“Lolita, light of my life, fire of my loins. My sin, my soul.”
Lolita (1962)
「ロリータ」 この映画からロリータ・コンプレックスつまりロリコンなる言葉が生まれたのです。 この意味はちと軽すぎますが。
過去にダメージを受けている中年男の12歳の少女に対するエロティックな妄想を描いたVladimir Nabokov(ウラジミール・ナボコフ)の小説「Lolita」をStanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)監督が映画化しました。 ロシア生まれでアメリカ人のナボコフが1955年に書いた小説には原作としてドイツ人作家であるハインツ・フォン・リヒベルクが1916年に書いた「Die verfluchte Gioconda」に登場するロリータがモデルではないかと云われています。(1951年に死亡)
ウラジミール・ナボコフ自身が映画の脚本を手掛けているとはいえ、社会の掟と欲望の狭間で苦悶し、滅びていく中年男をスタンリー・キューブリック監督は自分流の人物研究の題材として捉えていて考察し、悲劇というよりは真っ黒けのブラック・コメディとなっています。 なにしろ我が愛する可愛い天使のロリータの母親、つまり自分の妻をデブ牛呼ばわりし、その結果、牛が車に轢かれたらラッキー! やっとロリータを獲得出来るんですから。 一方、哀れな妻は皮肉にもこれでやっと病魔と嫉妬という苦痛から逃れることが出来たでしょう。 永遠に。
ロシアの貴族出身の作家でアメリカに帰化したウラジミール・ナボコフは1948年から1953年にかけて「ロリータ」を書き上げたそうです。 不道徳な37歳の中年男と12歳の少女の性倒錯(少女偏愛)を描いた小説「Lolita」の初版は1955年にフランスのポルノ関連出版社から発行されています。 イギリス同様、日本でも1959年に大久保康雄氏による翻訳本が出版されました。 ベルリン時代のナボコフがVladimir Sirin(ウラジーミル・シーリン)名義で1928年に書いた小説「King, Queen, Knave(キング、クイーン、そしてジャック)」は1972年にJerzy Skolimowski(イエジー・スコリモフスキ)監督で映画化され両親を失ったフランクを「First Love(初恋)」のJohn Moulder-Brown(ジョン・モルダー=ブラウン)が演じその叔父夫妻をDavid Niven(デイヴィッド・ニーヴン)とGina Lollobrigida(ジーナ・ロロブリジーダ)が演じました。 原作は未読なので比較できませんが監督及びキャストは素晴らしいのに映画はまったく面白くありません。
☆ ちなみにロシア人の小説家のウラジミール・ナボコフがハーバード大学で蝶の研究をしていて「ナボコフの蝶」(ISBN-10: 4105056093)は有名だそうです。
映画「ロリータ」は、美しい少女に道ならぬ恋をしてしまったがために苦しみ抜いて自滅していく哀れな教養のある中年紳士とその男を無邪気に弄ぶ恐るべき少女のロリータの官能的とも滑稽とも取れるストーリーです。 映画の中で精神分析学者のジークムント・フロイト博士の理論にある性欲を駆動するLibido(リビドー)なんて心理学の専門的用語も飛び出します。
「ロリータ」のあらすじ
出演者は英国俳優のJames Mason(ジェームズ・メイソン)が品良くカモフラージュされてはいるものの小児愛者(pedophile)のProf. Humbert(ハンバート教授)役を演じて物語の語り手もつとめます。 原作者のウラジミール・ナボコフは当時ハリウッドでは15歳にしてセックスシンボルといわれたTuesday Weld(チューズディ・ウエルド)をロリータ役に望んでいたそうですが、それはSue Lyon(スー・リオン)に決定されました。 裏話としては本来はレイプ事件や殺人で逮捕されたというロリコンの悪名高き活劇俳優のErrol Flynn(エロール・フリン)と15歳からフリンの恋人だったBeverly Aadland(ビヴァリー・アードランド)が教授とロリータ役をまさに地で演じるはずだったのがスキャンダルのせいでジェームズ・メイソンとスー・リオンに交代したのだとか。(二人の関係は2013年の映画「The Last of Robin Hood(ラスト・スキャンダル あるハリウッドスターの禁じられた情事)」で描かれています) ちなみに15歳でロリータを演じたスー・リオンは2019年12月に73歳で亡くなりました。 この映画「ロリータ」で人格崩壊が始まったというスー・リオンは17歳から39歳までに4度結婚離婚を繰り返し、二番目の黒人フットボール選手との間に子供があったそうです。
