Fred Claus (2007)
I wish you had never been born!
クリスマスの定番映画の中でも、特にサンタ・クローズをテーマにした映画にはMiracle on 34th Street(三十四丁目の奇蹟)、1985年の「Santa Claus: The Movie(サンタクロース)」、「The Santa Clause(サンタクローズ)」シリーズ、アニメの「The Polar Express(ポーラー・エクスプレス)」、2006年に日本未公開ですがゼッタイ来て欲しくないから煙突を塞がなくっちゃの「Santa’s Slay(サンタクロース)」、60年代のお子様向けの実写映画で「Santa Claus Conquers the Martians(サンタと火星人の宇宙大戦争)」などの他にもちょっと違うけれど2000年の子供向けファンタジー映画の「How the Grinch Stole Christmas(グリンチ)」などがあります。 2007年はどうかな?とサンタクローズ映画を探してみるとありました。 Fred Claus(ブラザーサンタ)!
「ブラザーサンタ」はサンタクローズのクリスマス映画といいうよりも、サンタ一家の兄弟ライバル意識をテーマにした映画のようです。 親をめぐる兄弟の確執というと旧約聖書創世記に記された物語でエデンの園を追われたアダムとイヴの息子であるカインとアベルの人類初の殺人と嘘の逸話で知られていますがこれをテーマにした映画というと古くは1955年の「エデンの東」(弟を殺した兄が追放された地)が有名です。 2001年の「I am Sam(アイ・アム・サム)」の監督として有名な脚本家のJessie Nelson(ジェシー・ネルソン)の原作をDavid Dobkin(デヴィッド・ドブキン)監督が映画化した大変分かりやすいコメディ映画でお子様と一緒にご家族で安心して観られます。(ちなみにドブキンは1995年に日本未公開でしたが不気味なホラー映画の「Ice Cream Man(アイスクリームマン)」で脚本を手掛けたそうです。 おえっ!)
Ho, Ho, Ho! Merry Cristmas!
白髭ですからキャストを知らないと誰だか分りませんが、2006年にChristopher Doyle(クリストファー・ドイル)が撮影を担当したM. Night Shyamalan(M・ナイト・シャマラン)監督の「Lady in the Water(レディ・イン・ザ・ウォーター)」で主演したPaul Giamatti(ポール・ジアマッティ)が50年代のコカコーラの宣伝そっくりなNick ‘Santa’ Claus(ニック”サンタクローズ”ニコラス)役で出演するFred Claus(ブラザーサンタ)はサンタクロース一家の厄介者である兄の”Fred Claus(フレデリック・クローズ)”を主人公にしています。 相変わらずの機関銃のように早口のVince Vaughn(ヴィンス・ヴォーン)が演じる兄は、兄弟なのに正反対の人格で聖書でいうところのBlack Sheep(異端児)ですが、邦題の「ブラザーサンタ」とは弟は子供たちの人気の的の聖人”サンタクローズ”!という設定でしょう。 兄のフレッドがこうなったのにも訳があるのですが、フレッドのヤキモチにはうんざりしているサンタのママを演じるのは演技派女優のKathy Bates(キャシー・ベイツ)で、「ブラザーサンタ」では冒頭から分娩シーンに挑戦しています。 キャシー・ベイツというと1900年の映画「Misery(ミザリー)」での作家のファンである狂気の女や、2002年のAbout Schmidt(アバウト・シュミット)でのJack Nicholson(ジャック・ニコルソン)との混浴シーンではウギャッというオールヌードを見せた名女優で、「ブラザーサンタ」の前の2006年には「Failure to Launch(恋するレシピ 理想のオトコの作り方)」で主人公を溺愛する母親や、「Charlotte’s Web(シャーロットのおくりもの)」では乳牛のビッツィの声で出演しました。 