クリスマス・キャロル
”クリスマス・キャロル”とは、キリストの生誕(クリスマス)を祝う賛美歌ですが、1843年にイギリスの作家のCharles Dickens(チャールズ・ディケンズ)((1812年-1870年))が同名の小説を書きました。 同じくイギリスの作家であるGeorge Gissing(ジョージ・ギッシング)が1898年に「Charles Dickens: A Critical Study(チャールズ・ディケンズ論)」を書いています。 可笑しくて悲しい世の中を風刺を交えて描いたディケンズの代表作には「Oliver Twist(オリバー・トゥイスト)」がありますが、作風としては「クリスマス・キャロル」のように短編集からなる特徴となっています。
「クリスマス・キャロル」は、19世紀半ばのロンドンの下町が舞台、出納係りのBob Cratchet(ボブ・クラチット)は「クリスマスなんてナンセンス!」と断言する無情で守銭奴のEbenezer Scrooge(エベニーザ・スクルージ)爺さんの経営するスクルージ・マーレイ商会でクリスマス・イヴの晩も遅くまでこき使われています。
さて、本題はそのクリスマスの前夜にスクルージ爺さんが見たことなのです。 鉄の鎖と重りとなる金庫につながれた幽霊を。 それは以前の共同経営者でもっとケチだったというJacob Marley(ジェイコブ・マーレイ)の亡霊でした。 マーレイとクリスマスの亡霊達により、他人への慈悲に目覚めるというとっても良いお話です。
作者のチャールズ・ディケンズは幼少時に苦労した経験から自伝的小説を発表したイギリスの作家です。 有名な作品には1843年の「クリスマス・キャロル」をはじめ1838年の「Oliver Twist(オリバー・ツイスト)」、1859年の「A Tale of Two Cities(ニ都物語)」、1861年の「Great Expectations(大いなる遺産)」などがあります。
Scrooge (1951)
チャールズ・ディケンズが書いたこの小説を題材にした映画はいくつか有りますが、最高傑作と言われるのがBrian Desmond Hurst(ブライアン・デズモンド・ハースト)が監督し、Alastair Sim(アラステア・シム)が主演した1951年の”A Christmas Carol(Scrooge スクルージ)”だそうで、DVDのタイトルは「A Christmas Carol (Original B&W Version) (1951)」ともいうそうです。 この映画ではスクルージがクリスマスの晩に夕食を食堂で済ませて帰宅した時、ドアのノッカーがマーレイの幽霊だったのです。 いや、スクルージにはそう見えたのかもしれません。 マーレイはMichael Hordern(マイケル・ホーダーン)が演じています。 脅かされると分かっているものの、その後のマーレイの叫び声などは音が大きくて怖いです。 バッタン!ガッシャン! スクルージ、スクルージ。 業突く張りのスクルージ爺さんが子供の頃から青年期にかけていかに守銭奴になっていったかを過去のクリスマスの精霊が見せてくれるのです。 金のためならと恋も捨て、18年も一緒に働き続けて唯一人の友であった瀕死のマーレイにさえ冷酷だったスクルージ爺さんの過去と現在と未来。 日本では富豪に嫁いだ許嫁(宮)を恨んで非道な高利貸しになったのは「金色夜叉」(尾崎紅葉作)の間貫一です。
怖い映画「スクルージ」の音楽はイギリスの映画音楽作曲家のRichard Addinsell(リチャード・アディンセル)ですがサントラには”Silent Night, Holy Night”など伝統的なクリスマス曲も使用されました。
スクルージを演じたアラステア・シムは当時、英国で最も偉大な俳優と呼ばれていました。 シムスは日本未公開でしたが1950年のAlfred Hitchcock(アルフレッド・ヒッチコック)監督の「Stage Fright(舞台恐怖症)」でヒロインのイヴの父親役を演じて人形に自分の血を塗りつけてマレーネ・ディートリッヒが演じる犯人とおぼしき女優を驚かすのです。
Alastair Sim in A Christmas Carol (Scrooge) 1951 – YouTube
Scrooge (1970)
