゃ?)-9番 Parlez Moi D’Amour(聞かせてよ愛の言葉を)は耳が聞えなくなって一人ぼっちになったフランキーがPierro le Fou(気狂いピエロ)の真似事までして自暴自棄の生活を始める前に流れます。 このレトロなシャンソンは1930年に作られ”Parlez-moi d’amour”で有名なLucienne Boyer(リュシエンヌ・ボワイエ)が歌ってディスク大賞を得た歌です。
リュシエンヌ・ボワイエの”聞かせてよ愛の言葉を”が聴きけるwfmuラジオのプレイリストはPlaylist for Irwin – May 21, 2003(Listen to this show in RealAudioをクリックしてクリップ・ポジション(再生バー)を2:41:46に移動)
ディスク1-10番 話題のリミックスNeed to Feel Loved(Deline BassをフィーチャーしたReflekt の演奏)
ディスク1-18番 The Beach BoysのGood Vibrations
アルバムSmiley Smile/Wild Honey(1990年)のGood Vibrations (Various Sessions)はThe Beach Boysの最高傑作といわれるモジュラー・レコーディング
ディスク2(ダンス系)-11番 Can You Hear Me Now? – Doublefunk(フランキー・ワイルド(?)のクラブ・ミックス)など聴いてみて下さい。
Downtempo Beats(ダウンテンポ)は最新の人気の音楽スタイルのひとつなんだそうで、良くは分かりませんが欧米で定着しつつあるゆるいテンポのヒップホップやジャズやレゲの要素を持ったエエレクトロニック・ミュージック(テクノ音楽)だそうで、エレクトロニカ、ニューエイジ、ジャズなども含むそうです。 代表的なバンドはオーストリアのKruder & Dorfmeister(クルーダー&ドーフマイスター)、ドイツのStereo Deluxe(ステレオ・デラックス )、アメリカのThievery Corporation(シーヴェリー・コーポレーション)などだそうです。
♪ Kruder & Dorfmeister – Tango Spellbound
☆クラブ・シーンの大御所的存在の本物のPete Tongはアルバム「Essential Mix 2001」と「Twisted Beats 2001」などをリリースしていて、2004年のIBIZA(イビザ)の大ヒットは「Lola’s Theme」なんだそうですが見つかりませんが、ノマノマと”♪ Dragostea Din Tei(恋のマイアヒ)”までミックスしたUKユニットのThe Shapeshifters(ザ・シェイプシフターズ)のバージョンがありました。
♪ The Shapeshifters – Lolas Theme – Amazon.com
イビザの雰囲気が伝わるコンピレーションCDに「The Ultimate Ibiza Album」というのもあります。
(試聴はUltimate Ibiza Album – Amazon.com)
☆ブロガーのpetit4000さんの情報によると、イギリスの人気クラブ(DJ)雑誌Mixmagの6月号の付録はこの「フランキー・ワイルドの素晴らしき世界」のプロモDVDなんだそうですよ!
Hummus・・・ I was thinking, you know Paul Newman’s got his salad dressing and that? So why not Frankie Wilde Hummus?
振動から音を感じてCDを作り出した耳の聞えないDJは話題となり、フランキー・ワイルドは再び人気者となったのです。 首振り人形からドリンクまでフランキー・グッズが飛ぶように売れます。 ところで、フランキーワイルドのセリフにあるPaul Newman(ポール・ニューマン 2008年死去)のサラダ・ドレッシングとはMcDonald’s UK(イギリスのマクドナルド)が使用しているものだとか。 1982年から無添加良質のAll natural Paul Newman’s own(無添加良質ポール・ニューマンブランド)のサラダ・ドレッシングなどが販売されていたそうです。 それに対抗して、フランキー・ワイルド曰く、『ポール・ニューマンがやってるんだから俺もFrankie Wilde Hummus(フランキー印のフムス)をやってもいいじゃん?』と言っているのです。 フムスというのはギリシアや中東などの平たくて中が空洞なPita(ピタ)と呼ばれるパンに塗るペーストのことです。 ヒヨコマメを油、ニンニク、レモン汁などと混ぜてペースト状にしたもので家庭の常備食品です。