一方、ハンバート教授を演じたジェームズ・メイソンはニヒルを演じられる無冠の名優と呼ばれました。 1943年の「The Man in Grey(灰色の男)」で粗野で冷酷な公爵を演じ、1947年にCarol Reed(キャロル・リード)監督の名作「Odd Man Out(邪魔者は殺せ)」でテロリストを演じ、1952年の「Five Fingers(五本の指)」でスパイ行為をするトルコの英国大使執事ディエロを演じ、1954年に「20,000 Leagues Under the Sea(海底二万哩)」ではネモ船長を演じるなど100本の映画に出演しましたが1984年に心臓発作により75歳で亡くなりました。
映画「ロリータ」のキャストはロリータの母親をShelley Winters(シェリー・ウィンタース)が演じる他、もう一人のロリータに惑わされる男はロリータが通った演技スクールの先生で小児性愛癖(pedophile)があるプロデューサー(脚本家)のClare Quilty(クレア・キルティ又はクィルティ)が登場します。 1960年にSophia Loren(ソフィア・ローレン)が主演した「The Millionairess(求むハズ)」にも出演したコメディアンのPeter Sellers(ピーター・セラーズ)が演じるロリコンのキルティはまるでハンバート教授の分身のようでもあり狂言回し役(重要な役どころ)のようでもあります。 イギリス人のピーター・セラーズがキルティを演じた時にはアメリカのアクセントで喋っていますが、以前に出合ったレコード・プロデューサーのNorman Granz(ノーマン・グランツ)のイントネーションを模したのだそうです。 この後1964年にピーター・セラーズはスタンリー・キューブリックが監督した「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(博士の異常な愛情)」で狂気のDr. Strangelove(ストレンジラヴ博士)と英国大佐と大統領など三役で主演していますが、TV界のWilliam Sterling(ウィリアム・スターリング)が監督した1973年の「Alice’s Adventures in Wonderland(不思議の国のアリス)」ではロリータ・コンプレックス(少女愛者)神話もある原作者のLewis Carroll(ルイス・キャロル)を演じました。 ちなみに四度結婚したセラーズの3番目の妻はまさに一目惚れしたロリータちゃん、1974年の「007/黄金銃を持つ男」でボンドガールのグンナイ(Goodnight)を演じたスウエーデン女優のBritt Ekland(ブリット・エクランド)でした。 ちなみにエクランドは心臓発作に見舞われたセラーズと4年で離婚後Rod Stewart(ロッド・スチュワート)などと交際し、42歳の時23歳のSlim Jim Phantom(Stray Catsのドラマー)と8年間結婚しました。
☆ ロッド・スチュワートとの交際中にはの”Tonight’s The Night (Gonna Be Alright)”という曲の終盤にエクランドのフランス語のセリフが入れられました。 J’ai un peu peur de ce que ma mère va dire. Mon amour, approche-toi, embrasse-moi. Oh, je t’adore tellement. Ce soir mon ami, oui ce soir mon ami. je t’aime, je t’aime, je t’aime.