その次に評判が高い映画が1970年にRonald Neame(ロナルド・ニーム)が監督し、「Willy Wonka & the Chocolate Factory(「夢のチョコレート工場」)のLeslie Bricusse(レスリー・ブリッカス)が音楽を手掛けた「クリスマス・キャロル」です。 監督作品が少ないロナルド・ニームといえば「クリスマスキャロル」の前の1954年のファンタジックな痛快コメディ「The Million Pound Note(春風と百万紙幣)」(Man with a Million)が楽しく観られました。(マーク・トウェインの短編集「百万ポンド紙幣」が原作らしいが私も100万ポンド(一億円)の手形が舞い込んで欲しい)
後は1965年の「Mister Moses(ジャングル・モーゼ)」や「A Man Could Get Killed(ダイヤモンド作戦)」などの後には地震により発生した津波に呑まれた豪華客船ポセイドン号をの惨劇を描いた1972年の「The Poseidon Adventure(ポセイドン・アドベンチャー)」や存続するナチスの秘密組織オデッサを描いた1974年の「The Odessa File(オデッサ・ファイル)」などを観たくらいです。
さて、19世紀の中頃のロンドンの下町を舞台にしたこのミュージカル映画「クリスマス・キャロル」はではクリスマス・イブに頓着のないけちん坊の老人が亡霊によって人間性に目覚め楽しいクリスマスを迎えるお馴染みのクリスマス映画です。 強欲なスクルージ爺さんを演じたのはAlbert Finney(アルバート・フィニー)で、仕事仲間だったマーレーの幽霊をAlec Guinness(アレック・ギネス)が演じた1970年の英国ミュージカル映画「Scrooge(クリスマス・キャロル)」は、同年のGolden Globe(ゴールデン・グローブ)男優賞を受賞しました。 「クリスマス・キャロル」でスクルージ爺さんを34歳で演じたアルバート・フィニーは1967年に「シャレード」のStanley Donen(スタンリー・ドーネン)が監督しレスリー・ブリッカスがテーマ曲の作詞をした倦怠期夫婦のシリアスな愛の物語である「Two for the Road(いつも2人で)」でAudrey Hepburn(オードリー・ヘプバーン)と夫婦を演じ、1974年の「オリエント急行殺人事件」では名探偵ポワロを演じました。 最近では2000年の「Erin Brockovich(エリン・ブロコビッチ)」の上司役や2004年の「Ocean’s Twelve(オーシャンズ12)」ではカメオで昔大泥棒のGaspar LeMarque(ギャスパー・ルマーク)役で出演した他、2007年に「ボーン・スプレマシー」のMatt Damon(マット・デイモン)が主演した「The Bourne Ultimatum(ボーン・アルティメイタム)」ではジェイソン・ボーンが殺し屋となった謎の鍵を握る黒幕であるDr. Albert Hirsch(アルバート・ハーシュ博士)役でも出演しています。
アレック・ギネスが演じたJacob Marley(ジェイコブ・マーレイ)の幽霊が見られるAlec Guinness as Jacob Marley’s Ghost in Scrooge (1970) – YouTube
ちなみにアレック・ギネスはチャールズ・ディケンズ原作をDavid Lean(デヴィッド・リーン)監督が映画化した1947年の「Oliver Twist(オリバーツイスト)」で貧民窟のフェイギン親分役や、アカデミー賞の主演男優賞を受賞した1957年の「The Bridge on The River Kwai(戦場にかける橋)」でニコルソン大佐、1962年の「Lawrence of Arabia(アラビアのロレンス)」でアラブの王子役などで出演しています。 名作「オリバーツイスト」は19世紀の英国を舞台に孤児のオリバーが苦難の末に幸せを得るというストーリーです。
アルバート・フィニーのミュージカル「クリスマス・キャロル」はイギリスの風刺漫画家であるRonald Searle(ロナルド・サール)による淡彩ペン画のイラストのクレジットで始まります。
☆そのイラストが見られるRonald Searle Tribute: Merry Christmas!