「The 40-Year-Old Virgin(40歳の童貞男)」でベスを演じたElizabeth Banks(エリザベス・バンクス)がエルフのウィリー(演じるはJohn Michael Higgins)が憧れるサンタ秘書のシャーリーンを演じていますが、フレッドの恋人で婦人警官のワンダを演じているのは2003年の詐欺映画「Confidence(コンフィデンス)」でもポール・ジアマッティと共演しているロンドン生まれのRachel Weisz(レイチェル・ワイズ)です。 2005年には「The Constant Gardener(ナイロビの蜂)」でRalph Fiennes(レイフ・ファインズ)が演じる英国外務省勤務で園芸好きな夫の妻だがアフリカの救援活動中に殺害されてしまう役を演じてアカデミー賞の助演女優賞を受賞したレイチェルです。 2003年の「コンフィデンス」で詐欺師のエドワード・バーンズの仲間となる女スリや全裸を見せた2009年の「Agora(アレクサンドリア)」のようにセクシーではありませんが、2015年の「Youth(グランドフィナーレ)」ではご老体Michael Caine(マイケル・ケイン)とHarvey Keitel(ハーヴェイ・カイテル)との混浴で44歳にして神ボデイを披露。 現在子持ちのレイチェル・ワイズは2011年の「Dream House(ドリームハウス)」で共演したDaniel Craig(ダニエル・クレイグ)と2011年に子連れで結婚して米国に帰化したとか。 2015年にギリシャのGiorgos Lanthimos(ヨルゴス・ランティモス)が監督する初英語作品のSFコメディ「The Lobster(ロブスター)」では近視の女を演じます。
Fred Claus Story
「ブラザーサンタ」のあらすじ
オープニングとエンディングのクレジットにJackson Five(ジャクソン・ファイヴ)の可愛かったMichael Jackson(マイケル・ジャクソン)が歌う” Santa Clause Is Coming To Town!”に続いて、Doris Day(ドリス・ディ)の”Here Comes Santa Claus”のリミックスなどが流れる映画「ブラザーサンタ」の冒頭は小人が出てきそうな御伽の森のシーンから始まります。(クリスマス音楽が流れるとはいえオープニングがちょっと長い)
「昔々、あるところに……」とテロップが流れ、おとぎ話のような森の小屋のシーンですが小屋の中での出産シーンにはギョギョ!
誰も聞いたことがないお話の主人公はフレッド(フレデリック)、その弟となるベビーは超おデブで産声の変わりに「ホー、ホー」とママにご挨拶した。 非の打ち所がない赤ちゃんなので父親はお爺さんの名前をとってニコラス・クロースと名付けます。 聖なるニコラス転じてサンタクロース。 フレッドは赤ちゃんに「世界で一番良いお兄ちゃんになります」と約束しますがフレッドは良いお兄ちゃんになれなくなったのです。 心の友だった青い小鳥のピーちゃんのこともあるし、弟を許すわけにはいきません。 でも、弟は兄が好きだと言ったからクリスマスツリーにしようとして木を切り倒したのです。 その木には愛鳥のピーちゃんの巣箱があるから好きだったのに。
♪ Jackson 5 – Santa Claus s Coming to Town
♪ Doris Day – Here Comes Santa Claus
♪ Elvis Presley – Santa Claus Is Back In Town
さて時が経ち、お利口さんだからと両親が溺愛する弟のニック(ニコラス)の引き立て役になり、ことごとく嫉妬してきたフレッド(フレデリック)でしたが、ニックが聖サンタクロースに任命されてからはもうかなわないと悟り、反抗や意地悪などの対抗はあきらめました。
People Help The People!
ローン未払いで差し押さえの回収便(REPO A GO GO)で働くギャンブラーのフレッドはカジノを開こう!なんてあれやこれやとやるうちに資金繰りに詰まり「これだ!」とひらめいて、歳末慈善鍋のサンタを装ってで寄付金詐欺を働き、本物の救世軍サンタたちに追跡されてとうとう投獄されてしまったのです。 Repo Man!
