Young John Watson
1970年代のファンキー・ソウルのミュージシャン「Johnny Guitar” Watson(ジョニー・ギター・ワトソン)」はテキサスのヒューストンで音楽活動を始めましたが父親がピアノを弾いていたことからジョニー・ワトソンが最初にとりあげた楽器はピアノでした。
ジョニー・ワトソンはT-Bone Walker(ティー・ボーン・ウォーカー)やLightning Hopkins(ライトニン・ホプキンス)に会うという大志を抱いて1950年にたった15歳でロスアンジェルスにやって来ました。 1952年のYoung John Watson(ヤング・ジョン・ワトソン)名で初吹き込みしたMotorhead Babyではピアノとバックコーラスを担当しています。 その後、ニューオリンズのGuitar Slim(ギター・スリム)などの演奏を聴いて感銘を受けたワトソンは「ギタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?」っとそれまで弾いていたブギウギ・ピアノからギターに替え、1953年にFederalレコードと契約して当時としては斬新な残響効果を使ったMotown(モータウン)のセッション・ギタリストだったWah Wah Watson(ワー・ワー・ワトソン)のギター奏法を取り入れた”Space Guitar”をYoung John Watson(ヤング・ジョン・ワトソン)名で録音したのがワウワウの始り。 これがスゴイ!ワウワウ!
Space Guitar by Johnny Guitar Watson – Out There: Wild and Wondrous Roots of Rock ‘n’ Roll, Vol. 2
Johnny Guitar Watson SPACE GUITAR (1954) – YouTube
ジョニー・ギター・ワトソンはよくこのフレーズを取り入れていますが、Space Guitarのイントロでも私には1951年放映開始の人気テレビシリーズの警察ドラマ「Dragnet(ドラグネット)」のテーマ曲に聴こえます。 私だけ?(2004年のマイケル・ムーア監督の「華氏911」にも出てきたメロディ)
Dragnet by Ray Anthony & His Orchestra – Cookin’: Choice Cuts from the Famous Fifties – Dragnet
J.G. Watson
ハードコア・ファンクのジョニー・ギター・ワトソンは50年代にはテキサス・ブルースギターからRock’n’Rollのトップ・ギタリスト、60年代にはソウル・サウンドとして1960年代のギタリストに大いなる影響を与え 、そして70年代にはファンキーでアグレッシブでド派手で陽気なギャングスタ・ブルースマンとして有名になります。
ジョニー・ギター・ワトソンのヒット曲としては、 1953年頃はピアノとボーカルに加え作曲もした自作自演のドップリブルースの”Highway 60″やバラードの”Sad Fool”がありますが、他には”Got Eyes”、”What’s Going On”、”Thinking”、”Getting Drunk”、”Half Pint Of Whiskey”などを発表しました。 1955年には”Hot Little Mama”、” I Love To Love You”、ロックンロールの”Too Tired”、ブルース(ブルーズ)の”She Moves Me”などがありますが、一番のヒットは1955年のニューオリンズのEarl King(アール・キング)のカバーで”Those Lonely Lonely Nights”、それからSpace Guitarのように野生的な”Ain’t Gonna Hush”、”Motorhead Baby”、1960年は最高のR & Bの”Cuttin’ In”とか”That’s What You Do For Me”など、そしてダンゼン人気ナンバーワンの1957年の”Gangster of Love”はブルースとファンクとロックのジャンルでスタンダード曲になっています。
Johnny Guitar Watson – “Hot Little Mamma”
Johnny Guitar Watson – “She Moves Me”
Johnny Guitar Watson – Gangster Of Love (1977) LIVE – YouTube
Johnny “Guitar” Watson – Aint That A Bitch (1977) – YouTube
☆ジョニー・ギター・ワトソンのディスコグラフィや若い頃の写真も見られるJohnny Guitar Watson Page – Soul Walkin(英語のサイト)
Superman Lover
ジョニー・ギター・ワトソンの70年代最大ヒット曲である”Superman Lover(スーパーマン・ラヴァー)”は2005年のラッパーのバウ・ワウが主演したローラースケート映画の「Roll Bounce(ロール・バウンス)」でサントラに使用されています。
Johnny Guitar Watson – Superman Lover (1976) – YouTube