1860年のロンドン、雪のつもった通りにクリスマスキャロルを歌う少年たちに窓から小銭を投げる人もあるなか、スクルージーとマーレイ商会の戸口は開かず、部屋の中では金勘定に余念のない爺さんが事務員はボブ・クラチット(デイヴィッド・コリングス)と仕事をしている。(相棒のマーレイは7年前に死んだ) 老人は火の無い暖炉から火掻き棒を取りあげるとドアを開けてマリークリスマスとかサンタとか口々に叫ぶ子供たちを追い払う。 「くだらん」
ドアを閉めたすぐ後に「伯父さん、クリスマスおめでとう」と甥っ子のフレッド(身体が弱くて死んだ妹の子供)が明日の晩餐の招待したが断るエブニザー・スクルージ。 時計が夜の七時を告げるとボブは給料を貰って家に帰る。 「くだらん!」
通りのおもちゃ屋で松葉杖の少年ティムと少女キャシーがメリーゴーラウンドや自動人形などを眺めているとポケットに週給の15シリングを入れたボブがやってきてティムを抱きかかえると歌いながら買い物をして家に帰り、クリスマスツリーのキャンドルを灯す。
♪ Scrooge – Christmas Children – YouTube
スクルージも家に帰ろうと外に出ると救世軍の慈善鍋のように貧しい人に食料を贈る資金の寄付を求める人が来ても「くだらん!」 悪態をついているような歌詞を怒鳴るように歌って歩くスクルージ。 借金を取り立てながら、払えないと高い利息を追加。
I Hate People by Albert Finney
スクルージが家に着いて鍵を開けようとすると鉄のドアノッカーに死んだマーレイ(アレックス・ギネス)の顔が現れたのです。 目を開けて「スクルージー」と言って再び目を閉じます。 「くだらん!」 馬車に乗った白い幽霊がドアから消えていこうが、白煙が立つ暖炉から声が聞こえてこようが動じないスクルージーでしたが、さすが蜘蛛の巣の張ったベルが鳴りだし大きな鐘の音が聞こえてくると耳を塞ぎます。 蝋燭の明かりがひとりでに消えてドアの向こうから重たいものを引きずるような音が聞こえてくると鍵を掛けますが、勝手に開いてドアの向こうにマーレイが、いや、マーレイは死んだ、鎖に縛られたジェイコブ・マーレイの幽霊が。 しかし、スクルージは幽霊など信じない、胃の具合が悪いから幻覚を見るのだ。 すると大声をあげた幽霊は宙に浮かぶ。 手に持った大きな鍵の束や重りを叩いて大きな音をだす。 これにはさすがのスクルージーも止めてくれと悲鳴をあげる。 マーレイが身にまとっている鎖は生きている時に、人を思いやること無く商売に励んで一輪、一輪と作ったもので外せないのだと。 7年前は同じくらいの鎖だったが悪行を積んだ今では大きくなった鎖からスクルージも逃れることは出来ないとマーレイは言う。 マーレイは鎖をスクルージーの腕にまくとドアの外に飛んで行き、空にうごめくたくさんの亡霊を見せる。 「これは夢ではない、お前に地獄から逃れるチャンスをやろう」と冥界を漂う宿命のマーレイが言う。 午前1時に過去の幻影を見せる幽霊(イーディス・エヴァンス)、2時に思いやりのミルクを飲ませ人の良いボブ・クラチット家と甥のフレッド家のクリスマスを見せる現在の幽霊(ケネス・モア)、3時には一番怖い未来を見せる幽霊(パディ・ストーン)と全部で三つの幽霊が訪れると言い残して消えた。 「くだらん!」
だが、最後の幽霊はマントの中が骸骨で突き落とされたスクルージは阿鼻叫喚の火傷をしそうな煉獄(purgatory)に到着。 迎えにきていたマーレイの幽霊が案内したのは隣の凍り付くような寒い部屋、魔王がスクルージのために作らせていたずっしりと重く長い鎖を何人もの処刑人のような悪魔が巻き付けていく。 苦しみもがくスクルージは自分のベッドで目が覚めた。 ここは地獄じゃない、わしは生きている、生まれ変わるんだ。 人生が好きになったスクルージが玩具屋に飛び込み、足が不自由なティムたちへのプレゼントを買うシーン、サンタクロースの扮装でティムにプレゼントするメリーゴーラウンドは私も欲しい!化粧をする自動人形も欲しい!
