サタデー・ナイト・フィーバー (1977年)
下町ブルックリンの若者がキングになれるのは? ディスコしかない!
「サタデー・ナイト・フィーバー」はイギリス出身のJohn Badham(ジョン・バダム)監督の第二作目であり代表作となった作品で、1978年のオスカーにノミネートされたディスコ時代のディスコダンス映画です。 あれだけ激しい練習を積んで臨んだダンスコンテストの当日、めでたく優勝したものの審査員の人種的な差別を感じ取ったトニー・マネロはトロフィーをラテン系のカップルに手渡すと会場を後にしたのでした。 このことにより「サタデー・ナイト・フィーバーのトニー」はラテン系の国ではヒーローとなりました。 この映画出演のために毎日3キロのジョギングと3時間のダンスレッスンで10キロの減量をしたJohn Travolta(ジョン・トラヴォルタ又はジョン・トラボルタ)は、トニー・マネロ役を演じて大スターとなりました。 「サタデー・ナイト・フィーバー」がディスコブームの先駆けとなって、ディスコティックで踊るための音楽が一般のリスナーに聴かれるようになったそうです。 ちなみにディスコ(discothèque)というとトラボルタの「サタデー・ナイト・フィーバー」が火付け役となったようですが、その前の1960年終わり頃に赤坂のムゲンが開店し物見遊山で入った記憶があります。 ”ゴーゴー・クラブ”と呼ばれたディスコの中程のホールではミラーボールが回転しストロボを焚いて目眩がしそうな上轟音の音楽で這々の体で退散しました。 1965年頃に始まった単純なステップの激しいダンスがアメリカでGo-go(ゴーゴー)と呼ばれたそうです。
ジョン・バダムといえばリチャード・ドレイファスが刑事を演じた1987年の「張り込み」、1995年にジョニー・デップが主演した「ニック・オブ・タイム」などががありますがテレビ・ドラマが多い監督です。
Dancing John Travolta in Saturday Night Fever – YouTube
John Travolta Dance – Saturday Night Fever – YouTube
「サタデー・ナイト・フィーバー」のトレーラーはSaturday Night Fever – Imdb.com
☆1993年から1999年に放映されたTVシリーズの「The Nanny」に出演していた悩殺女優のFran Drescher(フラン・ドレシャー)が「サタデー・ナイト・フィーバー」ではコニー役でカメオ出演しています。(例の有名なディスコシーンの直前にトラヴォルタと踊ったハイネック・ノースリーブの水色ドレスの女の子)
海外の某サタデーナイト・フィーバー狂はこの映画を何10回も観た挙句の果てに例の白いスーツも買ったんだそうです。 トニーがダンスコンテストで着用したあの白いスーツは、始めは黒の予定でしたが相手役の女の子が着る赤いドレスよりも目立つようにと白に変えたんだそうですよ。 トラボルタが映画で着用したその白いポリエステル製のスーツはオークションで$145,000(約1500万円)で競り落とされたそうです。
♪70年代は、デスコでフィーバー!”ハッスル!ハッスル!”でしたなぁ ♪
What you doin’ on your back aah
What you doin’on your back aah?
You should be dancing, yeah
ベースを効かせてサルサにファンクを混ぜたようなディスコ音楽が一般のリスナーに好まれるようになったのはこの映画のオカゲでしょう。 映画のオープニングに流れた曲がトラボルタがThe Bee Gees(ビー・ジーズ)作曲の1976年ヒット曲”Stayin’ alive”で、あの有名なダンスコンテストで使われた曲が同じくビージーズの”You Should Be Dancing”でした。 Stayin’ aliveとは生き抜く…大都会、特にニューヨークで生き残るという意味合いが込められています。
1997年にもディスコで働く若者を描いた「Boogie Nights(ブギーナイツ)」がありましたが、こちらはディスコ・キングではなくポルノ・キングでした。
The Bee GeesのYou Should Be Dancingの歌詞はYou Should Be Dancing – lyricsfreak.com
Stayin’ Aliveの歌詞もStayin’ Alive – lyricsfreak.com
John Travolta
「サタデー・ナイト・フィーバー」でヒスパニック系への差別に激怒したトニーを演じたジョン・トラヴォルタもラテン系かと思ったのですが父親がイタリア系アメリカ人で母親がアイルランド系アメリカ人でアイルランド系の環境で育ったようです。 「サタデー・ナイト・フィーバー」に出演するちょっと前のトラヴォルタが1978年に「グリース」同様ランダル・クレイザーが監督したテレビドラマ「The Boy in the Plastic Bubble(プラスチックの中の青春)」で知り合った母親役を演じた18歳年上のテレビ女優との短期の交際がありましたが彼女は2年の闘病(乳癌)の甲斐も無く、まるで映画さながらの悲劇に終わったとか。 トラヴォルタが次の女性(妻のケリー)に出会うまでは長いブランクがあったのも(もしかして映画でのスランプも)この衝撃が忘れられなかったのでしょうか。 その後、「クリスティーン」でチアガール役でメジャーデビューし1988年の「エキスパーツ」でトラボルタと共演したKelly Preston(ケリー・プレストン)とトラボルタが32歳の1991年に結婚して2児を設けました。 息子を亡くしたり妻を乳癌で失う悲劇もありました。 そのジョン・トラヴォルタは「サタデー・ナイト・フィーバー」の前年1976年にBrian De Palma(ブライアン・デ・パルマ)監督のオカルト映画「Carrie(キャリー)」でヒロインの頭上から豚の血をぶっかけたため計画の張本人であるキャリーのクラスメイトと共に車ごと炎上するいかれたチンピラを演じていました。 「Rock ‘n’ Roll High School(ロックンロール・ハイスクール)」で主演したP.J. Soles(P・J・ソールズ)がその「キャリー」に出演しています。 「サタデー・ナイト・フィーバー」の後に続くは同じく青春映画の「グリース」でしたが同年に年増に恋する「Moment by Moment(年上の女)」は混浴ジャグジーでの全裸シーンが衝撃でした。(トラヴォルタは出演映画を選ばない?) 1978年の「グリース」を監督したRandal Kleiser(ランダル・クレイザー)とは1976年の「プラスチックの中の青春」でも一緒に仕事をしています。