回収した家の庭にあったサンタさんの人形の頭にタックルしてフレッドの物語が始まるよ! この時の音楽がElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)が歌う私の好きな”Merry Christmas Baby”がチラリと流れてご機嫌! Merry, merry Christmas, baby Sure did treat me nice……Gave me diamond rings for Christmas Now I’m living in paradise
フレッドのお友達は近所に住む親のいないスラム君、クリスマスにはマカロニという名前の子犬をサンタさんにお願いしたんだって。
シカゴで新ビジネスの場外馬券売り場を開設するための物件を手に入れようとしたが22日期限の5万ドルが用意できず、救世軍募金に目をつけて許可証なしに助け合い募金を始めてしまいます。 救世軍を批判して敵に回し警察に通報しようとするサンタさんたちに追われます。 Surfin Bird by The Trashmen…A-well-a everybody’s heard about the bird B-b-b-bird, bird, bird, b-bird’s the word…
「良い子は絶対に真似しないでください!」と言われそうな百貨店内でのエスカレーター逃亡の末、サンタと大乱闘で牢屋に入れられたフレッド。 ワンダとのお誕生日の約束だったサプライズ!相撲実演レストランのBONZAI palace(バンザイ・パレス)に行くことが出来ず、一人ぼっちで野蛮なレスリングを見せられて待ちぼうけのワンダ、フレッドのあまりのいい加減さにとうとう愛想尽かしてしまいます。 ワンダは留置所には来てくれず、困ったフレッドは やむなく北極に住む弟ニック・クロースに電話します。 昨年同様におもちゃの製造が遅れて悩んでいるニック・サンタは本部が能率向上の指導員を送り込んでくるなんて!と前例のないことにストレスいっぱいで頭が真っ白! 久しぶりのフレッドからの電話に好意的な弟サンタさん。 フレッドは保釈金として警察に払う5千ドル(約40万円)を無心するも図々しく新ビジネス用に追加の5万ドル(400万円弱)もお願い。 寛大な兄のおかげでようよう刑務所から出たフレッドですが、いくら博愛といえども5万ドルはくれず愛の鞭を振るいます。 フレッドは返済のためとさらなる借金のために兄の住む北極に行っておもちゃ工場で働くこととなります。 でも支払い期日の22日には帰る約束で。 すっぽかされたワンダはロンドンに帰るとおかんむり。
フレッドがどうやって北極に行くかって? John Michael Higgins(ジョン・マイケル・ヒギンズ)が演じるエルフのリーダーであるウィリーが8頭立てトナカイが引くハイテクソリでお迎えに! 「急いで!」
♪ The Ronettes (1963) – Sleigh Ride
Naughty?, or Nice?
フレッドを乗せた弾丸ソリはアッと言う間に北極に到着! 夢のようなエルフの国のメインストリートに降り立つと後ろには巨大なサンタファクトリー(おもちゃ工場)。 長い脚が魅力のサンタ秘書のシャーリーンがお出迎え、エルフのウィリーはこの美女にお熱らしいです。 するとサンタのガードマンだというBlack Santa(サンタの黒服エルフ)の襲撃(攻撃)に合いましたが兄のサンタが制止します。 フレッドは100年ぶりのウィリーのルームメイトにしてもらいますが、190cm以上もある巨漢のフレッドなのにウィリー(ジョン・マイケル・ヒギンズの実寸は180cm)はエルフだからベッドもトイレも小人サイズ。 頭に気をつけてどうぞ。
たくさんのエルフが働くそのサンタの工場はまさにメルヘンですが、子供達の最新情報を見せてくれるスノードームは圧巻です。 フレッドのお仕事は審査部門、悪い子といい子の仕分けで、子供のファイルに「Noughty」か「Nice」のスタンプを押すのだとか。
このサンタ工場は正体不明の本部が経営しているのですが、能率アップを監視する冷酷で邪悪な黒尽くめのノースカット・クライドを送り込んできたのです。 トナカイが嫌いだからノースカットは不気味な黒いヘリコプターでサンタ村に到着。 陽気でカラフルなエルフやサンタやおもちゃのなかに黒い不吉な風が吹き始めます。 サンタ夫妻にグラフを見せながらのノースカットの説明によると、子供が欲しがる物の数が増え続けているから効率よく生産しないと工場は閉鎖の危機に直面するそうです。 ひえー!南極に工場? 皆が寝静まったファクトリーで子供たちからの可愛らしいお手紙を却下!却下!と次々とシュレッダーにかけるノースカットです。 ほいでもってファイルがなくなったのか?バックアップを忘れたなとツー・アウト!