☆過去のシーンで親方の娘で結婚を約束したスックルージの母の面影があるイザベルと踊ったりイザベルに別れを告げられる若いスクルージはアルバート・フィニーそのままです。 アルバート・フィニーはイザベルとの過去のシーンで”You…You”や”I’ll Begin Again”など映画の中で全9曲を歌います。
☆スクルージの甥の家のクリスマスパーティで皆で楽しく行われた”尻取りゲーム”は”The Minister’s Cat”(大臣の猫ゲーム)です。(最初に人と同じアルファベットが付くどんな猫かを順番に言い言葉につまった人が負け、例えば最初が「あ」なら、大臣の猫は新しい猫、大臣の猫は怪しい猫、大臣の猫はあきれた猫、大臣の猫は…)
アルバート・フィニーが主演した1970年の「クリスマス・キャロル」の日本語字幕廉価版DVD (2007年発売)
クリスマス・キャロル 1970
上記のビデオ画像は最高といわれる「Christmas Carol」(1970)のVHSビデオですがDVDでも輸入の英語版です。(ASIN: B00000JT8Z)☆2011年発売の[Blu-ray](ASIN: B005FOL4Q0)
出ました!ブルーレイ! ブルーレイ! 2011年のクリスマスを前に「クリスマス・キャロル [Blu-ray]」が販売されています。(ASIN: B005FOL4Q0)
A Christmas Carol (1984)
上記の他にも1984年にGeorge C. Scott(ジョージ・C・スコット、ジョージ・C・スコット)と2011年に72歳で亡くなったイギリス女優のSusannah York(スザンナ・ヨーク)が出演したClive Donner(クライヴ・ドナー)監督のTVドラマ「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」もありました。 スザンナ・ヨークとジョージ・C・スコットは1970年の「Jane Eyre(ジェーン・エア)」でも共演しています。 1959年の「Anatomy of a Murder(或る殺人)」の鬼検事役や1964年の「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb(博士の異常な愛情)」のタージドソン将軍などこれまでシリアスな役を演じてきたジョージ・C・スコットはこの作品以降は性格俳優に転じて悪役も多くなりました。 この「クリスマス・キャロル」にはこの後、1985年から放映されたTVシリーズの「The Equalizer(ザ・シークレット・ハンター)」でロバート・マッコール役を演じたEdward Woodward(エドワード・ウッドワード)が現在の幽霊役で出演しています。 最もロマンチックな出演作はローチェスター卿を演じた「ジェーン・エア」でしょうか。
George C Scott & Frank Finlay’s A Christmas Carol (1984) – Marley’s Ghost – YouTube
A Christmas Carol (1999)
1999年にはDavid Hugh Jones(デヴィッド・ジョーンズ)が監督し、TVスター・トレック・シリーズの英国俳優のPatrick Stewart(パトリック・スチュワート)がスクルージ爺さんを演じた「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」があり、Bernard Lloyd(バーナード・ロイド)が演じたちょっと変わったマーレイの幽霊が評判だそうです。
日本語字幕版DVD「クリスマス・キャロル」(1999) (ASIN: 0780630084)
Black Adler: Christmas Carol (1980s)
もう一つ1983年から1989年にかけて放映されたイギリステレビのコメディ・シリーズでRichard Boden(リチャード・ボーデン )が監督した1988年の「Black Adler: Christmas Carol(ブラックアダー クリスマス・キャロル)」ではMr. Bean(ミスター・ビーン)でお馴染みのRowan Atkinson(ローワン・アトキンソン)が脚本も手掛けて主演しました。
今や1万円以上のヴィンテージ価格となった人気のVHSは「Black Adler: Christmas Carol」(ASIN: 6302541735)
Scrooged (1988)
同じくコメデイのスクルージーには「ライフ・アクアティック」のビル・マーレイと3兄弟が出演し、懐かしいロバート・ミッチャムやリー・メジャースが登場した「3人のゴースト」があります。
Muppet Christmas Carol (1992)
実写とJim Henson(ジム・ヘンソン)のマペットを組み合わせた1992年のビデオ版「The Muppet Christmas Carol(マペットのクリスマス・キャロル)」はジム・ヘンソンの息子のBrian Henson(ブライアン・ヘンソン)が監督しています。 このマペットと人間が共演する実写の「クリスマス・キャロル」では「アルフィー」のオリジナルを演じたMichael Caine(マイケル・ケイン)がスクルージを熱演しています。 日本語字幕版DVDには2005年に発売された「マペットのクリスマス・キャロル」(ASIN: B000BI55OC)
おまけにアニメ版のクリスマスキャロル!
