In search of wine. In search of women.
In search of themselves.
ワイン・テイスターか、それともただのアル中か。
サイドウェイ(2004年)
ワインと人生を見つめなおす旅か、ワインと女と自分を探す旅か。 「サイドウェイ(意味は脇道)」ちょっと長めのインディー系のロード・ムービー(コメディ)ですが、ロサンゼルス映画批評家協会賞受賞、Golden Globeにノミネートされ、ニューヨーク映画批評家協会賞も受賞し、アカデミー賞でも有力候補らしいです。 他の作品を4倍引き離しています。 この後、アレクサンダー・ペイン監督はアカデミーの脚色賞を受賞しGeorge Clooney(ジョージ・クルーニー)が主演する2011年の「The Descendants(ファミリー・ツリー)」やアル中でボケが始まった父親と孝行息子のモンタナからリンカーンまでの旅を描いた2013年のモノクロ映画「Nebraska(ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅)」などの監督や日本版「サイドウェイズ」にミナ・パーカー役で出演した菊地凛子(きくちりんこ)が主演する2014年の「Kumiko, the Treasure Hunter(トレジャーハンター・クミコ)」の製作総指揮など手がけています。
監督はAlexander Payne(アレキサンダーペイン)、主人公のマイルスは「交渉人」に出演した時よりずっといい男になったPaul Giamatti(ポール・ジアマッティ)です。(ただし酔っぱらい) 過激なラジオDJのHoward Stern(ハワード・スターン)の自伝である1997年の「Private Parts(プライベート・パーツ)」にラジオ局のディレクターのケニーで出演したポール・ジアマッティは「サイドウェイ」の後の2005年には「Cinderella Man(シンデレラマン)」でアカデミーの助演男優賞にノミネートされ、2007年には「Fred Claus(ブラザーサンタ)」でサンタクロースを演じます。 アニメでは2005年の「RoBoTs(ロボッツ)」や2006年の「The Ant Bully(アントブリー)」で声を担当しています。
マイルスと旅をするジャックには「Charlotte’s Web(シャーロットのおくりもの)」や「Over the Hedge(森のリトル・ギャング)」などで声の出演もしているThomas Haden Church(トーマス・ヘイデン・チャーチ)ですが、2007年の「スパイダーマン3」と2021年の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」では脱獄囚マルコ転じてヴェノム(砂男)を怪演し、2011年のとんでもない犯罪映画「Killer Joe(キラー・スナイパー)」では超ダメ男を演じます。 ちなみにサンドマンになっちゃったマルコの娘役はなんと「キルビル2」でビルとブライドの娘を演じたPerla Haney-Jardineです。
マイルスが気にかけているウエイトレスのマヤには怪優Michael Madsen(マイケル・マドセン)の妹でグラマーなVirginia Madsen(ヴァージニア・マドセン)です。 1991年にデニス・ホッパーが監督しJack Nitzsche(ジャック・ニッチェ)のジャズが使用された南部もの映画「The Hot Spot(ホットスポット)」でセクシーな社長の妻を演じている他、1989年の「Third Degree Burn(灼熱の女)」や1992年の恐怖映画「Candyman(キャンディマン)」や2009年の「The Haunting in Connecticut(ホーンティング・イン・コネチカット、エクトプラズム 怨霊の棲む家)」で主演しました。(1994年に仲村トオル主演の「Blue Tiger(刺青)」に兄妹で出演) マヤの女友達でワイナリーのステファニーには日本では2000年に「Dancing at the Blue Iguana(ブルー・イグアナの夜)」でストリッパー(牧野ステテコ似)を演じてメジャーデビューしたカナダ出身韓国系カナダ人女優のSandra Oh(サンドラ・オー)でマイルスの友人のジャックが惚れてしまいます。 「サイドウェイ」の前に2003年の「Under the Tuscan Sun(トスカーナの休日)」でヒロインの親友を演じたサンドラ・オーは2003年にアレクサンダー・ペインと結婚して2005年に離婚していて3年後に離婚し、2005年の「Hard Candy(ハードキャディ)」でサンドラはチラリと顔を見せています。
ワインが趣味の小説家志望が、結婚を控えた友人と南カリフォルニアワインのワイナリー巡りと、二人の人生を見つめ直す旅に出ます。
「サイドウェイ」のトレーラーが観られるオフィシャルサイト
Fox Searchlight – Sideways – Official Site(View the Trailer をクリックしても現在は消滅)
「サイドウェイ」のポール・ジアマッティなどのセリフのWav Soundが聴けるWavSource: Movies: Sideways
Sideways DVD
サイドウェイ 特別編
2005年発売の「サイドウェイ」の日本語字幕DVDは入手不可になったのでリンクは2008年版です。 2009年には[Blu-ray]も発売されますし、2010年4月には菊地凛子や鈴木京香が吹き替えを担当するDVDも発売になります。
Sideways Soundtrack
“アルハンブラの想い出”は収録されていませんが、「サイドウェイ」のサントラは「About Schmidt(アバウト・シュミット)「や「Just Like Heaven(恋人はゴースト)」などでお馴染みのRolfe Kent(ロルフ・ケント)のジャージーな音楽です。
「サイドウェイ」オリジナル・サウンドトラック
この2005年リリースの国内盤は試聴できます。
Capricchio Arabe(アラビア風奇想曲)などでも知られる19世紀半ばのスペインのギタリストのFrancisco Tarrega(フランシスコ・タレルガ)作曲の名曲”Recuerdos de la Alhambra(アルハンブラの想い出)”はワイナリーのシーンで使われました。 タレルガの”Recuerdos de la Alhambra(アルハンブラの思い出)”と”Capriccio arabe(アラビア風奇想曲)”を収録したNarciso Yepes(ナルシソ・イエペス)のアルバムには「決定盤!アルハンブラの思い出」(ASIN: B00005F6NY)があります。
Recuerdos de la Alhambra
クラシックギターの演奏はJohn Williams(ジョン・ウィリアムス)で、グラナドス、ウィリアムス、ファリャ、アルベニス、セゴビア、タルレガ、トゥリーナなどの作曲を収録したソニーミュージックエンタテインメントのアルバムが試聴できます。
アルハンブラ宮殿の思い出~スペイン・ギター名曲集
John Williams(ジョン・ウィリアムス)のアルバムにはイギリスのAmazonに「The Ultimate Guitar Collection」がありますが、日本では「アルティメット・ギター・コレクション」というタイトルのアルバムがリリースされています。
DVDなどで表記される”アルティメット・エディション”とは初回限定とか特典映像付きといった意味があるそうですが、CDでは何でしょうか。
追記:
2005年1月17日の第62回のゴールデングローブ賞に7部門でノミネートされていた「サイドウェイ」は、コメディ/ミュージカル部門の作品賞と脚本賞を受賞しました。
2005年のアカデミーではアレキサンダーペイン監督と脚本を共同執筆のJim Taylor(ジム・テイラー)が脚色賞を獲得しました。