特筆すべきはファクトリーに設置された何でも映し出す特大スノードームがすごい。 本当はサンタが子供たちを観るのですが、フレッドは気になるシカゴの恋人のワンダを観ました。(ワンダはすっかり悪い子ちゃんのフレッドをあきらめているようです) さてさて、このフレッドは世界中の子供たちを良い子と悪い子に判別する役を受け持ちます。 どの子にプレゼントを届けるかがここで決まるのです。
ところで、工場には実寸は173cmなのに小人になっちゃったサウス・ヒップホップのLudacris(リュダクリス)が小憎らしいDJ Donnie(DJドニー)役で登場しフレッドをノリの悪い兄さん呼ばわりします。 この後、DJドニーが人気があるからって繰り返し繰り返しDoris Day(ドリス・デイ)が歌う”Here Comes Santa Clause”ばかり流すのでフレッドは文句を言ってドニーを戸棚に押し込めてしまいエルビスの”Rubberneckin'”をかけて踊ります。(んじゃ、リュダクリス作曲の”Ludacrismas”はどうだ?)
♪ Ludacrismas from “Fred Clause” – YouTube
ちなみに音楽プロデューサーのフィル・スペクターとのコラボレーションの”Be My Baby”で有名な”ロネッツ”のリードボーカルはヴェロニカ・ベネット(Veronica Bennett)ですが1968年にフィル・スペクターと結婚したのでRonnie Spector(ロニー・スペクター)となりました。(1973年に離婚した後もスペクターを名乗りましたが命は無事でした) その後4度も結婚離婚をくりかえしたり拳銃や麻薬問題などに関わる奇行で知られたフィル・スペクターはロネッツと著作権問題で争ったそうですが2003年のテレビ女優殺人事件では実刑を受けてしまいました。
リミックス音楽で有名なPaul Oakenfold(ポール・オークンフォールド又はポール・オーケンフォールド)とは2001年の「Swordfish(ソードフィッシュ)」のサウンドトラックで使用された”Get Out of My Life Now”でも有名な英国ダンスニュージック・シーンのトップアーティストでプログレッシブ・ハウスDJです。
♪ Elvis Presley – Rubberneckin’ (Paul Oakenfold Remix) – YouTube
What the hell is going on in Santa’s toy factory!
姑根性の査察官のノースカットにいかに効率的にファクトリーが経営されているが実証しようとファクトリーの扉を開ければ、フレッドがエルフたちを巻き込んでノリノリで踊りまくり! ベルトコンベアは流れずにめちゃくちゃ! 監督不行届きとして三つのアウトのうち初めのアウトが決定!
フレッドはニックのディナーに誘われて行ってみれば、ご無沙汰だった両親が! 毎年クリスマスにはやってくる両親はノースカットを招待!