アニメのクリスマス・キャロルで有名なのはカナダのRichard Williams(リチャード・ウィリアムズ)が制作及び監督した1971年の「A Christmas Carol」で、監督は1973年にオスカーの短編アニメーション優秀賞を獲得しました。 1951年の映画版でスクルージを演じたアラステア・シムがスクルージの声を担当したそうです。 1969年(アメリカでは1970年公開)にはZoran Janjicが監督してRon Haddrickがスクルージの声をBruce Montagueがマーレイの声を担当したオーストラリアのTVアニメ版「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」がありますが、他にも話題のアニメ版があり、2001年にイギリスドイツで制作された「Christmas Carol: The Movie(クリスマスキャロル)」は日本未公開でしたが、マーレイの亡霊の声を担当したNicolas Cage(ニコラス・ケイジ)の他、Kate Winslet(ケイト・ウインスレット)やMichael Gambon(マイケル・ガンボン)などイギリスの有名俳優たちが声を担当したそうです。 子供に人気なアニメのクリスマスキャロルならウォルト・ディズニー・カンパニーのアニメーションで30分弱の短編アニメ作品である1983年の「Mickey’s Christmas Carol(ミッキーのクリスマス・キャロル)」でしょう。 スクルージはScrooge McDuck(スクルージ・マクダック)で過去の恋人イザベルはDaisy Duck(ディジー・ダック)、マーレイの幽霊はグーフィ。 最初に現れる過去の幽霊としてピノキオのジミニー・クリケット(コオロギ)も登場します。 現在のクリスマスの幽霊はジャックと豆の木の大男ウイリー、足の悪い息子ティムの父親でスクルージの使用人のボブ・クラチットは30年ぶりに登場するミッキー・マウスで、甥のフレッドはドナルドダックです。 30周年記念の期間限定ですがリージョンA(日本やアメリカなど対応)で、2014年版ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールドは綺麗なカラーの「ミッキーのクリスマス・キャロル」(ASIN: B00FF4F6B4)
マーレイが死んで7年目のクリスマスの晩、スクルージは火の気のない店で働くミッキーマウスのクラチットが願い出たクリスマス休暇にケチをつけ、クリスマスの晩餐に招待しにやって来たフレッドは「くだらん!」と追い出します。 外から戻ったらドア叩きがマーレイになっているので驚いたスクルージは部屋の鍵を閉めても入ってきたマーレイの幽霊の話を聞きます。 阿漕な商売をしたおかげで永遠に重たい鎖を引きずっているのだとマーレイが言った通り、この後過去と現在と未来の幽霊が訪れます。 クラチット家の足の悪いティムの墓と寂しい自分の墓を未来の幽霊が見せたことでスクルージーは今からでも未来を変えたいと思います。 自分の部屋で気がついたスクルージーは「クリスマスの朝だからまだ間に合う!」とクラチット家を訪ねて善意を示します。 メリー・クリスマス!メリー・クリスマス!
このアニメを観た子供たちの感想は「短い!」だけでした。 26分のショート・アニメだからね。
Bah! Humbug!