Jonny “Guitar” Watson – Bow Wow (1996) – YouTube
Larry Williams and Johnny Guitar Watson
自作の”Bad Boy”がヒットしたバッドボーイとして悪名高いニューオリンズ出身のラリー・ウィリアムズ(投資家ではない)はPercy Mayfield(パーシー・メイフィールド)などの吹き込みのバック・ピアニストでしたが、1957年にSpecialty(スペシャルティ)から先輩のLittle Richard(リトル・リチャード)のバックバンドで歌手デビューしています。 デビュー曲はラリー・ウィリアムズが十代の頃ボーイを務めていた50年代のR & B人気歌手のLloyd Price(ロイド・プライス)のヒット曲である”Just Because(ジャスト・ビコウズ)”のカバーでした。 スペシャルティ・レコードではリトルリチャードそっくりさんだったラリー・ウィリアムズはリトルリチャードのヒット曲の”Long Tall Sally”(のっぽのサリー)”に対抗したような”Short Fat Fannie(チビで太っちょのファニー)”でチャートで1位を取りました。 この他にもBoogie-Woogie(ブギウギ調)の”Bad Boy”、”Bony Maroney”、”Dizzy, Miss Lizzy”、”She Said Yeah”などのヒットがありましたが、1959年の麻薬売買で検挙されるなどの事件を起こしています。 そんな頃にジョニー・ギター・ワトソンと出会ったラリー・ウィリアムズは一緒にOKeh(オーケー・レコード)でレコーディングすることになり、1966年にはオーケーレコードのプロデューサーとなったのです。 1980年に額に受けた銃弾傷から死亡しましたが自殺とも犯罪絡みとも噂されました。
ラリー・ウィリアムズはジョニー・ギター・ワトソンと共に1965年に英国ツアーに行っていますから、アメリカで人気が下火になってもイギリスでは人気があってラリーの何曲かは英国のビートルズもカバーしています。
Larry Williams – “Slow Down”と”Boney Moronie”
Larry Williams – Esquerita, Dizzy Miss Lizzy, and Bad Boy – YouTube
ストリーミングラジオのプレイリスト
アルバム「Best Of The Okeh Years」からウィリアムズとワトソンの”Two For The Price Of One”が聴けるwfmuラジオのプレイリストはPlaylist for The Evan “Funk” Davies Show – August 1, 2006(watsonで検索、右の2:32:52Pop-upをクリック)
☆70年代のダンス・ミュージックについてはHot’nCoolのSeventies Dance Music
I’m a Superman!
そんなギンギンにパワフルなジョニー・ギター・ワトソンが突然亡くなったのはなんと!1996年の日本公演中の心筋梗塞だったそうです。 海外ツアーの最中に突然、そして永遠に旅立ってしまったジョニー・ギター・ワトソン。 まだ60歳だったのに。 そのジョニー・ギター・ワトソンが最後に残した言葉は、「I’m a Superman!」
日本での最後のライヴ”音源”はJohnny Guitar Watson 1996 Last Live inJapan
「Best Of The Okeh Years」以外のWilliams/Watson(ウィリアムズとワトソン)の60年代ソウルのCDはLarry Williams Show with Johnny Guitar Watson
“Mercy Mercy Mercy”が収録されているアルバムはTwo for the Price of One
ジョニー・ギター・ワトソンのアルバム
The Very Best of Johnny “Guitar” Watson
ページトップの画像はワイルドなSpace Guitar、Too Tired 、Gangster of Love、Hot Little Mama、Those Lonely, Lonely Nightsなどが収録されているアルバム「The Very Best of Johnny Guitar Watson: Gangster of Love」
試聴はThe Very Best of Johnny “Guitar” Watson – CD Universe(Space Guitarは1番)
The Best of the Okeh Years by Johnny Guitar Watson & Larry Williams
上記のラリー・ウィリアムズがプロデュースしたオーケーレコードのアルバムで1967年の大ヒット曲「Mercy, Mercy, Mercy」や、Fever、Unchain My Heart 、Comin’ Home Baby 、Summertime 、Makin’ Whoopee、Ain’t Misbehavin’などを収録しています。
The Best of the Okeh Years
試聴はBest Of The Okeh Years – CD Universe
Ain’t That a Bitch