サンタ工場が窮地に陥った上にハチャメチャな大騒動を巻き起こしたフレッドがブラックサンタに拉致されて連れてこられたニックの家、なんと両親をはじめ参加を依頼されたワンダや精神科医も集まって身の置き場所がない。 家から飛び出すと雪降る通りにノースカットが、サンタを兄に持つフレッドに同情しているような口調だが実際何を考えてるのやら。 そんな時、エルフが鐘を鳴らし、悪い子のナンバーワンが変更されたと知らせる。 何とそれはフレッドの友達だった黒人のスラムだった。 フレッドはスノードームでシカゴの孤児院で喧嘩をしているスラムを見た後に判定のスタンプを押したのでした。 ”ナイス!” それからは全部の子供のファイルに”いい子スタンプ”を連打!連打!連打! フレッドは悪い子ちゃんの見方です。 「なんてことをしてくれたんだ!みんなにプレゼントなんて無理だ!世界のクリスマスはもう終わりだ!」と優しいサンタのニックをとうとう怒らせてしまうのです。 積もり積もった兄弟の確執の激突! 口喧嘩では収まらず雪合戦からソリでの暴走に発展。 しかし兄弟喧嘩をしてる場合じゃない! ノースカットによってあと一つのアウトで工場は永遠に閉鎖になってしまうのだ。 そして約束の鐘を貰いウィリーのトナカイゾリでフレッドはシカゴに戻っていく。 でもスノードームでフレッドがしたことを見たノースカットはスリー・アウトを宣言し、待ちに待ったピンク・スリップ(解雇通知)をニックに満面の笑みで手渡す、よってサンタはクビ!
さて時空を超えて現在のシカゴの家に戻ったフレッドはニックからのクリスマス・プレゼントを開けます。 中には「木を切ってごめんね」というカードに小鳥の巣箱が。 そこで、フレッドは「Sibling Rivalry Anonymous(兄弟の葛藤を乗り越える会)」に参加します。 ☆集会のシーンでは、元アメリカ大統領のビル・クリントンの義理の弟、シルヴェスター・スタローンの弟、アレック・ボールドウィンの末弟などの有名人を兄に持つ人物がカメオ出演していますがそれぞれ兄弟に似ているのですぐ分ります。兄弟喧嘩、つまり兄弟あるいは姉妹間の嫉妬と競争で親の愛情を競い合う悩みを持つ人々のための集会ではサンタクロースの兄だと自己紹介するフレッドをふざけてるのかと怒られもしたがメンバーの言葉にフレッドは気が付いたのです。 今まで自分自身のための恨み辛みだけに始終していたことを。 そこでフレッドはニックからせしめた5万ドルを使ってトナカイが引く空飛ぶソリではなく、グライダーや砕氷船や犬ぞりを乗り継ぎ、最後はクロスカントリースキーと自力で北極に舞い戻ったのでした。 火が消えた工場に着くとフレッドはエルフたちを前に残りの10時間でできるのおもちゃを作ろうと呼びかけ、一番簡単に作れる野球バットとフラフープにする。 そうすれば子供たちは希望のおもちゃでなくてもサンタさんが来てくれたと思ってくれる。 ファクトリーの再開と子供たちへのクリスマス・プレゼントの配達を遂行するために。 腰を痛めて動けないニックがやれなきゃ俺がやってやる!とクロース家のフレッド。(本当は空を飛ぶのは苦手ですぐオエッだけど) 邪魔立てするノースカットをソリでひき殺し(?)てホー!飛べ! 若葉運転だが、日が出るまでの10時間でプレゼントを配り終えるのだ。 ミルクとクッキーも全部食ってやる! 「子供はみんな良い子だ、何か辛いことがあって悪さをしたのかも」が持論のフレッドは孤児のスラムには特別にペットの子犬(マカロニ)を自らプレゼント! 喜んだスラムはニック・サンタから掏り取った財布を返却。 ふむふむ、ちょっと乱暴ですが、フレッドは本当はいい奴で、今まで磨かぬ玉だったのですね。 だって悪い子と良い子の分け隔てなく子供たちは全員サンタからおもちゃが貰えるようにしたのですから。
Be a nice kid!