キューブリック監督が1944年にWilliam Makepeace Thackeray(サッカレー)が書いた小説を映画化した1975年の「Barry Lyndon(バリー・リンドン)」は惜しくもアカデミー賞の監督賞は逃しましたが、燭台の蝋燭の炎を美しい映像のジョン・オルコットが撮影賞を獲得しています。 「ある愛の詩」や「ペーパー・ムーン」のRyan O’Neal(ライアン・オニール)が演じた貧しいアイルランド青年のレドモンド・バリーが”わらしべ長者”のように幸運に恵まれ最後には貴族となっていきます。 バリーが愛する女性をかけて決闘を挑んだクィン大尉を演じたLeonard Rossiter(レナード・ロシター)が愉快。
ハンバート教授には何の興味も湧かなかったロリータですがキルティには付いていってしまいます。
ロリータの母親を演じるシェリー・ウィンタースは珍しいコミカルな演技で喧しくてケバケバしい未亡人ですが、ハンバート教授との結婚はおそらく生活のためでしょう。 もっともハンバート教授の方は娘のロリータが目的ですが。 たじたじの教授を誘惑するためにダンスのチャチャチャを伝授するこの未亡人が何故フランス語を交えて話すの教授の母国語だからでしょうが、関心を買うためにしても何故煙草を吸うのかは不明です。
フランス人のハンバート教授は田舎で休暇を過ごすために探した下宿先の奥さんに気に入られますが、教授の方はその娘でのロリータに夢中になってしまいます。 ロリータのために結婚を承諾した教授はうるさい妻を抹殺する完全犯罪のストーリーまで考える始末。 この時構えてみせていた拳銃は予行演習のようなもので後に別の人間に向けて弾丸が発射されました。 さて、夫の日記を読んでしまい教授が自分の娘を愛している事実を知った奥さんは錯乱して豪雨のなか家から飛び出し交通事故で死んでしまいます。 もともと先天性の肝臓機能障害を持つ母親はどっちみち長生きは出来なかったことを知った教授は、罪悪感など存在しないかのごとくに、高校サマーキャンプの宿舎にいた少女を引き取り、高校からも引っ張り出して少女との蜜愛の時を過ごそうと恋の逃避行、いや誘拐旅行をするのでした。(ロリータの申し出でもあるが) パーティで出会って以来、ロリータに目をつけた危なそうな男はロリータのいた町に住んでいた演技指導(プロデューサー)のキルティですが高校の心理学教授にまでなってロリータに近かづこうとしたロリータ・コンプレックスの持ち主です。 ハンバート教授にとっては迷惑千番な存在でしたが、泊まったホテルで父娘カップルが出っくわしたのもクレア・キルティなんです。 最後にはとうとう風邪をひいて熱で入院していたロリータを伯父と偽って連れ去ったのです。 一見ノーマル(正常)に見えるハンバート教授と見るからにアブノーマルなキルティの攻防です。 いくらポルノ映画出演を拒否したからって妊娠したロリータを捨てた憎っきキルティ!を射殺した教授でしたが、ロリータが愛した男はキルティただ一人だったというのがなんとも不条理。
ロリータとの甘い生活(セックスではない)を夢見たハンバート教授ですが、ところがどっこい、ロリータに心の内を読まれて恋の奴隷と化してしまいます。 過去のトラウマから少女にしか愛を感じなくなったロリコン病の中年男が妖精(ロリータ)に会って癒されたどころか余計精神に異常をきたしたという悲劇です。 類似したストーリーの映画には中年の政治家とその息子の嫁と禁断の愛を描いたルイ・マル監督の1992年の映画「Damage(ダメージ)」がありますが、どちらも悲惨な結末を迎えます。
ロリータの母親を演じたシェリー・ウィンタースですが、なぜか1954年に出演したSilvana Mangano(シルヴァーナ・マンガーノ)主演の「Mambo(マンボ)」でも絶望して飛び出し車に跳ねられて死亡しています。
映画「ロリータ」ではチャチャチャを踊ったシェリー・ウィンタースも出演した1954年の「Mambo(マンボ)」についてはPerez Prado(ペレス・プラード)を参照。 2006年に亡くなりましたが、息の長い女優だったシェリー・ウィンタースは1976年にPaul Mazursky(ポール・マザースキー)が監督した「Next Stop, Greenwich Village(グリニッチ・ビレッジの青春)」以降もミレニアムまで映画に出演し続けました。
冒頭に宣伝が入りますが、”ロリータ、ヤーヤー”が流れフラフープ・シーンも見られるロリータのトレーラーはLolita Trailer – Turner Classicmovies
「ロリータ」の写真やビデオが見られる50 Years Later, ‘Lolita’ Still Seduces Readers – NPR(スピーカーアイコンとビデオアイコンをクリック) ビデオは下宿探しの教授が庭で日光浴をしているロリータを見てある衝撃を受けて即!部屋を借りることにしたシーンです。
Lolita Original Trailer (1962) – YouTube (with horrible noise, Lost scene 1 to Lost scene 8)
Scenes from Lolita (1962) – YouTube