Humbug! = Humberg? Humberg? 「クリスマスキャロル」ではスクルージ爺さんの台詞で「えー、くだらん!クリスマスなんて知るもんか!チッ」といった意味らしいです。 オリジンは18世紀の学生用語だったそうですが原題では無意味なこと、馬鹿げたこと、たわ言、チンプンカンプンといった意味を持つそうです。
Scrooge McDuck “Bah! Humbug!” – YouTube
書籍では「The Life and Times of Scrooge McDuck Companion」(ISBN-10: 160886653X)というイラスト入りの本があります。 本文及びイラストは「スクルージ・マクダック」やドナルド・ダックなどのディズニーキャラクターの漫画で有名なDon Rosa(ドン・ローザ)です。
Charles Dickens’ Christmas Carol
必見! 歴代の「クリスマスキャロル」のキャラクター情報を図表にして分かりやすく説明した「Charles Dickens’ A Christmas Carol and Scrooge – CED Magic.com」
★The Etext Center – A Christmas Carol by Charles Dickens (Chapter 1: Marley’s Ghost – Chapter 5: The End of It)
チャールズ・ディケンズが書いたクリスマス・キャロルの書き出しは「Marley was dead: to begin with. There is no doubt whatever about that.(マーレイは死んだ。まずは、ここからだ。これについては少しの疑いもない)」
★A Christmas Carol by Charles Dickens – (Click Here 本のアイコンをクリック、1~5まであり)
「クリスマス・キャロル」の本を読んだ方なら、最初の「メリークリスマス」とこの後の「メリークリスマス」の違いがわかるでしょうね!
Thank You Very Much! & Merry Christmas! in “A Christmas Carol” (1970) – YouTube
Christmas Carol DVD
TV Musical: A Christmas Carol (2004)
ページトップのCD画像は2004年11月にに放映されたArthur Allan Seidelman(アーサー・アラン・シーデルマン)監督によるテレビのミュージカル・ドラマ「A Christmas Carol」のサウンドトラック「A Christmas Carol (Original Soundtrack from the Hallmark TV Production)」です。 2004年の「A Christmas Carol」で音楽をプロデュースした編曲指揮のMichael Kosarin(マイケル・コサリン)が2005年のエミー賞を受賞しました。 マイケル・コサリンは2006年の映画「Infamous」と「The Shaggy Dog(シャギー・ドッグ)」などでも指揮をとっています。
サウンドトラックのオリジナルの作曲は主にアニメーションの音楽を担当しているAlan Menken(アラン・メンケン)です。1989年のディズニーアニメ「The Little Mermaid(人魚姫)」や1991年の「Beauty and the Beast(美女と野獣)」などの他、最近では2006年に上記の「シャギー・ドッグ」の音楽を作曲しています。
♪ 試聴はA Christmas Carol – The Musical (2004 TV Film) Soundtrack – Soundtrack.net
ちなみにアーサー・アラン・シーデルマンは1988年に超マイナーなサイコサスペンスの「The People Across the Lake(湖畔殺人事件)」を監督しています。 2004年のテレビドラマの「クリスマスキャロル」でスクルージにはヴァージン諸島(カリブ)出身でゴールデングローブやエミー賞受賞俳優のKelsey Grammer(ケルシー・グラマー)、スクルージの使用人の妻のエミリー役は「ガーフィールド」のJennifer Love Hewitt(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット)、そしてなんとGeraldine Chaplin(ジュラルディン・チャプリン)が未来の精霊として出演する他、過去のクリスマスの精霊に扮したのは人気のTVドラマ「Ally McBeal(アリー my Love)」で歌と踊りの得意なエレーヌを演じたJane Krakowski(ジェイン・クラコウスキイ)、同じくアリー・myラブの1シーズンにグレッグ役で出演したJesse L. Martin(ジェシー・L・マーティン)が現在の幽霊役です。
下記は2004年のミュージカル「クリスマス・キャロル」の日本語字幕版DVDです。
クリスマスキャロル ザ・ミュージカル (ホールマーク ミュージック・マスターピース)
英語版の「Christmas Carol Musical (2004) 」(ASIN: B000ARTMWK)もあります。
Kelsey Grammer and Jesse L. Martin as Christmas Present in Christmas Carol: A Musical Trailer – YouTube
A Christmas Carol (1977)