良い子の皆さん、サンタクロースは「喧嘩なんてしていないかな?」ってスノードームで見ていますよ。 悪い子にはおもちゃをくれませんから良い子にしていましょうね。
フレッド・サンタがもうすぐプレゼントの配達完了というところでスノーカットが電気を落としてしまいエルフ全員にクビを宣告します。 ですが、ニック・サンタはなぜノースカットがこんなことをするのか、その秘密を見破ったのでした。 というか、ノースカットが悪い子のナンバーワンだった頃を思い出したのです。 子供時代にメガネのせいでからかわれたノースカットはスーパーマンのマントがあればとサンタにお願いしたのに叶わなかったことを。 そしてニックは謝罪して遅まきのプレゼントをノースカットにあげて助けを求めたのです。 兄フレッドを救うために。Superman!
Silent night – Sinéad O’Connor – YouTube
I Wish You A Merry Christmas and A Happy New Year!
Israel “IZ” Kamakawiwo`ole – What A Wonderful World
Merry Cristmas to every child all over the world
Sibling Rivalry
古くは旧約聖書の創世記に人類初の殺人とされる記述があります。 禁断のリンゴを食べてエデンの園を追われたアダムとイヴの子供で、父なる神”エホバ”の愛情を得たい兄のKein(カイン)が貢物をめぐって終いには弟のAbel(アベル)を殺す罪を犯したという兄弟間の競争意識が本作「ブラザーサンタ」で描かれているそうです。 兄弟又は姉妹間のライバル心を煽るのは親の不平等な愛情なのかもしれません。 差別された子供は悪くすれば非行に走り、一歩間違うと自殺行為に及び、よくてもひねくれ根性が育つのは必至ですから、免許のない子育てという人間を形成する一大事業は大変難しいと言えます。
アメリカには同じSibling Rivalryでも良い意味で兄弟シェフが腕を競う”Sibling Rivalry”というレストランもあるそうですよ。 日本でもかってTVのバラエティ番組”バラエティ番組”中華大戦争”に出演していた炎の料理人と呼ばれた周富徳&富安周兄弟がテレビを賑わしておりました。
さて、ここで一つ疑問があるのですが、英語の”Santa Claus“又は”英語の発音では”ズ”らしいですが日本語では”クローズ”なの?クロースなの? 音楽のBluesはアメリカではブルーズって発音するそうですが。
一般にクリスマス映画というとマイナーな俳優で制作されることが多いですが、「ブラザーサンタ」は特別です。 「The Negotiator(交渉人)」や「Sideways(サイドウェイ)」などに出演したインテリ俳優のポール・ジアマッティは2005年に「Cinderella Man(シンデレラマン)」でアカデミーの助演男優賞にノミネートされた経歴がある他、「ブラザーサンタ」のキャストの多くがオスカー受賞かノミネートされた俳優です。 「ブラザーサンタ」の前の2005年には「The illusionist(幻影師アイゼンハイム)」でEdward Norton(エドワード・ノートン)が演じる主人公のイリュージョニストと昔恋人だったと知り懐疑的になる公皇太子の命令で探るウール警部を演じています。(ウールがとりわけ感嘆したのはオレンジの木のイリュージョン) ちなみにエドワード・ノートンは2008年に「インクレディブル・ハルク」で怒ると大変なブルース・バナーを演じて緑色の巨人“ハルク”になります。 私が1970年代から見ていた「超人ハルク」はCGがなくて科学者役の俳優の変身後はボディビルダーが演じていました。
“Fred Claus(フレッド・クロース)”を演じたVince Vaughn(ヴィンス・ヴォーン)はメジャーデビューした1996年の「Swingers(スウィンガーズ)」で注目され、2005年の「Be Cool(ビー・クール)」ではコミカルな黒人かぶれのRaji(ラジ)役で火だるまダンスを見せましたから、「ブラザーサンタ」のなかでエルヴィスの曲に合わせて踊った腰ふりダンスは堂に入ったものです。 その他の出演者には、おもちゃ工場の視察人にKevin Spacey(ケヴィン・スペイシー)が特別出演しています。 Miranda Richardson(ミランダ・リチャードソン)はニック・サンタの奥さん、キャシー・ベイツはママ・クロースなどとこれだけの名俳優 & 名女優が出演しているなんて驚き、Ho, Ho, Ho! Warner Bros(ワーナー)のオールキャスト正月映画なんでしょうか。