下記は2003年発売の国内版ワイドスクリーンDVD(白黒)ですが現在はどの商品も入手困難です。
ロリータ
下記の画像は初版が1959年の「ロリータ」の大久保康雄翻訳の文庫本ですが現在は入手困難です。
ロリータ(ISBN-10: 4102105018)
☆ Vladimir Nabokov著の原語版(英語)で中身が覗けるLolita (Vintage International) [ペーパーバック]もあります。
Lolita Soundtrack – Lolita Ya Ya
ページトップの画像は1962年のオリジナル「Lolita」のサウンドトラックですが2010年に発売されたCDです。 リスト中程の”Lolita Ya-Ya”はロリータを演じたスー・リヨンの歌声です。
音楽をNelson Riddle & his Orchestra(ネルソン・リドル)が手がけた映画「ロリータ」のテーマ曲である”Lolita Ya Ya(ロリータ、ヤー・ヤー)”は映画史上でも最も覚えやすくて忘れられない曲の一つですが、70年代にデビューした日本のデュオでCHAGE and ASKAが1993年に歌った”YAH YAH YAH”を聞いて…ロリータ???となりました。 冒頭のシーンで教授が初めてロリータを見た時に流されるこの曲を聴いたら、貴方も暫くは頭の中で「ヤーヤー♪」が鳴っているでしょう。 ロリータヤー・ヤーは不謹慎にもロリータの母親の事故死直後に教授が風呂で一杯やりながら至福の時を過ごすシーンでも流れます。 「ロリータ」のサントラにはロリータの母親が虚しくも教授の気を引こうと踊るチャチャチャなどの音楽だけでなく映画の中のセリフ入りシーンの音声も収録されています。ロリータとは何の関連も無い2014年の映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」でグレース王妃(ニコール・キッドマン)が子供と遊ぶシーンで”Lolita Ya Ya”が流れます。
♪ ネルソン・リドル音楽の「ロリータ」OST(サントラ)の試聴はLolita – Original Motion Picture Soundtrack (Nelson Riddle and His Orchestra) – レコチョク
♪ Lolita: Lolita Ya Ya – Nelson Riddle & His Orchestra
ネルソン・リドルの「ロリータ」のテーマ曲”Lolita Ya Ya”が聴けるwfmuラジオのPlaylist for Do or DIY with People Like Us – December 31, 2003
(Listen to this show: Pop‑up player!をクリック、もしくはlolitaで検索、右の0:17:43をクリックですが、前の曲のラストがちょっと残ってしまっています。曲の間にハンバート教授の語りも聴けるので辛抱!)
Lolita (1997)
1962年「ロリータ」のリメイク映画
1997年にAdrian Lyne(エイドリアン・ライン)監督により「ロリータ」がリメイクされていますが、映画の中での妻殺害のシュミレーションが怖い。 こちらのハンバート教授は「ダメージ」のJeremy Irons(ジェレミー・アイアンズ)で、ロリータを演じたのはDominique Swain(ドミニク・スウェイン)です。 ロリータの母親は1988年に「Working Girl(ワーキング・ガール)」で主演したMelanie Griffith(メラニー・グリフィス)です。 メラニー・グリフィスは1963年のヒッチコック映画「The Birds(鳥)」に主演した美女のTippi Hedren(ティッ ピ・ヘドレン)とPeter Griffiths(ピーター・グリフィス)との娘で、1981年にNoel Marshall(ノエル・マーシャル)監督の猛獣コメディ「Roar(ロアーズ)」に当時ギリフィスの妻だったティッ ピ・ヘドレンと家族総出演しています。 ドミニク・スウェインは翌年の1997年にJohn Travolta(ジョン・トラヴォルタ)とNicolas Cage(ニコラス・ケイジ)が共演したアクション映画「Face/Off(フェイス/オフ)」でトラヴォルタの娘役を演じましたがその後は日本未公開の映画ばかりでした。
イギリス人のエイドリアン・ライン監督は1980年の青春映画「フォクシー・レディ」に始まり1983年の「フラッシュダンス」、1985年の「Nine 1/2 Weeks(ナインハーフ)」、ラストのバスタブシーンが怖い1987年の「Fatal Attraction(危険な情事)」と作品は少ないですがエロとサスペンスの話題作を発表してきました。
Lolita Trailer (1997) – YouTube
Lolita: Original Soundtrack By Ennio Morricone