トラヴォルタが煌めくディスコボールの下で踊る「サタデー・ナイト・フィーバー」のポスターが人気でした。
ポスターといえば、トラボルタが演じたトニーの部屋に1976年の映画「Rocky(ロッキー)」のポスターが貼ってありましたね。 「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編「Stayin’ alive(ステイン・アライヴ)」は、1983年にそのロッキーの主役を演じたSylvester Stallone(シルヴェスター・スタローン)が監督した映画なんです。 ディスコ・キングから映画スターを目指す男のストーリーで、主役はモチロン、トラボルタ!でシルヴェスター・スタローンがカメオ出演しています。 なんだか、チリ・パーマーのケースにそっくりですね。
1977年全米1位のヒットだったThe Bee Geesの初ヒット曲”Stayin’ alive(ステイン・アライヴ)”にオンブしたようでしたが。 そして「パルプ・フィクション」でUma Thurman(ユマ・サーマン)とのダンス・シーンが話題となりトラボルタが返り咲いたのです。(何度も再浮上する不死身の男、トラヴォルタ!)
Saturday Night Fever DVD
ページトップの画像は2002年にリリースされたAmazon.comにある「Saturday Night Fever」のRegion 1(英語)DVDですが、下記は画像が違いますが2008年発売の「サタデー・ナイト・フィーバー」のDVDです。
サタデー・ナイト・フィーバー 製作30周年記念版 デジタル・リマスター版 スペシャル・コレクターズ・エディション
Saturday Night Fever Soundtrack
このディスコダンス・ミュージックのSaturday Night Fever -Original Motion Picture Soundtrack(サウンドトラック)はThe Bee Gees(ビー・ジーズ)のマネージャだったRobert Stigwood(ロバート・スティグウッド)がプロデュースしました。 この6年後にMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)の「Thriller」がリリースされるまではずっとナンバーワン!(そのマイケル・ジャクソンは期せずして2009年6月に急逝しました)
Saturday Night Fever: The Original Movie Sound Track
☆ 名曲と呼ばれるビー・ジーズのエモーショナルな”How Deep Is Your Love(愛はきらめきの中に)”などと共にサウンドトラックに収録されている中の一曲でDavid Shire(デヴィッド・シャイア)自作自演の”Manhattan Skyline”は予告編やプロモで流れて、これ又有名になりました。 サントラの中で1977年にギブ兄弟が作ったディスコ曲”If I Can’t Have You(アイ・キャント・ハヴ・ユー)”はグラミー賞受賞者でもあるホノルル出身の日系人Yvonne Elliman(イヴォンヌ・エリマン)が歌って1978年の全米シングルチャートで第1位に入りましたが、ビー・ジーズも一ヶ月後にシングル盤”Stayin’ Alive”のB面に吹き込んだそうです。
Bee Gees’ Album
ザ・ビー・ジーズといえば日本では1967年の”Massachusettes(マサチューセッツ)”が大ヒットしていますが、日本だけのヒット曲と言われる”First of May(若葉のころ)”は1996年のKinKi Kids(キンキ・キッズ)のテレビドラマでのテーマ曲ですが、それも収録した国内盤アルバムです。
グレイテスト・ヒッツ
♪ 試聴はTheir Greatest Hits: The Record – Archive.org
アルバムのディスク1に収録されているNew York Mining Disaster 1941(ニューヨーク炭鉱の悲劇)はギブ兄弟が作った1967年のデビューシングルです。 アルバムのディスク2に収録されている”Night Fever(恋のナイト・フィーヴァー)”は1977年のナンバーワン・ヒットでした。
♪ Bee Gees – Night Fever 1977 – YouTube
これも日本だけのヒット曲”Melody Fair(メロディ・フェア)”は美少年のマーク・レスターが主演した1970年の映画「Melody(小さな恋のメロディ)」のテーマ曲ですが、「若葉のころ」とのシングル盤「メロディ・フェア」がリリースされています。
イギリス(イングランド)出身のポップグループであるビージーズは長男のBarry Gibb(バリー・ギブ)と双子のMaurice Gibb(モーリス・ギブ)とRobin Gibb(ロビン・ギブ)の兄弟で結成されました。 ロビン・ギブは2003年に亡くなったモーリス・ギブと同じ腸閉塞から結腸がんを患い2012年5月に亡くなりました。
ジョン・トラボルタのアルバム
☆ ジョン・トラボルタはダンスが上手いのは衆知の事実ですが、歌手としてのジョン・トラボルタをご存知ですか? 70年代はファルセット!