サンタの妻を演じたミランダ・リチャードソンは1992年に「Louis Malle’s Fatale Damage(ダメージ)」でアカデミーの助演女優賞にノミネートされました。
The Crying Game (1992)
「ダメージ」と同年に映画の冒頭には Percy Sledge(パーシー・スレッジ)の意味シンな”When A Man Loves A Woman”が流れましたが、テーマ曲をKate Robbins(ケイト・ロビンス)やDave Berry(デイヴ・ベリー)やBoy George(ボーイ・ジョージ)が歌った「The Crying Game(クライング・ゲーム)」にもミランダ・リチャードソンは対英アイルランド独立闘争の女闘志のジュードとして出演しています。 相対する英軍兵士とIRA(アイルランド共和軍)闘士のあり得ない友情と倒錯の世界を描いたこの映画の冒頭に遊園地のシーンでブロンド白人女のジュード(ミランダ・リチャードソン)に誘われる英軍の黒人兵士のジョディはCharlie Parker(チャーリー・パーカー)伝記映画「Bird(バード)」で主演したForest Whitaker(フォレスト・ウィッテカー、もしくはフォレスト・ウィテカー)です。 「クライング・ゲーム」のあらすじは、非番の英軍兵士のジョディが遊園地で女に「ここじゃ嫌よ」と河原に誘われたのが運の尽き、女もグルで計画的だったらしく森の中のIRA暫定派のアジトに運ばれてしまう。 が、拉致されたジョディとStephen Rea(スティーヴン・レイ)が演じるIRA闘志のジミー・ファーガスとの間に何かしらの友好的感情が芽生える。(見張っている間に彼女の写真も見たし、用を足す手伝いもしたし) それが処刑されると知って逃げようと飛び出したジョディがIRAのアジトを襲撃しに来た英軍のタンクに轢かれて死亡、IRAの仲間は全員殺されて一人遺されたジミーでした。 生前聞いていたジョディの願いを遂行せんと彼の恋人を探します。 ロンドンの美容院で働き、夜は酒場で歌うディル(黒人)を見つけ、ジミーも惹かれてその気になったら…あまりの衝撃にジミーは嘔吐をもよおします。(見ちゃったこっちも仰天) 工事現場で働くジミー・ファーガスを生き残りのIRAの仲間が見つけ暗殺計画(テロ行動)を命じます。 ジミーがディルに縛られて時間に現場に行くことが出来ず、代わりに遂行した他のメンバーが失敗して銃撃されたことを激怒して飛び込んで来たジュードをディルが殺して自分も死のうとするのをジミーが止めて逃がす。(再会を約束して) 拳銃に付着したディルの指紋を拭き取ると銃を手に警察を待つジミー。 真実を聞き出すためにジミーをベッドに縛り付けてディルがカセットテープをかけた時に流れるのが”The Crying Game”です。 IRAメンバーから守るためジミーはディルの髪の毛を切って男の服装をさせる。 ディルがジョディの面影を抱いていることを分かっているが、離れられなくなったジミーはジュードを撃ち殺したディルの身代わりで刑務所に入る。 これで縁切りになるか! しかし刑務所に面会に来たディルは出所を待ってるって! 嗚呼……もう駄目。 泣いて下さい。(必見映画) エンディング・クレジットで流れる曲もボーイ・ジョージの”The Crying Game”
ミランダ・リチャードソンは2004年の「The Phantom of the Opera(オペラ座の怪人)」では元バレエ教師で特等席案内人の美しいMadame Giry(マダム・ジリー)を演じています。
Vince Vaughn
デビッド・ドブキン監督の前作、2005年の「Wedding Crashers(ウェディング・クラッシャーズ)」に主演して話題を呼んだヴィンス・ヴォーンは「ブラザーサンタ」ではギャラが20億円以上の大物スターとなったそうです。 現在は日本未公開ですが2006年の「The Break-Up(ハニーVS.ダーリン 2年目の駆け引き)」で共演したJennifer Aniston(ジェニファー・アニストン)と交際していたそうですが2006年に浮気の噂で破極、そろそろ身を固めねばと40歳を迎える2010年にカナダ人女性と結婚し、子供も二人できたそうです。