私の好きなジョニー・ギター・ワトソンのアルバムで、タイトルとなっている”Aint That A Bitch”と”Superman Lover”のバージョンが最高です。 オリジナルは1970年代のファンク・アルバムのAin’t That A Bitch、A Real Mother For Ya、Funk Beyond The Call Of Dutyを寄せ集めたの2006年盤です。(下記のアルバムThe Best of the Funk Yearsにも同じバージョンは収録) その中の歌詞に♪ “Japanese Folk-Song”♪ という言葉を聞いたと思ったら、”I can speak a Little Japanese, fox on”の間違いでした。(”コンピュータだって心理学だって日本語だってできるのさ、なんてウッソー”とでも言ってるんでしょうかね)
Ain’t That a Bitch
The Funk Anthology
ド派手なジャケットの人気2枚組CDもSuperman LoverやGangster of Loveを収録しています。
The Funk Anthology
Space Guitar: The Essential Early Masters
ジョニー・ギター・ワトソンの人気アルバムではないようですが、Varese SarabandeレーベルからリリースのYoung John Watsonとして50年代中期のFederalレコードのセッションと60年代初期のキング時代の曲が収録されているアルバムでは1954年の2バージョンのSpace Guitarの他、Highway 60やGettin’ Drunkも聴けます。
Space Guitar: The Essential Early Masters
試聴はSpace Guitar: The Essential Early Masters – CD Universe
☆ギター演奏曲「Space Guitar」はロックのルーツを集めたアルバム「Out There: Wild and Wonderous Roots of Rock ‘n’ Roll, Vol. 2(Out There – Wild And Wonderous Roots Of Rock ‘n’ Roll Vol.2)」にも収録されています。
Best of the Funk
私の好きなバージョンの”Ain’t That a Bitch”、”Superman Lover”、”Gangster Of Love”が収録されている2006年5月リリースされたナツメロ集のような最新CD「The Best of the Funk Years」です。
The Best of the Funk Years
Superman Lover: The Ultimate Collection
2004年にリリースされた3枚組みの全44曲を収録した最高のアルバムです。
Superman LoverやAin’t That a Bitchなど私の好きなバージョンのジョニー・ギター・ワトソンの曲が収録された「Superman Lover: The Ultimate Collection」の試聴はJohnny Guitar Watson – Superman Lover: The Ultimate Collection – AllMusic.com
Superman Lover by Johnny Guitar Watson on CDs (Various Artists)
ジョニー・ギター・ワトソンの”Superman Lover”は2000年にリリースされたコンピレーション・アルバムの「Funk Phenomena 2」(12 Classic Funkin’ Grooves)
「Funk Phenomena V.2」や、「Harlem Sessions」にも収録されています。
Wah Wah
ワウワウとはエフェクターといってギターの音色を変えたり効果音をつけたりできるギター機材だそうです。
後にはギターの音と自分の声をミックスするトーキング・モジュレーターといってギター・アンプのスピーカーから出た音をホースに通して口にくわえて演奏しながらしゃべるという機材も使用されるようになったそうです。(キーボード奏者が使用するヴォコーダーとは別もの)
love
懐かしいですね。ワウワウワトソン。実は2日前にLightning in a Bottleを見ました。良かった!!ブルーズ大好きだし、数ヵ月後にはブルーズの誕生した街に引っ越すわけで(といっても今はあの映画の中のような風景はないでしょうけど)、とてもわくわくしてきました。koukinobaabaさんはごらんになりました?
NOVAさんのお好きな70年代ソウルでしょうか。
ミュージシャンのドキュメンタリーは好きでパーカーやチェット・ベイカーなどは観たのですがLightning in a Bottleは残念ながら未だです。 製作のマーティン・スコセッシは本当に素晴らしい音楽映画の数々を監督していますね。
ニューオリンズと聴いただけでもワクワクしますが実際に永住するにはご苦労があると思います。でもうらやまし~!
ゲストルーム兼ペンションってどう?日本からお友達がワンサカワンサカ詰め掛けかもしれませんね・・・ナマズ食べに。