1997年にリメイクされた「ロリータ」のサウンドラックの音楽はEnnio Morricone(エンニオ・モリコーネ)作曲ですが、”When I Grow too Old to Dream”という歌で第二次大戦時の人気歌手だったイギリスのVera Lynn(ヴェラ・リン)が1945年に歌った”I’m in the Mood for Love”(夢見る頃を過ぎても)、ジャズ歌手のElla Fitzgerald(エラフィッツ・ジェラルド)の”Tain’t What You Do”(Tain’t=it ain’t)、ビッグバンドのArtie Shaw(アーティー・ショー)が演奏する”Stardust”、イタリア系ジャズミュージシャンのLouis Prima(ルイ・プリマ)の”Civilization(Bongo, Bongo, Bongo)”、戦後人気だった歌手のEddy Howard(エディ・ハワード)の”I Wonder, I Wonder, I Wonder”などのスタンダードが収録されています。 この他に1947年に録音したサックス奏者のDusty Fletcher(ダスティ・フレッチャー)が作ったと主張したコミカルな”Open the Door, Richard”を1946年録音のJack McVea(ジャック・マクヴィ)のバージョンで収録されています。
サックス奏者でスタジオバンドのリーダーだったジャック・マクヴィが歌う”Open the Door, Richard”の試聴は2012年発売のアルバム「Jump Jack」(試聴可)Open the Door, Richard (Jump Jack) – CDandLP.com
Lolita: Original Soundtrack By Ennio Morricone
2003年リリースの国内盤の「ロリータ オリジナル・サウンドトラック」(ASIN: B0000CD8HHやASIN: B00005EH92)もあります。 モリコーネのサントラの試聴はLolita [1998 Original Score] – Billboard-japan.com
Lolita Syndrome
ロリータ・コンプレックスを短くしてロリコンともいいますが日本では単に可愛いフリフリの服装をした女の子が好きなことを指すことが多そうです。 この言葉はフランスの作家のSimone de Beauvoi(シモーヌ・ド・ボーヴォワール)が1960年に出版した「”Brigitte Bardot and the Lolita Syndrome (ブリジット・バルドーとロリータ・シンドローム)」で有名になった言葉らしいです。 欧米での概念ではロリータ・シンドローム(Lolita Syndrome)というのは成人男子による思春期少女への性的な関心のことをいいます。 ロリータ年齢は12から13歳頃から最高で18歳まで、思春期児童への性的嗜好はエフェボフィリア(Ephebophilia)と呼ばれ、思春期以前の児童へ向かう性的嗜好は小児性愛、つまりペドフィリア(Pedophilia)あるいは病的な精神障害のパラフィリア(paraphilia))となり、精神医学上では性倒錯又は異常性欲嗜好といわれます。 こうしてみると精神的な愛(プラトニック)のロリコンはけっこうましな方かもしれません。
☆Audio-Visual Trivia内でペドフィリアをテーマにした映画は日本未公開ですが2004年のケヴィン・ベーコン主演の「The Woodsman」です。
ロリータは可愛いファムファタル
余談ですがファムファタル映画も色々あり、息子の結婚相手(嫁)に溺れる父親を描いた「ダメージ」もおぞましいですが、真面目な初老の教師がクラブの踊り子の足に魅せられ身を持ち崩していく1959年の「The Blue Angel(嘆きの天使)」も悲壮なものがあります。 この「嘆きの天使」でImmanuel Rath(イマニュエル教授)はドイツの名優のCurd Jürgens(クルト・ユルゲンス)が演じています。 「嘆きの天使」で踊り子のLola-Lolaを演じたのはプラチナ・ブロンドが美しいMay Britt(メイ・ブリット)でした。
Audio-Visual Trivia内の関連記事
ピーター・セラーズの出演映画はピンクの豹(1963)
シェリー・ウィンタースは陽のあたる場所(1951)とアルフィー(2004)
リメイクの「ロリータ」に出演したジェレミー・アイアンズの映画は1992年の「Louis Malle’s Fatale (Damage)(ダメージ)
スタンリー・キューブリック監督の映画は時計じかけのオレンジ A Clockwork Orange (1971)
初代ロリータ、高1の時デートで観ましたが真面目だったんですねーサッパリわかりませんでした。そうですかキューブリックの作品ですか、そりゃ難解でガール・フレンドにひんしゅく買う訳だー。
このロリータの先駆けとなったのが1956年にキャロル・ベイカーが主演したエリア・カザン監督の「ベビー・ドール」です。私としましては、ブラックコメディ度もあるがじっとり感100パーセントの「ベビイドール」の方が好みなのです。
確か「大いなる西部」と「西部開拓史」しか観てないんです。「ジャイアンツ」ではまだ子役でしたっけ?。
「ベビー・ドール」は原作がT・ウイリアムスだし公開当時話題になりましたね。彼女らしい作品はこれが最初で最後かも。
ジャイアントはベビードールのすぐ後、同じ年に制作された映画ですからキャロル・ベイカーは25歳です。「子供じゃないのよ♪」