「ブラザーサンタ」のオフィシャルサイトでは予告編やクリップが観られました。(予告編でフレッドに襲い掛かるBlack Santaは北極のサンタファクトリーのガードマンらしい)
アメリカでは2007年の11月に公開されましたが、日本は2007年12月1日に公開ですからクリスマスシーズンに間に合います。
Fred Claus Trailer – YouTube
Fred Claus DVD
日本では2008年12月に発売された特典映像付き「ブラザーサンタ」のDVDとブラザーサンタ(Blu-ray Disc)です。
ブラザーサンタ [DVD]
輸入版のFred Claus (Full Ws Sub Ocrd)のDVD(英語)もあります。
「ブラザーサンタ」のサウンドトラックはまさにクリスマス!
Fred Claus Soundtrack
♪ 試聴はFred Claus Soundtrack – Soundtrack.net
映画の音楽を担当したクリストフ・ベックのSuite From Fred Claus(ブラザーサンタ組曲)をはじめ、Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)が歌う”Jingle Bells”やJerry Leiber & Mike Stoller(リーバー=ストーラーコンビ)が作ったElvis Presley(エルヴィス・プレスリー)の”Santa Claus Is Back In Town”をやThe Ronettes(ロネッツ)が歌うSleigh Ride、Jackson 5(ジャクソン・ファイヴ)のSanta Claus Is Coming To Town、カナダ出身のバンドリーダーで1970年代までタイムズスクエアでカウントダウンをしたGuy Lombardo(ガイ・ロンバード)指揮のAuld Lang Syne(蛍の光)などは収録されていますが、Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!(Dean Martin)やリュダクリスの”Ludacrismas”などはこのサントラには収録されていません。 ちなみに「蛍の光」はアメリカでは卒業式やパチンコ屋の閉店のお知らせではなく、大晦日の曲なんだそうです。
クリストフ・ベックは過去に、2004年と2006年の「Garfield: The Movie(ガーフィールド)」と2005年の「Elektra(エレクトラ)、The Pink Panther(ピンクパンサー)」の音楽を担当して只今大人気の作曲家です。
ロネッツの”Sleigh Ride”はPhil Spector(フィル・スペクター)がプロデュースした定番クリスマス・アルバムは「A Christmas Gift for You from Phil Spector」
New Year’s Eve With Guy Lombardo – Auld Lang Syne 1957 – YouTube
Ho, Ho, Ho! Merry Christmas!
ヴィンス・ヴォーンの2008年のクリスマス映画は「Four Christmases」
ディケンズのクリスマス・キャロルは「A Christmas Carol」
1940年の街角 桃色の店は「The Shop Around The Corner」
1946年の素晴らしき哉、人生!は「It’s a Wonderful Life」
1947年の三十四丁目の奇蹟は「Miracle on 34th Street」
1954年のホワイト・クリスマスは「White Christmas」
1958年の媚薬は「Bell, Book and Candle」
1964年のサンタ対火星人の宇宙大戦争は「Santa Claus Conquers the Martians」
1968年のクリスマス・ツリーは「L’arbre de Noel」
2004年の恋のクリスマス大作戦は「Surviving Christmas」
2004年のポーラー・エクスプレスは「The Polar Express」
2006年のクリスマス大決戦!は「Santa Clause 3: The Escape Clause」