テレビドラマとして評判が良いのは1977年の「A Christmas Carol(クリスマス・キャロル)」です。 Moira Armstrong(モイラ・アームストロング)が監督したテレビドラマ版クリスマス・キャロルは「クリスマス・キャロル (トールケース仕様)」という2003年リリースの日本語字幕DVDがあるそうです。(ASIN: B0000B0EAV) 1951年の映画「Scrooge」ではマーレイを演じたイギリス俳優のMichael Hordern(マイケル・ホーダーン)が1977年にはこの「クリスマス・キャロル」でスクルージを演じています。
Scrooge (1951)
下記はイギリスのBrian Desmond Hurst(ブライアン・デズモンド・ハースト)が1951年に監督した「Christmas Carol」で英語のタイトルは「Scrooge」だそうで、そのスクルージをAlastair Sim(アラステア・シム)が演じました。 ミュージカルが苦手な私でもまさに本とそっくりに映像化されたドラマで大変楽しめました。
Christmas Carol (1951) (ASIN: 6302914485)
A Christmas Carol (Walt Disney) (2009)
2004年に「The Polar Express(ポーラー・エクスプレス)」を監督したRobert Zemeckis(ロバート・ゼメキス)がWalt Disney Picturesと提携してアニメ化した「Disney’s A Christmas Carol(Disney’sクリスマス・キャロル)」(ASIN: B003Z6EVF6)が2009年の11月に公開なりました。 2004年に「Lemony Snicket’s a Series of Unfortunate Events(レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語)」で主演したJim Carrey(ジム・キャリー)が恐い顔のスクルージやクリスマスの3幽霊たちの声を4通りに演じ分けるそうですが、声をボブやタイニー・ティムと同じくゲイリー・オールドマンが担当したマーレイの亡霊はアレックス・ギネス風です。 過去現在未来の幽霊のうち緑のローブを着たバッカス風な第二の幽霊は現在で、死神のような顔の無い第三の幽霊は未来ですが子供だか大人だかわからない顔をした第一の過去の幽霊の頭が蝋燭の炎のように付かず離れずなのが一風変わっています。 未来の幽霊にどこまでも追いかけられてスクルージが家に戻ればベッド上には…ああ、知りたくない。 マーレイの幽霊の叫び過ぎで口が裂けるに始まり、ともかく爆音!効果音が怖いです。 2005年の「Where the Truth Lies(秘密のかけら)」に出演したColin Firth(コリン・ファース)もスクルージ爺さんの気の良い甥っ子(姉の息子)のフレッドの声を担当し、声優陣にはBob Hoskins(ボブ・ホスキンス)、Robin Wright(ロビン・ライト)、Cary Elwes(ケイリー・エルウィズ)、Gary Oldman(ゲイリー・オールドマン)というベテラン俳優が名を連ねているというファンタジーのアニメ映画はぜひ観たい作品ですが、ちいさな子供にはちょっと残酷シーンが気になる。
Jim Carrey in A Christmas Carol (2009) Trailer – YouTube
日本語訳の書籍 和訳クリスマスキャロル
A Christmas carol (研究社小英文叢書 (77))
クリスマス・キャロル 単行本
リンク先は星の数ほどたくさん出版されているクリスマスキャロルの書籍のほんの一例ですが、愛読書としていつも手元に置きたい読書家向けにハードカバー版「愛蔵版 クリスマス・キャロル [単行本]」(ISBN-10: 4001156342)が2009年に発売されました。 1843年のA Christmas Carolが初版だったという19世紀英国の風刺画家のJohn Leech(ジョン・リーチ)のイラスト入りで日本語翻訳は児童文学者の脇明子です。 ☆ジョン・リーチはユーモラスなエッチング(銅版画)やリトグラフ(石版画)のイラストで有名です。
MOVIE TRAILER: – Christmas Carol (1938) – Internet Archive.org
FULL MOVIE: – Scrooge (1935) with Sir Seymour Hicks – Internet Archive.org
「Audio-Visual Trivia」内のクリスマス関連映画
1940年の街角 桃色の店はThe Shop Around The Corner
1946年の素晴らしき哉、人生!はIt’s a Wonderful Life
1947年の三十四丁目の奇蹟はMiracle on 34th Street
1954年のホワイト・クリスマスはWhite Christmas
1958年の媚薬はBell, Book and Candle
1964年のサンタ対火星人の宇宙大戦争はSanta Claus Conquers the Martians
1968年のクリスマス・ツリーはL’arbre de Noel
2004年の恋のクリスマス大作戦はSurviving Christmas
2004年のポーラー・エクスプレスはThe Polar Express
2007年のブラザーサンタはFred Claus
2008年のフォー・クリスマスはFour Christmases