1960年前後に人気アイドルだったFrankie Avalon(フランキー・アヴァロン)も出演し”Beauty School Drop-Out”を歌った1978年のフィフティーズのパロディ映画「Grease(グリース)」でダニーを演じたトラボルタはOlivia Newton-John(オリビア・ニュートン・ジョン)と共演して一世を風靡しました。 「グリース」のダンスコンテストでジャッジするヴィンスが「サンセット77」のクーキーことEdd Byrnesでチャチャとダニーのコンビが選ばれました。 この5年後の1983年に再び二人がコンビを組んだ映画は「Two of a Kind(セカンド・チャンス)」でしたが好評とは言えませんでした。 カントリー歌手だったオリビア・ニュートン・ジョンはこれでディスコ・クィーンとなりました。 その後、20年余り乳癌のため闘病していましたが2022年に脊髄に転移して亡くなリました。(トラボルタの初恋の女性も乳癌でした) トラボルタが「サンセット77」のクーキーみたいにリーゼントを櫛で撫で付け、50年代のティーンズ・アイドルだったSandra Dee(サンドラ・ディー)の歌(Look at Me, I’m Sandra Dee)も出てくる映画「グリース」のサントラはフィフティーズがいっぱいです。 ビー・ジーズのバリー・ギブが作った「グリース」のテーマ曲”Grease”はFrankie Valli(フランキー・ヴァリ)が歌いました。 ”Beauty School Drop-Out”を歌ったフランキー・アヴァロンは1960年のJohn Wayne(ジョン・ウェイン)の「The Alamo(アラモ)」では最年少で唯一人生き残ったSmitty(スミティ)役を演じました。 ちなみにジョン・トラボルタはこの「グリース」の後、ロデオ・マシーンに夢中になる若者を演じた1980年の「Urban Cowboy(アーバン・カウボーイ」に出演した頃からゲイ?との噂が囁かれ始めたそうです。 嘘か真か、トラヴォルタに聞いてみよう!
Grease Original Motion Picture Soundtrack
♪ 試聴はGreased Lightnin’ – レコチョク
Greased Lightnin’
トラヴォルタの最大ヒットと言われる”Let Her In”の他、オリビアとのデュエット曲はないですが、映画「Grease」からオリジナル・ソロ曲の”Sandy”や”Greased Lightnin'”など、カバー曲を収録した1996年のCDは「Greased Lightnin’」(ASIN: B00005YLZJ)
♪ 試聴はGreased Lightnin’ – CDandLP.jp
Audio-Visual Trivia内のジョン・トラボルタの出演映画
ゲット・ショーティ(1995年)
ソードフィッシュ(2001年)
炎のメモリアル(2004年)
ラブソング・フォー・ボビー・ロング(2004年)
ビー・クール(2005年)
ひょ~~なつかしい~
ってまだ見てない私・・
映画ファンとして反則?ですかね~
それにしてもビージーズ兄弟って結構みなさん早死にですよね。アンディ・ギブも早く死んでしまったし・・
anupamさん、今晩は♪
なんか馬鹿らしい映画かと思って、実は私も公開当時は観ませんでした。 ところが、トラボルタのダンスシーンは、うんもう~見とれます。 それに一連のトラボルタ映画の原点でもありますからゼヒご覧下さい。 それにしてもあの頃の男性歌手ってかなり高音ですね。
それではお休みなさい。 zzz
こんばんは。koukinobaabaさん。ここにくるといつも長居しちゃいます。だって一杯アトラクションで遊べるんですもの。ため息もんです。ビージーズ。懐かしいですねー。“Suturday Night Fever ”をDLしちゃいました。
一言お礼を。
PS.
“アメリカングラフィテイ”はご趣味ではありませんか。ジョージルーカスの違う一面も覗くことができて又いつかみたいので・・・
ずうずうしいリクエストでした。
tikiさん、「アメリカングラフィテイ」のリクエスト有難うございます。さっそく取り掛かりたいと思います。